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医中誌からのお知らせ

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●検索式: (インフルエンザ/TH or インフルエンザ/AL) and A型/AL and (疾病の発生/TH or パンデミック/AL) AND (AB=Y PT=会議録除く) ・・・・・ 291件
2009/11/06更新

・医中誌Webから抽出した、関連する国内医学文献の情報です。
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2009284722
医中誌Web
2007/08シーズンにおけるインフルエンザ発生の特徴
Source:現代医学(0433-3047) 56巻3号 Page487-491(2009.03)
Author:長谷川総一郎(愛知県江南保健所), 木村隆, 櫻井博貴, 續木雅子, 広瀬かおる, ・ 内一仁, 増井恒夫
Abstract:愛知県で行われている感染症発生動向調査事業においては、定点医療機関から県内保健所を経由して愛知県衛生研究所へ患者発生症例診断数のほかに、地域で発生していぬ様々な感染症に関する情報も同時に寄せられている。2007/08シーズンにもインフルエンザ定点医療機関(以下「定点医療機関」という)から患者診断報告に付随して、インフルエンザ症例に係るコメント情報(以下「コメント症例」と言う)が寄せられた。上記定点医療機関数を表1に示す。その情報を基に過去に我々が実施した2004/05シーズン、2005/06シーズン、2006/07シーズンにおけるインフルエンザ型別(A・B)発生動向を集計・解析したので若干の文献的考察を加えて報告する。(著者抄録)
 

2009284114
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
政策 わが国におけるインフルエンザワクチン対策 福見理論と学童集団接種
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻3号 Page237-243(2009.07)
Author:加地正郎(久留米大学)
Abstract:例年のインフルエンザ流行をみると、疫学的な見地から学校が流行増幅の場となっていると考えられる。したがって学童、生徒を対象に広くインフルエンザワクチンを接種して感染を防ぎ、ひいてはその地域での流行を阻止する目的で行われたのが福見理論に基づく学童の集団接種である。一時期わが国では他国ではみられないこの集団接種が全国的に実施され、その評価については当時から現在まで多くの議論が行われている。(著者抄録)
 

2009284113
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
公衆衛生 ソ連かぜの起源
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻3号 Page231-236(2009.07)
Author:中島捷久(())
Abstract:1977年に出現した新型のソ連かぜA/H1N1ウイルスは1946〜1957年にヒトに流行したウイルスと類似のH1血球凝集素(HA)とN1ノイラミニダーゼ(NA)抗原をもつA/H1N1ウイルスであった。1978年に抗原性の解析、RNAハイブリダイゼーション法およびRNAフィンガープリント法により、ソ連かぜH1N1ウイルスは1950年の標準株、A/Fort Warren(FW)/1/50と近いことが明らかにされた。今回、A/USSR/90/77ウイルスと1947〜1957のH1N1ウイルスの遺伝子の塩基配列を解析したが、同様の結果が得られた。ソ連かぜH1N1ウイルスは実験室から流出したインフルエンザウイルスによる流行の可能性が考えられる。(著者抄録)
 

2009284111
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
診断 血清診断におけるHIと中和抗体の意義(特にH5N1)
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻3号 Page217-223(2009.07)
Author:来海和彦(化学及血清療法研究所 第二研究部第三研究室), 城野洋一郎
Abstract:インフルエンザの血清診断法であるHI試験や中和試験は、現在では流行予測やワクチンの有効性の代替指標としての役割が強い。H5N1インフルエンザウイルスのヒトへの感染の場合、HI試験の感度が低いことから、ペア血清を用いた確定診断やサーベイランスは主に感度が高い中和試験により行われている。血中抗体は、インフルエンザの感染防御(発症防御を含む)や重篤化の抑制に重要な役割をもち、H5N1インフルエンザの場合でも感染患者に対して抗血清を移入することにより治療効果が認められることや、マウスやフェレットを用いた受動免疫実験の結果から抗体の重要性は明らかである。しかし、季節性インフルエンザにおける防御レベルであるHI抗体価1:40はH5N1インフルエンザにはあてはまらない。また、中和試験でも検出できないような低い抗体価でも、ウイルス感染を抑制することが報告されており、抗体価と感染防御の関係は明確にされていないのが現状である。(著者抄録)
 

2009284110
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
疫学 抗原循環説について
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻3号 Page211-216(2009.07)
Author:西村秀一(国立病院機構仙台医療センター 臨床研究部病因研究室)
Abstract:抗原循環説という言葉を聞き、何を思い浮かべるであろうか。インフルエンザを昔から勉強している人たちは、次のパンデミックを想像するであろうか。あるいは、あんなものと一蹴するであろうか。最近やたら目立つようになった「感染症の専門家」と自分を称する方々なら、理解の程度はともかく、この漢字5文字を字面ぐらいはみたことがあるかもしれないくらいの、有名な概念ではある。だが若い研究者や勉強し始めて間もない人たちには、初耳かもしれない。別にこれを知っているから、知らないからどうだという話ではない。だが、およそインフルエンザ関係者なら、知的には非常に興味深い概念ではある。これを筆者なりに料理してみた。(著者抄録)
 

2009284109
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
基礎 ウイルス系統樹の考え方
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻3号 Page203-209(2009.07)
Author:信澤枝里(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター第四室)
Abstract:ウイルスの進化を知るうえで、系統樹作成は重要な手段の1つである。系統樹によりウイルス間の正しい系統関係が明らかになれば、各ウイルスの起源、分岐時期の推測、さらに進化スピードの推定も可能になる。また、宿主により異なるウイルスの進化様式も系統樹のパターンから明らかになる。配列の比較だけからでは得られない多くの情報が、系統樹解析により提供される。しかし、系統樹は、配列をもとに作成されており、そこには蛋白質の機能や抗原性に関する情報は含まれていない。このような情報とともに系統樹を活用すれば、ウイルスの系統解析の幅が広がることが期待される。(著者抄録)
 

2009280984
医中誌WebMedicalOnline
新型インフルエンザは怖いのか?怖くないのか? 考え方と対策
Source:小児科臨床(0021-518X) 62巻7号 Page1741-1747(2009.07)
Author:土屋廣幸(愛育会福田病院 小児科)
Abstract:最近、新型インフルエンザの出現について、さまざまな報道や出版がなされている。しかし、医療職以外の職員も含めた医療機関のスタッフすべてが新型インフルエンザについて十分理解しているとは言い難い。また、新型インフルエンザについて基礎から対策までを総覧した文献は多くない。そこで以下のような事柄について検討した。(1)インフルエンザの基礎的事項:(1)ウイルスの変異、(2)構造と型・亜型、(3)表記法、(4)毎年ワクチンを接種する理由、(5)新型出現の機序、(6)トリインフルエンザウイルスのヒトへの感染、(7)ウイルスの交雑、(8)新型出現のフェーズ、(9)過去の新型ウイルス、(10)トリインフルエンザウイルスに感染したヒトの症状。(2)新型インフルエンザ対策:(1)個人・家庭レベル、(2)一般的職場、(3)地方自治体、(4)医療機関の関わり。(著者抄録)
 

2009277317
医中誌Web
新型インフルエンザH1N1の流行 パンデミックへの助走か
Source:化学療法の領域(0913-2384) 25巻6号 Page1308-1309(2009.05)
Author:鈴木宏(新潟大学 大学院医歯学総合研究科国際感染医学講座公衆衛生学分野)
Abstract:これまで、世界中で高病原性トリインフルエンザH5N1が次の新型インフルエンザの最大候補として、その対応策を練ってきた。しかし、予想されたとはいえ、豚からの新型インフルエンザ発生が現実化した。現在のところ伝播状況からフェーズ5であり、重症度からは低い程度と思われ、これまでの高い重症度を念頭とした国の新型インフルエンザ対策計画の再検討が必要となっている。さらには、流行の疫学情報が不足しており、今後の早急な情報収集と解析により、訪れる冬期の流行最盛時期への的確で有効な対応を行う準備が重要となっている。(著者抄録)
 

2009273678
医中誌Web
高病原性鳥インフルエンザと野鳥の関わり
Source:ウイルス(0042-6857) 59巻1号 Page53-58(2009.06)
Author:伊藤壽啓(鳥取大学農学部附属鳥由来人獣共通感染症疫学研究センター)
Abstract:H5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが世界規模の大流行を引き起こし、今尚、各国の養鶏産業界に甚大な被害を与え続けている。またインフルエンザウイルスは鳥類に由来する最も重要な人獣共感染症の病原体の一つであり、本ウイルスの人への直接感染事例もまた増え続けている。本ウイルスは鶏やアヒルなどの家禽以外にも多くの鳥類が感受性を有することから、とくに野生鳥類が本ウイルスの伝播、流行拡大に重要な役割を果たしている可能性が示唆されている。しかしながら、自然界における本ウイルスのレゼルボアとしての野鳥の役割は未だ完全には理解されていない。そこで高病原性鳥インフルエンザウイルスの生態に果たす野鳥の役割を明らかにする目的で、渡り鳥を含む国内野鳥を対象としたウイルス保有状況調査が環境省、山階鳥類研究所および鳥取大学で実施された。これまで3株のH5N1高病原性鳥インフルエンザウイルスが分離されている。その一つは2007年1月に熊本県相良村において衰弱して発見されたクマタカから分離された。他の2株は2008年4月と5月に青森県十和田湖において斃死したオオハクチョウから分離された。渡り鳥は季節性に地球規模で移動することから、同様の問題は他の国々においても常に起こり得る。野鳥を対象とした広範囲な共同疫学調査が高病原性鳥インフルエンザの国際防疫に重要であると考えられている。(著者抄録)
 

2009241932
医中誌WebJ-STAGE
新型インフルエンザに対するプレパンデミックワクチン接種に関する意識調査
Source:日本環境感染学会誌(1882-532X) 24巻3号 Page189-194(2009.05)
Author:鹿角昌平(長野県立須坂病院 薬剤科), 飛澤知佳, 田中健二, 中島恵利子, 高橋央, 齋藤博
Abstract:「新型インフルエンザに対するプレパンデミックワクチンの安全性の研究」への当院職員の参加意思の確認に際して、併せて接種同意・不同意の理由を調査した。全職員の66.6%が接種に同意し、同意理由の上位3項目が「他に適当な予防法がないと思うから」、「今後プレパンデミック・ワクチンを受けられるか分からないから」、「有効な予防法と思うから」であったことから、新型インフルエンザのパンデミックに対する危険性の認識や、その対策としてのプレパンデミックワクチンの有効性への期待は高い水準にあると考えられた。部門別の同意者の割合は医師、看護職員、コメディカルにおいて高く、患者と直接接する機会の多い職種であるためと思われた。部門別の同意理由では医師、看護師、コメディカル、事務部門においては「他に適当な予防法がないと思うから」と「有効な予防法と思うから」を合わせた比率が何れも5割前後であったのに対し、給食部門、その他部門では3〜4割と相対的に低く、ワクチンに対する認識の度合いが職種により異なることが示唆された。また、全ての部門で「新型インフルエンザに感染すると思わないから」との不同意理由が見られたことから、今後の院内研修会等において、感染症に対する認識の更なる向上を図る必要性が認められた。(著者抄録)
 

2009241616
医中誌Web
製薬企業として関わるパンデミックインフルエンザ対策
Source:Medical Science Digest(1347-4340) 35巻6号 Page256-259(2009.06)
Author:前田敦(グラクソスミスクライン 開発本部・臨床開発第8部), 野呂信弘
Abstract:ワクチンおよび抗インフルエンザ薬の備蓄は各国政府によるパンデミックインフルエンザ対策の中核をなす。プレパンデミックワクチンの大切な要件は、1)ドリフト変異に対する交差反応性、2)免疫応答持続性、3)十分な安全性を有することである。抗インフルエンザ薬に関しては、薬剤耐性ウイルスの出現に備えて複数薬剤の備蓄が必要である。GlaxoSmithKline(GSK)社はプレパンデミックワクチンと抗インフルエンザ薬の両方を製造する企業として、製品の供給を中心に各国のパンデミック対策をサポートしている。(著者抄録)
 

2009228633
医中誌Web
新型インフルエンザパンデミックにおける社会不安緩和に向けた報道の考察 マスメディア関係者の意識調査から新型インフルエンザ報道への提言
Source:日本渡航医学会誌(1883-8065) 2巻1号 Page4-10(2009.03)
Author:勝田吉彰(近畿医療福祉大学)
Abstract:新型インフルエンザのパンデミックでは大きな社会不安の発生が予想されるが、その及ぼす影響についてSARS流行中に北京で在勤した経験を基に記した。その中で、SARS流行時の社会不安緩和にあたり的確な情報提供が有効であった経験を踏まえ、国内で発生時に情報提供の機能をはたすマスメディア関係者の意識調査を行い提言すべきことを検討した。「感染者発生」には高い関心が示されたが、社会不安を拡大する「噂の流布」に対する関心は低く、流行時には社会に流布する噂の拾い上げと訂正報道を強く要請してゆく必要があると考えられた。また、受診者の激増に揺れる医療現場に対する関心は、「医療従事者の疲弊状態」に対しては高い関心が得られる一方「受診者の不規則行動」や「過度の要求への対応による医療現場の能率・能力低下」に対する関心は相対的に低く、その報道を強く要請しこれらによる混乱で発生する治療の遅れを防いでゆくことが望まれる。(著者抄録)
 

2009219672
医中誌Web
感染症流行予測調査
Source:宮城県保健環境センター年報(0910-9293) 26巻 Page99-102(2008.12)
Author:宮城県保健環境センター微生物部
Abstract:平成19年度における感染症流行予測調査結果を報告した。1)麻しん感受性調査では全体の抗体保有率は93.2%、ワクチン接種年齢に達していない0〜1歳群は35.7%であった。2)風しん感受性調査では全体の抗体保有率は85.0%、0〜1歳群は35.7%と低く、どの年齢群でも男性より女性で若干高く、ワクチン接種者97.5%に対し未接種者59.3%と有意差が認められ、14歳以下の未接種者は全て抗体保有率0%であった。3)日本脳炎感受性調査では全体の抗体保有率は37.2%、40歳以上では6.7%と極めて低く、ワクチン接種率は全体で53.9%と約半数が未接種であった。4)ワクチン接種者の抗体保有率は2〜19歳で90%以上、20歳以上では50%以下に低下し、追加接種が必要と考えられた。5)感染源調査では98頭のブタ血清中4件で新鮮感染が認められ、新型インフルエンザ感染源調査ではブタ鼻腔拭い液100件中2件からウイルスが分離され、この2件ともインフルエンザA/H3N2亜型であった。
 

2009218187
医中誌Web
インフルエンザ流行の現状と対策について
Source:秋田県医師会雑誌(0286-7656) 59巻2号 Page101-110(2009.03)
Author:朝倉健一(秋田県厚生農業協同組合連合会由利組合総合病院 内科), 黒木淳, 西成民夫, 西村茂樹, 加藤純, 伊藤辰巳, 工藤昌子, 杉田暁大, 佐藤義昭
Abstract:秋田県由利組合総合病院では2004/05シーズンにインフルエンザを疑わせる症状があった。そこで、インフルエンザ迅速診断キットを施行して結果の判明した患者を対象に流行状況を分析した。総検体数は4402検体で、A型陽性655件、B型陽性810件、A・Bともに陽性2件であった。このシーズンはB型が出現して急速に拡大し、A型がこれに続いていた。一時、両型が混在して流行する異常事態となり、B型が終息した後もA型の流行が遷延していた。両型とも年齢分布に大差はなく、罹患者は各年代に及んだが、20歳未満がほぼ半数を占めていた。全患者の約30%は事前にワクチンを接種していたが、迅速診断キット測定時体温が38℃以下においても28.7%が陽性となっていた。尚、過去2シーズンと比較するとB型の流行は隔年に発生していた。
 

2009213911
医中誌WebMedicalOnline
小児のA香港型インフルエンザは低年齢児に多い 奈良県における1998/99〜2007/08シーズンのウイルス分離成績から
Source:小児科臨床(0021-518X) 62巻6号 Page1105-1110(2009.06)
Author:松永健司(済生会御所病院 小児科), 野並京子, 林有紀子, 大村真曜子, 山田佳世, 武山雅博, 矢本陽子, 今津美由紀
Abstract:インフルエンザ(Flu)のなかで、熱性けいれんや脳症はA香港型に最も多い。1998年以降、当科では小児科定点としてFluの動向に注目し、Flu様疾患のうち脱水症や熱性けいれんなど合併症のみられる児を対象にウイルス分離を行ってきた。10年間(1998/99〜2007/08シーズン)に172例の鼻咽頭拭い液からFluウイルスが検出された。内訳はAソ連型(AH1)41例、A香港型(AH3)77例、B型54例で、この172例を対象に、罹患年齢や年度別および月別発生など疫学的特徴について検討した。Aソ連型とB型には流行年とともに、非流行年(両型とも3年連続を含む)があるのに対して、A香港型はすべての年度で検出された。罹患年齢を比較すると、Aソ連型(5.0±3.2歳)とB型(5.0±3.1歳)に比べて、A香港型(3.5±3.2歳)で有意に(p<0.01)低かった。A香港型Fluが特徴的な流行態度(10年連続)から浸透して、年長児の抗体保有率が上昇し、低年齢児に罹患が集中するのではないかと推察される。(著者抄録)
 

2009202241
医中誌Web
インフルエンザ非流行期の集団発生から分離されたAH3亜型ウイルスの抗原性の解析
Source:青森県環境保健センター研究報告(0917-1924) 19号 Page20-26(2009.03)
Author:吉田綾子(阿部クリニック), 筒井理華, 石川和子, 阿部芳則, 三上稔之
Abstract:青森県における2007/08シーズンのインフルエンザの流行は2008年2月まではAH1亜型のみの検出であったが、インフルエンザ非流行期の2008年6月に救護施設で集団発生があり、AH3亜型と判明した。そこで、その分離株の抗原性を検討するため遺伝子解析、赤血球凝集抑制試験を行った結果、1)分離株は2007/08シーズンのワクチン株A/Hiroshima/52/2005に比べてHI価が16倍低く、交叉反応性が大きく低下していた。2)HA1領域のアミノ酸配列の系統樹解析ではA/Hiroshima/52/2005よりも次シーズンワクチン株であるA/Uruguay/716/2007に近縁であった。3)アミノ酸レベルでの相同性の比較では、分離株はA/Hiroshima/52/2005に97.5%、A/Uruguay/716/2007に98.8%の相同性がみられた。4)分離株は塩基配列の変異によるアミノ酸置換から抗原性に変化が生じたと推察され、当該施設ではワクチン接種を行っていたが、抗原性の差異によって感染防御効果が低下したと考えられた。
 

2009199880
医中誌WebMedicalOnline
北空知地区のインフルエンザ流行に関する調査研究
Source:臨床小児医学(0035-550X) 56巻5-6号 Page121-137(2008.12)
Author:伊藤崇(深川小児科医院)
Abstract:過去7シーズンの北空知地区のインフルエンザの流行状況とA型、B型に分けた年齢分布の解析の結果、ならびに2007/08シーズンの流行状況とワクチンの有効性の検討結果ならびにインフルエンザのリスク年齢層の集団生活の場である保育園での感染拡大の実態の研究は少ない。筆者は平成12年(1999/00シーズン、2園、以下A調査)、平成19年(2007/08シーズン、3園、以下B調査)の2回にわたってインフルエンザ流行終息直後にアンケート調査を行い、保育園での感染拡大の実態を検討したので報告する。(著者抄録)
 

2009182353
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
1976年の米国のブタインフルエンザ騒動について(その1)
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻2号 Page152-160(2009.04)
Author:西村秀一(国立病院機構仙台医療センター 臨床研究部病因研究室)
Abstract:1976年1月に、米国の陸軍キャンプでインフルエンザが流行し、新兵の一人が行軍中に死亡した。調査の結果、この流行のなかからブタインフルエンザウイルスが分離され、これが1918年のものと同じようなパンデミックを引き起こすことが懸念され、全国民向けのブタインフルエンザワクチンの大規模接種事業が開始された。だが、ブタインフルエンザのパンデミックは起きず、それどころか接種者のなかにギランバレー症候群を発症する人たちが出てきたためにこの事業は中止を余儀なくされた。そして、これがもとでフォードはその年にあった大統領選挙での再選が絶たれた。(著者抄録)
 

2009182352
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
わが国の新型インフルエンザの影響予測とその対策
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻2号 Page143-149(2009.04)
Author:鈴木和男(千葉大学 大学院医学研究院免疫発生学・炎症制御学), 安田英典
Abstract:2003年に東南アジアに発生した高病原性のH5N1インフルエンザがパンデミックとなる可能性から世界的な脅威が高まり、各国のパンデミック対策が進められている。わが国でも、H5N1に対するワクチンはすでにプレワクチンとしてパンデミック対策に準備が進められている。しかし、パンデミックインフルエンザに対応するためには、(1)迅速診断キット開発、(2)予防薬、(3)治療薬、(4)社会的な対応策を準備しておくことも必要である。社会的な対応策の検討では、具体的なプランをシミュレーションによって評価しておくことが重要である。インフルエンザの流行の各国のシミュレーションと、筆者らによる都心からJR中央線にそった拡大に対して、学級閉鎖とワクチン投与が有効な対策となるわが国のシミュレーションを紹介する。(著者抄録)
 

2009182351
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
公衆衛生 世界各国における新型インフルエンザ対策の現状
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻2号 Page133-141(2009.04)
Author:玉記雷太(東北大学 大学院医学系研究科微生物学分野), 神垣太郎, 押谷仁
Abstract:新型インフルエンザへの世界的な懸念が高まるなか、先進各国では20世紀に起こった3度の新型インフルエンザから推定された被害想定に基づいてさまざまな対策が進んでいる。その対策はワクチン・抗ウイルス薬などの医薬品を用いた対策(pharmaceutical measures)から、それ以外の学校閉鎖・検疫の強化などの公衆衛生上の対策(non-pharmaceutical measures)まで、国をあげての包括的な対策となっている。一方で、途上国においては、新型インフルエンザ対策はほとんど進んでいない。本稿において、アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・EU・日本の新型インフルエンザ対策をまとめ、また、途上国における現状・問題点を概括する。(著者抄録)
 

2009182350
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
治療 耐性ウイルスを見据えた抗インフルエンザ薬治療 オセルタミビルの有効性の推移
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻2号 Page125-131(2009.04)
Author:河合直樹(日本臨床内科医会), 岩城紀男, 前田哲也, 川島崇, 廣津伸夫, 池松秀之, 柏木征三郎
Abstract:最近、世界的にオセルタミビル耐性ウイルスの出現が報告されている。本稿では2003/2004年以降のウイルス培養、感受性試験(IC50)、遺伝子解析、臨床効果などから同薬の有効性の推移を検討し、耐性ウイルスを見据えた抗インフルエンザ薬治療について考えた。同薬投与4〜6病日のウイルス残存率は2007/2008年まで5シーズン、A/H1N1,A/H3N2,Bの各型で年度間に有意差はなかった。IC50は2006/2007年までA/H3N2,Bとも投与前後で有意変化なく、Bでのみ2004/2005年と2006/2007年間に投与前、投与後ともに有意な増加を認めた。日本臨床内科医会の臨床分離株では現時点までに判明した遺伝子解析で耐性ウイルス関連変異はなかった。迅速診断A型例での解熱時間は過去5シーズン大きな変化はなかった。2007年末以降の本薬耐性A/H1N1の世界的増加などを考慮した抗インフルエンザ薬治療指針の私案も作成した。(著者抄録)
 

2009177490
医中誌Web
インフルエンザ様疾患の流行状況(2007/2008年)
Source:島根県保健環境科学研究所報(1347-2860) 49号 Page91-96(2008.12)
Author:小村珠喜(島根県保健環境科学研究所), 田原研司, 糸川浩司, 飯塚節子, 保科健
Abstract:2007/2008年におけるインフルエンザ様疾患の流行状況を解析した。その結果、1)今シーズンの島根県の流行は、99/00シーズン以降3番目に少ない小流行であったが、流行の開始(11月初旬)や立ち上がりが早く、2月上旬にピークとなり、4月下旬にほぼ終息した。2)年齢別患者数は4〜9歳が他年代に比べ突出して多く、次いで1〜4歳であった。3)分離されたウイルスは169株で、内訳はAソ連型138株(82%)、A香港型7株(4%)、B型24株(14%)とAソ連型主体の流行であった。4)分離されたウイルスの抗原性解析では、Aソ連型のウイルスはワクチン株のA/Solomon Islands/3/2006とその類似株の2種類であり、A香港株(A/H3N2)はHI価がワクチン株と4倍以上異なる株がほとんどであった。尚、B型の24株中17株が山形系統、7株がビクトリア系統であった。5)A/H1N1抗インフルエンザ薬剤耐性株サーベイランスでは、島根県の83株中1株がタミフル耐性株であった。
 

2009171959
医中誌WebMedicalOnline
高病原性新型インフルエンザの大流行に対する予防的対策 新規開発の長時間有効ノイラミニダーゼ阻害剤の緊急大量生産と備蓄(Preventive Countermeasures Against a Pandemic of a New Highly Pathogenic Influenza: Rapid Mass Production and Stockpiling of a Newly Developed Long-Acting Neuraminidase Inhibitor)
Source:東邦医学会雑誌(0040-8670) 56巻2号 Page143-152(2009.03)
Author:杉田稔(東邦大学 医学部社会医学講座衛生学), 宮川路子, 島田直樹
Abstract:背景:高病原性A型鳥インフルエンザ(H5N1)のヒトからヒトへの易感染性はまだみられないが、そのウイルスの遺伝子変異によりヒトへの感染性が増強されて世界的大流行となる脅威はある。専門家たちは、ノイラミニダーゼ阻害剤はこのインフルエンザの大流行に対して感染初期の患者治療や予防に有効であると、合意している。新型インフルエンザの大流行に対する世界中のノイラミニダーゼ阻害剤の備蓄は少な過ぎると指摘されている。ノイラミニダーゼ阻害剤の備蓄に加えて、その緊急大量生産ももう1つの方法である。現在市販されているノイラミニダーゼ阻害剤は、oseltamivir(Tamiflu)とzanamivir(Relenza)で、その特許をF.Hoffmann-La Roche Ltd.(Roche)(Basel、Switzerland)とGlaxoSmithKline plc.(Brentford、MDX、UK)が保持している。日本の第一三共株式会社(東京)が新規の長時間作用性ノイラミニダーゼ阻害剤CS-8958を最近開発し、現在第3相臨床試験中である。目的:日本において、ノイラミニダーゼ阻害剤の備蓄と緊急大量生産の可能性に関し研究することを目的とする。材料と方法:インターネットを含め諸文献のみならず、製薬・化学企業の技師に対する面接から情報を得た。結果と考察:現在市販されているoseltamivirとzanamivirと臨床試験中のperamivirとT-705は長時間作用性の薬剤ではなく、治療には1日2回で5日間の投与を必要とする。これに対し新規開発の長時間作用性CS-8958は治療に1回の投与ですむ。このことは、CS-8958のコンプライアンスが他の抗インフルエンザ薬より良いことを示している。医師や警察官のような基本的社会システムを維持する者に予防目的でTamifluを使用したり、予想より多くの患者が発生したり、諸外国への援助に回されたりすれば、日本におけるTamiflu備蓄は不十分である。もし、その大流行に対する日本におけるTamifluの備蓄が不十分ならば、他の抗インフルエンザ薬の備蓄や緊急大量生産が、たとえCS-8958などが臨床試験中でも、Tamiflu備蓄の緊急代替となりうる。日本におけるCS-8958の十分量の備蓄や緊急大量生産も第一三共の指示のもと可能となる。結論:新規開発の長時間作用性ノイラミニダーゼ阻害剤CS-8958は高病原性新型インフルエンザの大流行に対する予防的対策においてTamifluの緊急代替となりうる。日本におけるCS-8958の十分量の備蓄や緊急大量生産は困難ではない。(著者抄録)
 

2009170332
医中誌Web
感染症発生動向調査事業における病原体検出状況(平成19年度)
Source:岩手県環境保健研究センター年報(1348-1886) 7号 Pagenp35-np43(2008.12)
Author:高橋雅輝(岩手県環境保健研究センター), 松舘宏樹, 藤井伸一郎, 岩渕香織, 蛇口哲夫
Abstract:平成19年度の感染症発生動向調査事業における病原体検出状況について報告した。5類感染症(定点把握)の指定疾患に加え、対象外の上気道炎、不明熱、リンパ節炎、発疹症等も検査対象とした。検体は病原体定点等の11医療機関において採取した。対象疾病患者328例から採取した331検体について検査し、113株の病原ウイルスと1株の病原細菌を検出した。インフルエンザの流行は、2001/2002シーズン以降では2005/2006シーズンに次いで二番目に早く、12月中旬に始まった。1月上旬にA型インフルエンザウイルスが検出され始め、3月上旬からB型インフルエンザウイルスが検出され始めたが、シーズンを通じて、Aソ連型インフルエンザウイルスを中心とした流行であった。10月から3月にかけてノロウイルスによる感染性胃腸炎の流行を確認した。
 

2009160960
医中誌Web
滋賀県におけるインフルエンザの流行について(2007/2008年シーズン)
Source:滋賀県衛生科学センター所報(1880-4519) 43巻 Page45-51(2009.03)
Author:松本文美絵(滋賀県衛生科学センター), 大内好美, 田中千香子, 南祐一, 吉田とも江, 川添正幸
Abstract:2007/2008年シーズンにおける滋賀県内のインフルエンザ流行状況について報告した。その結果、1)2007/2008年シーズンの滋賀県内におけるインフルエンザの流行はAH1型が主流であり、全国の結果と同様であった。2)最初の患者発生報告は例年より早い2007年第42週であったが、流行のピークは2008年第6週と例年どおりであった。3)感染症発生動向調査における過去10年間の流行シーズン別定点あたり総患者数からみると、2007/2008年シーズンは滋賀県が122.82人/定点、全国が140.61人/定点で、滋賀県では過去10シーズンで8番目と少なかった。
 

2009157011
医中誌WebMedicalFinder
【苦手感染症の克服】 新型インフルエンザ 新型インフルエンザ流行時に医療を提供するために
Source:Medicina(0025-7699) 46巻4号 Page612-614(2009.04)
Author:和田耕治(北里大学 医学部衛生学公衆衛生学)
Abstract:<ポイント>●流行時には,ほとんどすべての医療機関が患者に対応しなければならない.●医療機関は,組織として医療従事者を感染や過労から守る.●医療従事者は,自分の身を守るための感染予防策を十分に実施する.●自分の顔にあったN95マスク(防じんマスクDS2)を見つけるには,フィットテストが必要.(著者抄録)
 

2009157010
医中誌WebMedicalFinder
【苦手感染症の克服】 新型インフルエンザ わが国の流行予測と医療体制整備
Source:Medicina(0025-7699) 46巻4号 Page608-611(2009.04)
Author:高山義浩(長野県厚生農業協同組合連合会佐久総合病院 総合診療科)
Abstract:<ポイント>●新型インフルエンザの流行予測とは,対策を推進してゆくための便宜上の仮説にすぎず,すべての対策は柔軟なものが求められる.●新型インフルエンザの蔓延期には,すべての事業の縮小が余儀なくされる.これは医療機関も例外ではない.●発熱外来は流行段階によって役割が異なる.感染拡大期までは早期に発見して入院措置へつなげることが目的であり,蔓延期以降は増大する医療ニーズに対応することが目的である.●蔓延期における重症者の入院医療には,原則としてすべての入院医療機関が対応するという方針がまずは求められる.(著者抄録)
 

2009142142
医中誌WebMedicalOnline
【その治療、耐性菌誘発の原因になっていませんか? 耐性菌呼吸器感染症の予防と治療の最新動向】 病原体別にみた薬剤耐性の現況と対応 インフルエンザウイルス
Source:分子呼吸器病(1342-436X) 13巻1号 Page65-69(2009.01)
Author:畠山修司(東京大学医学部附属病院 感染制御部・感染症内科)
Abstract:<Lecture Key Notes>・現在,A型インフルエンザウイルスのアマンタジンに対する耐性率はきわめて高い.・ノイラミニダーゼ阻害薬耐性ウイルスに対する知見が集積されつつある.臨床経過に与える影響は今後検討されるべき課題である.・オセルタミビル耐性A型インフルエンザウイルス(H1N1)の流行がみられた.耐性ウイルスの出現とその拡がりに厳重な監視を継続する必要がある.(著者抄録)
 

2009129904
医中誌Web
私達の研究 Comprehensive therapy for human H5と迅速診断キット
Source:化学療法の領域(0913-2384) 25巻3号 Page487-492(2009.02)
Author:工藤宏一郎(国立国際医療センター国際疾病センター), 泉信有, 高崎仁, 秋山徹, 新保卓郎, 間辺利江
Abstract:2003年〜2009年1月まで、世界でのH5N1鳥インフルエンザの報告は399例で死亡率は63%に上る。ほぼ一週間で重篤なARDS(成人呼吸促迫症候群)を引き起こす急性重症感染症である本症に対して、早期診断・早期治療なくしては有効な治療は成立しない感を強く持つ。これを受け、我々はベトナムにて、ヒトH5N1への臨床対応というテーマで研究活動を実施している。まず、患者のベッドサイドで15分で簡便に検査できるヒトH5N1感染に対する迅速診断法を開発した。それを活用し、早期診断・早期治療の実現と患者の早期受診を促す包括的治療法(comprehensive therapy for human H5)を開発し、実施している。本稿では本研究プロジェクトを紹介する。(著者抄録)
 

2009124593
医中誌WebMedicalOnline
当院における過去6シーズンにおけるインフルエンザウイルス抗原検査状況と四日市市の定点報告の検査状況との比較検討
Source:医学検査(0915-8669) 58巻1号 Page42-45(2009.01)
Author:海住博之(主体会小山田記念温泉病院 検査部), 落合勤子, 田中千夏, 石垣志穂, 佐藤綾子
Abstract:2002〜2007年の検査状況を比較検討した。シーズンごとの陽性状況(A・B型検出割合)は、当院・四日市市とも2002-2003、2003-2004、2005-2006がA型主体の流行、2004-2005がB型主体の流行であり、ほぼ同率の傾向を示した。過去4シーズンの比較では、四日市市の定点報告で陽性報告週が連続し始めると当院では2〜4週遅れて陽性1例目が検出されるという傾向がみられた。
 

2009099176
医中誌WebMedicalOnline
【新型インフルエンザと季節性インフルエンザ】 新型インフルエンザ 新型インフルエンザパンデミックの経済的損失のインパクトの予想と対策
Source:臨牀と研究(0021-4965) 85巻12号 Page1717-1721(2008.12)
Author:大日康史(国立感染症研究所感染症情報センター), 菅原民枝
Abstract:新型インフルエンザパンデミックによる経済的損失のインパクトを予想するとともに、対策を講じた場合の効果について検討した。その結果、政府の行動計画で想定されている感染者数3200万人、死亡者64万人とした場合、その経済的損失は176.95兆円と推定され、これは日本の国家予算82.91兆円(2008年度一般会計)の2倍以上であり、GDPの30%に相当した。その対策として、学校閉鎖・外出自粛を実施した場合の効果を検討したところ、首都圏では1/13、福岡では1/9、仙台では1/3まで新規感染者を低下させることをできることが示された。また、福岡では外出自粛率60%と高い場合には、新規感染者の発生をコントロールできる可能性も示唆された。
 

2009086805
医中誌Web
【抗ウイルス薬 2009 Update】 インフルエンザウイルス
Source:Virus Report(1349-6956) 5巻2号 Page24-30(2008.12)
Author:木曽真紀(東京大学医科学研究所 感染・免疫部門ウイルス感染分野), 河岡義裕
Abstract:インフルエンザの予防にはワクチンが有効である。しかし、インフルエンザウイルスは頻繁に抗原変異を生じるため、ワクチンの効果が高くない場合が生ずる。ワクチン以外の防御策として、近年臨床で使用されている抗インフルエンザ薬は非常に有効である。だが、抗ウイルス薬の使用には耐性ウイルス出現の問題が常に起こる。新たなパンデミックに備え、抗インフルエンザ薬について精力的な研究、開発が成されている。(著者抄録)
 

2009086641
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
わが国における新型インフルエンザ対策
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻1号 Page53-58(2009.01)
Author:関なおみ(厚生労働省健康局 結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室)
Abstract:わが国では、新型インフルエンザに対し、政府は体制整備や法律改正等を進めてきた。また、厚生労働省(以下「厚労省」とする)は2008年4月に「新型インフルエンザ対策推進室」を設置し、民間からの登用なども行いながら、行動計画やガイドラインの改定をはじめ、対策推進の一層の強化を行っている。(著者抄録)
 

2009086640
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
誤解されている新型インフルエンザ
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻1号 Page47-52(2009.01)
Author:菅谷憲夫(神奈川県警友会けいゆう病院 小児科)
Abstract:新型インフルエンザは近い将来必ず出現し、全国民100%が罹患発病する。したがって、新型インフルエンザ対策では、爆発的に増加するインフルエンザ患者の診療体制の確立が最優先の課題となる。日本の新型インフルエンザ用ワクチンは効果が低く、性能の向上が強く望まれる。小児では発熱などの副作用が懸念される。H5N1プレパンデミックワクチンの備蓄は必須であるが、接種開始は時期尚早である。(著者抄録)
 

2009086638
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
わが国における新型インフルエンザの流行
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻1号 Page33-37(2009.01)
Author:玉記雷太(東北大学 大学院医学系研究科微生物学分野), 神垣太郎, 押谷仁
Abstract:新型インフルエンザへの世界的な懸念が高まるなか、WHO・先進国を中心にさまざまな対策が進んでいる。それら対策の基本は20世紀に起こった3度の新型インフルエンザに基づいており、1918年のスペインインフルエンザ、1957年のアジアインフルエンザ、1968年の香港インフルエンザを振り返る意義は大きい。世界人口が60億人を超え、航空機による大量輸送システムの発達した現代において、「もし」ではなく「いつ」が問題の新型インフルエンザに対して、過去の新型インフルエンザの教訓から学び、日本の新型インフルエンザ対策の問題を考える。(著者抄録)
 

2009086259
医中誌Web
医療安全対策 新型インフルエンザ対策 感染症指定医療機関として
Source:日本透析医会雑誌(0914-7136) 23巻3号 Page397-404(2008.12)
Author:安藤亮一(武蔵野赤十字病院 腎臓内科)
Abstract:新型インフルエンザ対策として、感染症指定医療機関、感染症診療協力医療機関、医師会、保健所、行政が協力して、地域の実情に合った診療体制を構築する必要がある。封じ込め期においては、新型インフルエンザ患者を感染症指定医療機関に勧告入院させる。パンデミック期においては、勧告入院は解除され、感染患者は原則外来治療となり、すべての透析施設は感染患者を自施設で透析する。感染症指定医療機関を含めて、入院医療機関は重症患者の入院を担当する。(著者抄録)
 

2009070691
医中誌Web
2007〜2008年シーズンの名古屋市におけるインフルエンザの流行について
Source:名古屋市衛生研究所報(0287-5241) 54号 Page43-50(2008.11)
Author:後藤則子(名古屋市衛生研究所)
Abstract:2007〜2008年シーズンの名古屋市におけるインフルエンザの流行について報告した。インフルエンザ患者の報告は2007年42週から始まり、2008年5週にピークとなり、24週で終わった。累積患者数は6608例で、昨シーズンの累積患者数正と比較して、2分の1程度であった。集団かぜは2007年12月17日に初発があり、発生のピークは5週で、2月26日の措置を最後に終息した。り患者数は628例で、昨シーズンと比較すると6分の1程度であった。分離ウイルスはAH1型で、分離株の抗原性は、大半はワクチン株A/Solomon Islands/3/2006類似株であった。抗ウイルス剤の使用は、昨シーズンのタミフル服用に関して、10歳以上の未成年者の患者においての使用差し控えの指示が出たことを受けて、集団によって傾向が異なった。
 

2009070112
医中誌WebMedicalOnline
2007/2008年冬におけるインフルエンザの解析
Source:日本医事新報(0385-9215) 4416号 Page70-75(2008.12)
Author:河合直樹(日本臨床内科医会), 池松秀之, 岩城紀男, 廣津伸夫, 高安健, 近藤邦夫, 金澤英夫, 松浦伸郎, 前田哲也, 洞庭賢一, 田中治, 佐々木義樓, 山内知, 小川直, 山西康仁, 原田知行, 大里篤志, 佐藤家隆, 井本雅美, 吉村緑, 外山学, 玉井精雄, 河村研一, 永井徹, 岡山勁, 田名毅, 友利博朗, 越野慶隆, 木村孝, 川島崇, 後藤由夫, 柏木征三郎
Abstract:日本臨床内科医会の全国41医療機関が参加した2007/8年シーズンのインフルエンザ研究結果を報告した。本シーズンの流行規模は小さく、ほとんどがA型で、2月まではA/H1N1、3月以降はA/H3N2が中心であった。ワクチンについては、非接種群よりも接種群でインフルエンザ発生率は有意に低かった。A型ワクチン有効率は1、2月は46〜60%前後であったが、3月は6%と低く、A/H1N1とA/H3N2におけるワクチン接種前後の40倍以上の抗体価保有率の差異を反映している可能性が考えられた。抗インフルエンザ薬は、A型ではオセルタミビルとザナミビルの有効性は変わらず、オセルタミビルは過去5シーズンにおいて有効性に大きな変化はなかった。過去5シーズンのウイルス分離結果からは、A/H3N2ではオセルタミビル、B型ではザナミビルの有効性が高い可能性が示唆されたが、A/H3N2における両薬剤の差は臨床的には大きくないと考えられた。
 

2009054785
医中誌Web
2006/2007シーズンの福井県のインフルエンザ
Source:福井県衛生環境研究センター年報(1348-8007) 5巻 Page108-112(2007.12)
Author:中村雅子(福井県衛生環境研究センター), 東方美保, 川畑光政, 浅田恒夫
Abstract:2006/2007シーズンの福井県のインフルエンザの流行状況を、流行シーズン前の感染症流行予測調査(インフルエンザ抗体保有状況調査)の結果と併せて報告した。7事例中4事例からA香港型、5事例からB型のインフルエンザウイルスを分離し、全事例でのウイルス分離率は60%であった。集団発生事例を含む139検体のウイルス分離状況において、インフルエンザウイルスを分離したのは121検体で、Aソ連型が12検体、A香港型が47検体、B型が62検体であった。集団発生の施設数などおよび散発例も含めた累積患者数において昨年よりも少し大きい規模であった。患者発生は立ち上がり、ピーク、終息ともに遅く、5月下旬まで集団発生の報告が続いた。Aソ連型の分離株の一部は、ワクチン株に対してかなりの抗原変異を起こしていた。
 

2009046032
医中誌Web
2004年と2005年にタイで蔓延していたインフルエンザウイルス(Influenza Viruses Circulating in Thailand in 2004 and 2005)
Source:Japanese Journal of Infectious Diseases(1344-6304) 61巻4号 Page321-323(2008.07)
Author:WaicharoenSunthareeya(タイ), ThawatsuphaPranee, ChittaganpitchMalinee, ManeewongPaiboon, ThanadachakulThanasapa, SawanpanyalertPathom
Abstract:タイのNational Influenza Centerに集められたインフルエンザ患者の咽喉分泌物又は鼻咽喉吸引液は2004年3854サンプル、2005年3834サンプルであった。そのうち、2004年は539サンプルがインフルエンザ陽性(インフルエンザA 461,インフルエンザB 78)で、2005年は748サンプルが陽性(インフルエンザA 492,インフルエンザB 256)であった。インフルエンザAのサブタイプはH1N1 55,H3N2 437,H4N1 5で、H1N1は全てA/New Caledonia/20/99様であった。H3N2は2004年の前半はA/Fujian/411/2002様、後半はA/Wellington/1/2004様、A/California/7/2004様、A/wisconsin/67/2005様の混ざったものに徐々に移行していた。インフルエンザBはB/Sichuan/379/99様、B/Hong Kong/330/2001様、B/Shanghai/361/2002様、B/Malaysia/2506/2004様であった。2004〜2005年に蔓延していた株はWHOにより推奨されたワクチンと抗原性が似通っていた。
 

2009043746
医中誌Web
【新型インフルエンザ その対策】 新型インフルエンザに対するノイラミニダーゼ阻害薬
Source:成人病と生活習慣病(1347-0418) 38巻11号 Page1308-1314(2008.11)
Author:畠山修司(東京大学医学部附属病院 感染制御部・感染症内科)
Abstract:新型インフルエンザの流行がはじまり、パンデミックワクチンが利用できるようになるまでの間は、とりわけ抗インフルエンザ薬が重要な役割を演じる。現在、新型インフルエンザに対してはノイラミニダーゼ阻害薬がより重要視されている。世界保健機関は、ヒトにおける鳥インフルエンザウイルス(H5N1)感染症の治療に関する勧告を示している。現在のところ、可及的早期にオセルタミビルの投与を行うことが第一推奨である。H5N1ウイルス感染症ではオセルタミビルの標準的治療法(150mg/day、5日間)に加え、状況によってはより高容量(300mg/day)、長期間(7〜10日間)の治療も考慮する必要がある。オセルタミビル耐性H5N1ウイルスがすでに確認されている。この変異株はザナミビルには感受性を保持している。新型インフルエンザに対する薬剤備蓄は、オセルタミビルに偏重しすぎることなくザナミビルなど他の薬剤の備蓄もますます考慮していかなければならない状況といえる。新規ノイラミニダーゼ阻害薬(静注用ザナミビル、注射用ペラミビル、長時間作用型ノイラミニダーゼ阻害薬)や、新たな作用機序による抗インフルエンザ薬も開発されつつある。(著者抄録)
 

2009043744
医中誌Web
【新型インフルエンザ その対策】 海外派遣や海外旅行への対応
Source:成人病と生活習慣病(1347-0418) 38巻11号 Page1297-1302(2008.11)
Author:大津聡子(WHO西太平洋地域事務局), 葛西健, 尾身茂
Abstract:近年、日本人の海外渡航者数は毎年1,700万人を超え、さまざまな感染症に遭遇する可能性が増加している。その中で、新型インフルエンザにつながると考えられている高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)は留意しなければならない人畜共通感染症である。渡航先での感染症予防の基本は、渡航前、中、後に適切な予防策を講じることで感染のリスクを最小限にすることである。個人のリスク管理は重要である。リスクは、渡航先と現地での行動などによって決まってくる。渡航者は渡航前に十分な情報収集を行い、現地の状況をよく把握するべきである。現在、厚生労働省をはじめ世界保健機関(WHO)や米国の疾病管理センター(Center of Disease Control;CDC)などのウェブサイトから鳥インフルエンザについての最新情報が常時入手できる。現地滞在中は、死んだ鳥や病気の鳥に不用意に近づかない、よく加熱されていない家禽類の料理を食さない、手洗いの励行など個人レベルでの対応が重要である。パンデミック時は世界中が非常事態となり、日本への出入国はきわめて困難になると予想される。新型インフルエンザに対して一人ひとりが危機管理意識を持つことが重要である。現在WHOは新型インフルエンザに対するガイドラインの見直しを行っている。ここではWHOの最新情報に基づき知見をまとめた。(著者抄録)
 

2009043743
医中誌Web
【新型インフルエンザ その対策】 新型インフルエンザに対するワクチン
Source:成人病と生活習慣病(1347-0418) 38巻11号 Page1291-1295(2008.11)
Author:岡部信彦(国立感染症研究所感染症情報センター)
Abstract:パンデミックによる健康被害を少しでも軽減させるためには、公衆衛生的介入、医学的対応、社会的対応が必要であるが、ワクチンに期待するところは大きい。パンデミックワクチン、プレパンデミックワクチンは夢のようなワクチンではないが、わが国においても開発が進められている。プレパンデミックワクチンH5N1は、事前接種をすることによって基礎免疫を付与し、別系統のH5N1ウイルスの出現に対して交叉免疫、パンデミックワクチンによるブースター効果が期待できる。国産プレパンデミックワクチンは、ベトナム株(A/Viet Nam/1194/2004)の供与を受けて、既知の弱毒ウイルスA/PR8/(H1N1)とのリコンビナントウイルスを作製、ホルマリン不活化アルミアジュバント加全粒子型ワクチンが試作された。第II/III相臨床試験では、副反応は局所反応が中心であり、重大な副反応はなかった。70%以上に中和抗体の優位上昇がみられた。現在臨床研究としての大規模(6,000人目標)接種が行われ、安全性、プライミング、交叉免疫性、ブースター効果などの確認が進められている。ワクチンは感染症防御の重要な道具であり、余裕を持って手順を踏んだ開発を行っていくことが必要である。(著者抄録)
 

2009043742
医中誌Web
【新型インフルエンザ その対策】 新型インフルエンザに対する保健所行動計画策定マニュアル
Source:成人病と生活習慣病(1347-0418) 38巻11号 Page1286-1290(2008.11)
Author:山口亮(北海道江別保健所)
Abstract:平成20年9月10日、WHOは3ヵ月ぶりに鳥インフルエンザのヒト感染例のデータを更新した。そのデータによると、現在まで世界全体で感染者数は合計387名で、そのうち死亡者数は245名となっており、依然として高い致死率になっている。このような鳥インフルエンザがヒト-ヒト感染するようになった場合(すなわち新型インフルエンザ=pandemic influenza)、わが国でも大きな被害が見込まれることになる。新型インフルエンザに対処するため、これまで厚生労働省では行動計画などを示してきたが、平成19年3月26日、新型インフルエンザ専門家会議から「新型インフルエンザ対策ガイドライン(フェーズ4以降)」が示された。これによりパンデミックまでを含むガイドラインが揃ったことになり、今後は保健所レベルでの具体的行動計画の策定が求められることになる。「新型インフルエンザ対策ガイドライン」は一般的な記載をしているところが多く、また分量も多いので、内容を整理し、保健所が行うべき項目をまとめるには労力を要する。そこで、このガイドラインに書かれている保健所の役割を整理し、それを全国の保健所および自治体に送付して各地域の準備に活用してもらうことを目的に、「保健所行動計画策定マニュアル」を策定した。このマニュアルの記載にあたっては、わかりやすく、保健所が具体的に何をどうすべきかを短い言葉で箇条書きにするように努めた。全国の保健所においては、本マニュアルを参考にして、実際に自分のところではどのような対応・対策をとるか具体的に検討し、「保健所行動計画」などとして発生に備えてほしい。(著者抄録)
 

2009043741
医中誌Web
【新型インフルエンザ その対策】 新型インフルエンザパンデミック時の対応 病院レベル
Source:成人病と生活習慣病(1347-0418) 38巻11号 Page1281-1285(2008.11)
Author:川名明彦(防衛医科大学校 内科2(感染症))
Abstract:厚生労働省の指針に基づき、新型インフルエンザ流行に対する医療機関の対応をまとめた。WHOのフェーズ1〜2は医療機関にとっては平時と変わらない時期であり、準備の時期といえる。フェーズ3はヒトの鳥インフルエンザA(H5N1)感染症を対象とした時期であり、感染症指定医療機関が医療の中心を担う。フェーズ4以降は、新型インフルエンザ流行の時期であり、特にパンデミックになるとすべての医療機関が医療体制を支える必要がある。現在厚生労働省は、新型インフルエンザ対策行動計画の改定作業中であるため、近日中にその内容が変更される予定である。(著者抄録)
 

2009043740
医中誌Web
【新型インフルエンザ その対策】 新型インフルエンザパンデミック時の対応 国家レベル
Source:成人病と生活習慣病(1347-0418) 38巻11号 Page1274-1279(2008.11)
Author:谷口清州(国立感染症研究所感染症情報センター)
Abstract:新型インフルエンザ対策を念頭に置いて、2008年4月に感染症法が改正された。これにより新型インフルエンザの法的な位置づけ、患者あるいは接触者の健康監視や自宅待機についての規定が盛り込まれた。国家レベルの対応としては、これまでに検疫、サーベイランス、疫学調査、早期対応、医療体制、感染対策、診断・検査、ワクチン接種、抗ウイルス薬、事業所における対策、地域における対策、情報提供と共有、埋火葬に関する、合計13のガイドラインが公表されている。「プレパンデミックワクチン」は現在2,000万人分、抗ウイルス薬は2,500万人分がすでに備蓄されている。現状の国家レベルでの対応には明確な戦略がないことと、これまでの新たな科学的知見の集積をうけて、現在改訂のための議論が進行中である。この中で、社会距離拡大戦略の戦略論としての樹立が大きなテーマとなっており、企業における事業継続計画等の社会全体としての対応が議論されている。2008年の11月頃には新しいガイドラインが公表される予定である。(著者抄録)
 

2009043739
医中誌Web
【新型インフルエンザ その対策】 新型インフルエンザ対策におけるリスクコミュニケーション
Source:成人病と生活習慣病(1347-0418) 38巻11号 Page1268-1273(2008.11)
Author:阿部信次郎(自衛隊中央病院 内科), 藤井達也, 箱崎幸也
Abstract:高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が新型インフルエンザに変化し、大流行(パンデミック)となり人命や社会機能に多くの被害をもたらすことが懸念されている。リスクコミュニケーションは、新型インフルエンザの感染拡大阻止、社会・経済機能破綻によるパニックの未然防止のために有用である。リスクコミュニケーションは、『リスク情報を適時・適切に管理、共有し、危機を未然に防いだり被害を最小限に限定するための情報や意見の交換』である。プレパンデミック期のリスクコミュニケーションには、市民への啓発教育、迅速な情報網の確立、メディアとの連携強化などがある。目に見えないウイルスによって引き起こされるパンデミックでは、恐怖心や不安感を増幅させ、人間の深層心理を刺激することでパニックを生じる。パンデミック期の行政当局から市民への強いメッセージの発信は、市民の安心・連帯感の醸成を促し、恐怖心を和らげパニックを未然に防止する。国・地方公共団体と市民とのリスクコミュニケーションを重視した新型インフルエンザ対策で、パンデミックやパニックによる健康被害を最小限に抑制できる。(著者抄録)
 

2009043737
医中誌Web
【新型インフルエンザ その対策】 鳥インフルエンザのアジアでの現状
Source:成人病と生活習慣病(1347-0418) 38巻11号 Page1251-1259(2008.11)
Author:尾身茂(WHO西太平洋地域事務局), 大津聡子, 葛西健
Abstract:高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)は、1997年、香港にて18名の感染者を出したことで注目を集めた。流行はその後2003年に韓国で鳥での感染が確認されて以降、急速にアジアで拡大した。さらに、2005年の青海湖での渡り鳥の大量死して以降、流行はアジアから世界中に拡大した。一方、アジアでは、ウイルスが完全に定着したと考えられる地域が出てきた。各国の対策にもかかわらず、鳥インフルエンザウイルスの人への感染が継続しており、一部には人から人への感染を疑わせる事例も発生した。しかし、人から人への持続的な感染を起こすウイルスは確認されていない。世界に拡大したウイルスは変化を続け、現在では10のクレードに分化した。なかには、病原性や人への適応を高める方向の変化も報告されている。新型インフルエンザは、鳥インフルエンザウイルスが変異することで出現すると考えられている。したがって、WHOでは新型インフルエンザ発生のリスクは継続して高いままであると判断しており、十分な警戒と可能な限り事前に対応を準備することが重要である。(著者抄録)
 

2009043736
医中誌Web
【新型インフルエンザ その対策】 鳥インフルエンザとは
Source:成人病と生活習慣病(1347-0418) 38巻11号 Page1244-1250(2008.11)
Author:大槻公一(京都産業大学鳥インフルエンザ研究センター)
Abstract:鳥インフルエンザには、鶏に対して致死性の高い疾病と、不顕性感染を主体とする疾病がある。鳥インフルエンザウイルスは本来、水鳥に保有されており、その大部分は鳥類に対して強い病原性を示さない。H5とH7亜型ウイルスのみが鶏に対して強い病原性を獲得する。世界で多くの国に強毒のH5N1亜型ウイルスが家禽類に大きな被害を与えている。日本国内でも2004年に79年ぶりに高病原性鳥インフルエンザが発生した。それ以降2007年、2008年にも発生が起きている。世界に広く蔓延している鳥インフルエンザウイルスが新型インフルエンザの原因ウイルスに深く関連することが心配されている。(著者抄録)
 

2009043735
医中誌Web
【新型インフルエンザ その対策】 インフルエンザの歴史
Source:成人病と生活習慣病(1347-0418) 38巻11号 Page1237-1243(2008.11)
Author:松本慶藏(長崎大学)
Abstract:インフルエンザはヒポクラテス時代から知られていた疫病であり、日本でも平安時代から知られていた疫病であった。今日の新しい見方から20世紀に入って、スペインかぜ、アジアかぜ、香港かぜの3回の世界的大流行が良く知られている。スペインかぜの病原ウイルスは、今日の分子生物学の進歩から合成しうるまでになっている。しかし、この病原ウイルスは1933年、英国の研究者により、フェレットを用いて分離されたのが、ウイルス認知の始めてであった。インフルエンザウイルスはBurnet卿が鶏の受精卵内で増殖できることを明らかにして以来、血清学的試験も確立されて長足の進歩を遂げた。さらに、近年抗ウイルス薬(アマンタジンやノイラミニダーゼ阻害薬)が有効で、その後に簡便な迅速診断法も確立され、診断、治療も新しい時代を迎えている。インフルエンザはかぜ症候群としてとらえるより、インフルエンザ単独疾患としてとらえるべきである。現時点でトリ高病原性インフルエンザの鶏での大流行と、それより感染したヒト感染症があるが、これらはいずれもトリ型感染であって、新型インフルエンザではない。(著者抄録)
 

2009043734
医中誌Web
【新型インフルエンザ その対策】 新型インフルエンザとは
Source:成人病と生活習慣病(1347-0418) 38巻11号 Page1229-1236(2008.11)
Author:玉記雷太(東北大学 大学院医学系研究科病理病態学講座微生物学分野), 押谷仁, 神垣太郎
Abstract:新型インフルエンザとは、動物、特に鳥類のインフルエンザウイルスが、人への感染性を獲得し、人から人へと効率よく感染できるようになったウイルス(新型インフルエンザウイルス)によって引き起こされる疾患。抗原性のまったく異なるA型インフルエンザウイルスのサブタイプが、antigenic shift(抗原不連続変異)と呼ばれる変異様式によって人の間で出現することによって、パンデミックを引き起こす。最後の新型インフルエンザ(香港インフルエンザ)から2008年現在で40年間発生しておらず、次のパンデミックがいつ起こっても不思議ではない時期にきている。新型インフルエンザに対して「早期」に「的確」に診断することは、個人の治療のためだけでなく、その感染拡大を防ぐという予防対策の観点からも、非常に重要。鳥インフルエンザA(H5N1)の人への感染も15ヶ国で確認され、2003〜2008年9月10日までにWHOがウイルス学的確定診断を下した症例は387例に上り、うち245例が死亡(致死率約63%)しており、H5N1による新型インフルエンザの懸念が高まる。新型インフルエンザ対策にはワクチン・抗ウイルス薬などの医薬品を用いた対策(Pharmaceutical Measures)と、それ以外の学校閉鎖・検疫の強化などの公衆衛生上の対策(Non-pharmaceutical Measures)があり、その両方を組み合わせて被害の軽減を主眼とした対策が現実的である。対策では、先進国と開発途上国の格差、国レベルと地域レベルの格差が大きい。(著者抄録)
 

2009042933
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
【高齢者の冬季感染症の現状と対策】 新型インフルエンザの最新情報と対策
Source:Geriatric Medicine(0387-1088) 46巻11号 Page1343-1346(2008.11)
Author:谷口清州(国立感染症研究所 感染症情報センター第一室)
Abstract:東南アジアでは依然としてH5N1亜型の鳥インフルエンザウイルス感染症が蔓延しており、これがヒト型に変異してパンデミックを起こすのではないかという危惧から、現在パンデミックへの準備は急ピッチで進みつつある。しかしながら、いつくるか、実際には何がくるか、どうなるかは、起こってみないとわからないことは明白であり、明確な戦略に基づいた対策と柔軟に対応できる体制が必要である。パンデミックはすべての社会に同時に訪れるものであり、準備は保健医療部門だけではなく、すべての組織において行われるべきものであって、全国民的な議論が必要なゆえんである。(著者抄録)
 

2009041283
医中誌Web
新規抗インフルエンザウイルス剤T-705
Source:Medical Science Digest(1347-4340) 34巻14号 Page640-643(2008.12)
Author:古田要介(富山化学工業 事業開発部), 白木公康, SidwellRobert W.
Abstract:現在、新型インフルエンザによるパンデミックが懸念されており、新たなワクチンや抗ウイルス剤の開発が望まれている。今回紹介するT-705は、富山化学工業(株)が開発を進めている新規抗ウイルス剤で、細胞内でホスホリボシル化を受けてインフルエンザウイルスのRNAポリメラーゼを選択的に阻害する新規なメカニズムを有する化合物である。また、T-705は、H5N1を含む各種のインフルエンザウイルスに対して活性を示し、マウス感染試験においても経口投与で高い有効性を示すことから、新型を含むインフルエンザウイルス感染症に対して有効な治療薬となることが期待される。(著者抄録)
 

2009041281
医中誌Web
LANI(Long-Acting Neuraminidase Inhibitor) CS-8958、探索から開発まで
Source:Medical Science Digest(1347-4340) 34巻14号 Page631-635(2008.12)
Author:小林慶行(第一三共 プロジェクト推進部)
Abstract:この数年、強毒型トリインフルエンザであるH5N1型ウイルスのヒトへの感染例とその後の死亡例が増加しており、この新型インフルエンザウイルスによって将来起こりうるパンデミックへの対策が大きな社会的課題となっている。この環境下で、現在、第一三共は吸入型のノイラミニダーゼ阻害剤であるCS-8958のインフルエンザ治療薬としての自社開発を展開している。その特徴は、1回吸入での治療を可能にし、さらには既存薬に対する耐性ウイルスなどにも効果を示すといった点である。また、予防効果も期待される薬剤プロファイルも有しており、パンデミック対策が盛んに議論、検討される現在にあって、次世代インフルエンザ治療薬として高く期待されている。(著者抄録)
 

2009041279
医中誌Web
【インフルエンザとの戦い】 インフルエンザワクチンの有効性 季節性インフルエンザとA(H5N1)プレパンデミックワクチン
Source:Medical Science Digest(1347-4340) 34巻14号 Page623-626(2008.12)
Author:柏木征三郎(国立病院機構九州医療センター)
Abstract:季節性インフルエンザワクチンのA型インフルエンザへの効果は、他のウイルスワクチンのように95%の有効性があるとは必ずしも言えない。過去7年間の検討でも、ワクチン株と流行株が一致すれば約70%の有効率であったが、一致しない場合には、20.5%から46.1%と著しく低下した。一方、新型インフルエンザワクチンとしては、A(H5N1)のプレパンデミックワクチンが問題となる。A(H5N1)のスプリットワクチン(water in oilアジュバント)では、3.8μgの少量でもHI価は上昇した。ワクチン株はclade1であったが、抗原変異が認められたclade2の3種でもHI価は上昇した。少量でしかも多少の抗原変異があってもHI価が上昇することは注目すべきであろう。副作用については、局所反応および全身症状は季節性インフルエンザワクチンに比べて多いが、許容出来るとされている。(著者抄録)
 

2009041278
医中誌Web
【インフルエンザとの戦い】 誤解された新型インフルエンザと対策の問題点
Source:Medical Science Digest(1347-4340) 34巻14号 Page618-622(2008.12)
Author:菅谷憲夫(神奈川県警友会けいゆう病院 小児科)
Abstract:新型インフルエンザは、近い将来、必ず出現し全国民100%が罹患発病する。したがって、新型インフルエンザ対策では、爆発的に発生するインフルエンザ患者の診療体制の確立が最優先の課題となる。ところが、日本の対策は感染拡大策に力を入れているが、肝心の診療体制の整備・確立は著しく遅れ、新型インフルエンザが発生すれば多くの国民が診療を受けられず混乱することが予想される。(著者抄録)
 

2009041277
医中誌Web
【インフルエンザとの戦い】 新型インフルエンザとは何か
Source:Medical Science Digest(1347-4340) 34巻14号 Page614-617(2008.12)
Author:岩附研子[堀本](東京大学 医科学研究所ウイルス感染分野), 河岡義裕
Abstract:前世紀、人類は新型インフルエンザによる3回の世界的大流行(パンデミック)を経験した。近代医学が発展し、ウイルスが分離され、そのさまざまな性状が明らかになった現代においても、いつ新型インフルエンザウイルスが出現するのか予測することは難しい。パンデミックは本当に起きるのか。また、起きるとしたら、いつどの程度の規模のパンデミックになるのか。それを予測することは困難である。しかし、過去のパンデミックの経験と教訓を生かし、新型インフルエンザを正しく理解し、十分な対策をとる必要がある。(著者抄録)
 

2009040413
医中誌Web
佐賀県におけるインフルエンザの流行(2007/08シーズン)
Source:佐賀県衛生薬業センター所報(0285-6077) 30号 Page80-88(2008.11)
Author:平野敬之(佐賀県衛生薬業センター 微生物課), 増本久人, 坂本晃子, 舩津丸貞幸
Abstract:平成19年度の佐賀県感染症発生動向調査事業におけるインフルエンザの発生状況調査(2007/08シーズン)および集団発生状況調査を実施した。2007/08シーズンはAH1亜型、AH3亜型、B型の混合流行を示したが、主流はAH1亜型で全国の集計ではAH1亜型が全分離株の82%、AH3亜型が11%、B型が7%を占めた。例年と比較すると流行の始まりはやや早く、患者報告数のピークは第5週であった。AH1亜型は3シーズン連続して検出され、2007/08シーズンは検出数の多くがAH1亜型であった。遺伝子解析ではワクチン株との相同性がアミノ酸で97〜98%であった。AH3亜型は、ワクチン株とは異なる分枝を形成するものの、遺伝子解析においてアミノ酸で98%の相同性を認めた。B型はビクトリア系統株と山形系統株を検出したが、シーズン後半は全て山形系統株であった。
 

2009040412
医中誌Web
佐賀県におけるインフルエンザの流行(2006/07シーズン)
Source:佐賀県衛生薬業センター所報(0285-6077) 30号 Page71-79(2008.11)
Author:平野敬之(佐賀県衛生薬業センター 微生物課), 増本久人, 坂本晃子, 真茅美樹, 舩津丸貞幸
Abstract:平成18年度の佐賀県感染症発生動向調査事業におけるインフルエンザの発生状況調査(2006/07シーズン)および集団発生状況調査を実施した。2006/07シーズンはAH1亜型、AH3亜型、B型の混合流行を示し、例年より流行の始まりは1ヵ月以上遅く、患者報告数のピークは第12週であった。AH1亜型は昨シーズンに引続き検出され、遺伝子解析ではA/Arizona/1/2006に代表される群に分類された。ワクチン株であるA/New Caledonia/20/99との相同性は、アミノ酸解析で見ると全てが95〜96%の相同性であった。AH3亜型は、ワクチン株とは異なる分枝を形成するが、アミノ酸解析で98〜99%の相同性を認め、ワクチン株の変更が有効であった。B型は昨シーズンに引続き検出され、全てビクトリア系統株であった。B/Malaysia/2506/2004と近隣の分枝を形成し、アミノ酸解析で98〜99%の相同性を認めた。
 

2009040239
医中誌Web
【新型インフルエンザの流行とその対策】 新型インフルエンザ純肺炎と続発性細菌性肺炎について(その対策も含めて)
Source:医薬ジャーナル(0287-4741) 44巻11号 Page2602-2609(2008.11)
Author:藤田次郎(琉球大学 大学院医学研究科感染病態制御学講座分子病態感染症学分野(第一内科)), 原永修作, 比嘉太, 健山正男
Abstract:新型インフルエンザ純肺炎はまだ存在していない。このため、その臨床像は不明である。しかしながら過去、人類の経験したパンデミックからその臨床像を推測することは可能である。本稿ではまず、スペインかぜ、およびアジアかぜの際に経験された肺炎の臨床像に関して述べる。さらに近年のインフルエンザウイルス感染症に合併する肺炎の頻度と、その起炎菌について言及する。最後に鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染した際の臨床像について解析し、新型インフルエンザ純肺炎の臨床像のヒントを得るとともに、新型インフルエンザ純肺炎と続発性細菌性肺炎への対策についても言及した。(著者抄録)
 

2009040238
医中誌Web
【新型インフルエンザの流行とその対策】 新型インフルエンザワクチンの問題点とその克服 adjuvantワクチンの話題を含めて
Source:医薬ジャーナル(0287-4741) 44巻11号 Page2596-2601(2008.11)
Author:神谷齊(国立病院機構三重病院)
Abstract:わが国では新型インフルエンザに対するプレパンデミックワクチンとして、ベトナム株を遺伝子組み換えで弱毒化したNIBRG-14株を用いて開発し、製造許可されている。現在は、その後出現しているインドネシア株、安徽株のワクチンも同じ製法で製造し、有効性、安全性の試験が実施されている。外国でも新型インフルエンザワクチンの開発はいくつか行われており、その有効性や使用方法について、国内での意見は分かれている。またパンデミックの対応方法についても、まだ意見の分かれるところである。しかし、今後どのように使用してゆくかは慎重な検討が必要である。本稿では全体像をまとめて概説した。(著者抄録)
 

2009040235
医中誌Web
【新型インフルエンザの流行とその対策】 グローバル化時代のウイルス感染症 WHOの視点から見た新型インフルエンザ
Source:医薬ジャーナル(0287-4741) 44巻11号 Page2585-2598(2008.11)
Author:押谷仁(東北大学 大学院医学系研究科・医学部・医科学専攻病理病態学講座微生物学分野)
Abstract:新型インフルエンザはグローバルな課題であり、国際機関、特にWHO(世界保健機関)の果たす役割は大きい。WHOでは各国にパンデミック対策計画を策定するよう勧告しており、それと同時に国際的な対策も進めている。しかし、各国の準備のレベルは国ごとに大きな隔たりがあり、特に途上国での対策の遅れが問題となっている。新型インフルエンザ対策は一国だけの対応では限界があり、グローバルな視点に立った国際的な対応が求められている。新型インフルエンザ対策に関しては、鳥インフルエンザH5N1の流行をきっかけとして、大きな進展が見られている。このため、現在のWHOの計画を見直す作業も行われている。(著者抄録)
 

2009021098
医中誌WebMedicalOnline
【ウイルス感染の新知見とワクチン開発の進展 新規受容体・感染経路の同定から、免疫応答メカニズムまで】 H5N1鳥インフルエンザ 宿主域の壁をこえつつある鳥インフルエンザウイルス
Source:実験医学(0288-5514) 26巻18号 Page2871-2876(2008.11)
Author:村本裕紀子(東京大学医科学研究所 ウイルス感染分野), 河岡義裕
Abstract:1997年、香港でH5N1鳥インフルエンザウイルスがニワトリからヒトに直接感染して以来、H5N1ウイルスは、家禽だけでなく多くの人に感染し、世界中で犠牲者を増加させ続けている。この鳥インフルエンザウイルスは、どのような変化によりパンデミックウイルスへと変貌するのか?近年、動物モデルを用いた実験から、H5N1ウイルスが哺乳類に適応するメカニズムが少しずつ明らかにされてきている。(著者抄録)
 

2009008928
医中誌WebPierOnlineMedical e-hon
【ICTとしておさえておきたい論点・要点2008】 新型インフルエンザとその準備
Source:INFECTION CONTROL(0919-1011) 17巻12号 Page1187-1191(2008.12)
Author:川名明彦(防衛医科大学校 内科2(感染症))
Abstract:厚生労働省の指針に基づき、新型インフルエンザ流行に対する医療機関の対応をまとめた。WHOのフェーズ1〜2は医療機関にとっては平時と変わらない時期であり、準備の時期といえる。フェーズ3はヒトの鳥インフルエンザA(H5N1)感染症を対象とした時期であり、感染症指定医療機関が医療の中心を担う。フェーズ4以降は、新型インフルエンザ流行の時期であり、特にパンデミックになるとすべての医療機関が医療体制を支える必要がある。2008年10月現在、WHO、厚労省ともに対策計画改定作業中である。(著者抄録)
 

2008379513
医中誌Web
2003/2004シーズンに秋田県内で分離されたインフルエンザウイルスの抗原分析とインフルエンザ流行における絶対湿度の役割
Source:環境と病気(1340-9476) 17巻1-2号 Page15-20(2008.10)
Author:原田誠三郎(秋田県衛生科学研究所), 福山正文, 庄司眞, 天野憲一
Abstract:秋田県内における2003/2004年のインフルエンザ流行シーズンに分離されたウイルスの抗原分析を赤血球凝集抑制試験で行った。また、県内の大館市、秋田市および横手市におけるウイルス分離からその流行における絶対湿度との関連性について検討し、以下の結果が得られた。1)2003/2004年のインフルエンザ流行シーズン中に、インフルエンザウイルスが分離されたのは72人(男性41人・女性31人)で、その中でインフルエンザワクチン接種を受けていたのは15人(20.8%)であった。2)秋田県内において分離されたインフルエンザウイルスは主にA/熊本/102/02(H3N2)類似株であった。また、B/ヨハネスバーグ/5/99株類似ウイルスも大館市と湯沢市で分離された。3)大館市、秋田市、および横手市でインフルエンザウイルスA型(H1N1・H3N2)並びにB型が分離された時は、絶対湿度2.6g/m3から5.6g/m3の範囲であった。4)インフルエンザの流行は、時間と場所によって異なるので、インフルエンザ流行と絶対湿度の関連性をさらに検討する必要がある。(著者抄録)
 

2008377525
医中誌WebMedicalOnline
松本市におけるインフルエンザ(2007/08年期)の疫学的病因的調査 特に再感染の検討
Source:小児科臨床(0021-518X) 61巻11号 Page2251-2259(2008.11)
Author:松岡伊津夫(松岡小児科医院), 松岡高史, 松岡明子, 粕尾しず子
Abstract:迅速診断キットを多用し、同時に分離培養を併用すればインフルエンザの疫学的病因的調査に役立つうえ、流行株の推移および抗原性、ワクチンの有効性に有力な資料となる。2007/08年期の流行は例年になく小規模で、特に中学生以上に顕著であった。キット検査ではA型が大部分、B型は僅かで、分離培養によるとAソ連型主流だが、後半(2月中旬以後)はA香港型が加わった混合流行で小さな二峰型になった。Aソ連型、A香港型、B型の分離株はいずれもワクチン株との抗原変異が目立ち、したがって小規模流行の主因はワクチン効果とは考え難く、むしろ流行株に対する抗体保有率が、特に10歳代以降に高かったためかと思う。数年間における再感染例を追跡した結果、分離株が同型でも、ある程度の期間を経て遺伝子系統樹解析上、変異が大きくなれば再罹患があり得る実態を知った。その「きっかけ」は4年間に5回罹患した症例の病因究明からである。(著者抄録)
 

2008377297
医中誌Web
【国際的な感染症 ウイルス感染を中心として】 診療体制の諸問題 インフルエンザパンデミック
Source:アレルギー・免疫(1344-6932) 15巻11号 Page1547-1553(2008.10)
Author:川名明彦(防衛医科大学校 内科学講座(感染症))
Abstract:厚生労働省の指針に基づき、新型インフルエンザ流行に対する医療機関の対応をまとめた。WHOのフェーズ1〜2は医療機関にとっては平時と変わらない時期であり、準備を整える時期といえる。フェーズ3はヒトの鳥インフルエンザA(H5N1)感染症を対象とした封じ込めの時期であり、感染症指定医療機関が入院医療の中心となる。フェーズ4以降は、新型インフルエンザ流行の時期であり、特にパンデミックになるとすべての医療機関が関わって医療体制を支える必要がある。(著者抄録)
 

2008377288
医中誌Web
【国際的な感染症 ウイルス感染を中心として】 高病原性鳥インフルエンザ
Source:アレルギー・免疫(1344-6932) 15巻11号 Page1476-1486(2008.10)
Author:泉信有(国立国際医療センター戸山病院 国際疾病センター呼吸器科)
Abstract:この10年間に、家禽を含む鳥類の高病原性インフルエンザ(H5N1)感染症が地球規模で発生し、家禽類から直接感染したと考えられるヒト感染例も多数報告されるようになった。ヒト感染例では急激に進行する重篤な肺炎を呈し、多くは急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、時には多臓器不全(MOF)に陥り、高率に死に至る(致死率63.3%)。更にこのウイルスが新型インフルエンザウイルス株へ変異し、パンデミックに繋がるのではないかという重大な懸念がますます増大してきている。本稿では、高病原性鳥インフルエンザについて臨床的な対応を概説する。併せて、我々がベトナムで進めている臨床研究についても少し紹介する。(著者抄録)
 

2008375844
医中誌Web
C型インフルエンザの流行の現状と臨床的特徴
Source:小児感染免疫(0917-4931) 20巻3号 Page317-322(2008.10)
Author:松嵜葉子(山形大学 医学部看護学科臨床看護学講座)
Abstract:C型インフルエンザの流行はほぼ1年おきに発生し、2004年には全国規模で流行した。1〜6月に流行し、インフルエンザシーズンとも重なる。発熱、咳、鼻汁が主な症状で、38℃以上の熱が2日間続くのが典型的症状である。A型インフルエンザに比べて有熱日数は短いが、初診時に鑑別することは困難であり、ウイルス学的診断が望まれる。下気道炎の診断も20%を占め、2歳未満の乳幼児では入院例が多いので注意が必要である。(著者抄録)
 

2008352494
医中誌WebMedicalFinder
【内科の基本 肺炎をきわめる】 特殊な患者群での肺炎と特殊な肺炎 SARS,鳥インフルエンザなどの輸入感染症 Q. どのようなときに疑うべきか?
Source:Medicina(0025-7699) 45巻10号 Page1852-1857(2008.10)
Author:・ 下望(国立国際医療センター戸山病院 国際疾病センター)
Abstract:<ポイント>●"今",どこでSARSや鳥インフルエンザの患者が発生しているかを知る(調べる).●疑い症例=確定診断ではない,つまり,現在可能な検査を行う.●疑い症例のときの検査の注意を知っておく.(著者抄録)
 

2008344603
医中誌WebMedicalOnline
Aソ連型インフルエンザの臨床的特徴 奈良県御所市の1小児科定点における検討
Source:小児科臨床(0021-518X) 61巻8号 Page1691-1694(2008.08)
Author:松永健司(済生会御所病院 小児科), 赤澤英樹, 大村真曜子, 山田佳世, 武山雅博, 矢本陽子, 今津美由紀
Abstract:小児におけるAソ連型インフルエンザウイルス(H1N1)感染症の臨床的特徴について自験確定診断例を対象に検討した。ウイルス分離対象を、インフルエンザ様疾患のうち何らかの合併症(脱水症や熱性けいれんなど)のみられる児とし、咽頭拭い液を採取した。ウイルス分離にはMDCK細胞が用いられた。1998年以降、H1N1の分離された30例を検討対象とした。年齢は日齢24から16歳4ヵ月まで分布(中央値4歳3ヵ月)。乳幼児が多く、3歳以下が約半数(14例、47%)を占めた。性別は男児が17例(男女比1.3)。年度別には1999年度から3年連続流行し、25例(83%)を占めた。その後3年間なく、2005年度4例、2006年度1例と散発。月別発生は12月から4月までみられ、2月が最多(10例、33%)であった。30例中23例が入院治療例で、その臨床診断は脱水症(10例)、下気道炎(7例)、熱性けいれん(4例)、熱せん妄(異常言動の1例)、筋炎(1例)であった。入院期間7.0±2.3日で、全例が軽快退院した。(著者抄録)
 

2008338470
医中誌Web
新型インフルエンザの流行 ifからwhenへ
Source:内科(0022-1961) 102巻4号 Page763-768(2008.10)
Author:石川晴巳(厚生労働省結核感染症課 新型インフルエンザ対策推進室)
Abstract:鳥インフルエンザウイルスが変異して、ヒトからヒトへと効率的に伝播する特性をもつ新型インフルエンザウイルスとなり、世界規模の大流行を起こすのではないかと予想されている。新型インフルエンザウイルスに対して、人類は免疫をもっていないため、多くのヒトで重症化する可能性が懸念される。新型インフルエンザの世界的な流行(パンデミック)は、10〜40年周期で起こっており、この周期からみると、今後いつ新型インフルエンザが発生してもおかしくないということになる。また、鳥インフルエンザのヒトへの感染が繰り返し生じている現状は、鳥インフルエンザウイルス遺伝子の変異を起こしやすくし、結果として、新型インフルエンザウイルスの発生確率を高めていると考えられる。厚生労働省の被害予想は、罹患率を全人口の25%とし、医療機関への受診患者数は約1,300万人から2,500万人、入院患者数は53万人から200万人、死亡者数は17万人から64万人にのぼると推定。対策としては鳥インフルエンザの発生抑止、発生してもヒトへの感染阻止を行うが、海外で発生した場合は初期段階において、水際対策などにより、感染進入防止を行う。それでもパンデミック期に突入した場合は、対策の主眼を、健康被害を最小限にとどめること、社会・経済機能の破綻を防ぐことに移す。医学的な介入としては、ワクチンと抗ウイルス薬が準備されている。(著者抄録)
 

2008333661
医中誌Web
病原体定点医療機関における2006/2007シーズンのインフルエンザウイルス検出状況
Source:東京都健康安全研究センター研究年報(1348-9046) 58号 Page67-72(2008.03)
Author:新開敬行(東京都健康安全研究センター 微生物部ウイルス研究科), 貞升健志, 長島真美, 尾形和恵, 吉田靖子, 矢野一好, 天木聡, 柏田和子, 加藤隆司, 片平潤一, 加茂隆, 城所功文, 塩崎正英, 鈴木昌和, 田中光彦, 平田俊吉, 北條稔, 松永貞一, 山上恵一, 山口規夫
Abstract:病原体定点医療機関における2006/2007シーズンのインフルエンザウイルス検出状況について報告した。各医療機関における月当たりの検体採取数は4件程度で、期間中の総検体数は249件であった。ウイルス分離陽性例は、249件の検体からAH1型ウイルスが8株、AH3型ウイルスが62株、B型ウイルスが25株で、分離率は38.2%であった。流行型はAH1型株、AH3型株およびB型株の3種類のウイルスで、AH1型は発生件数が少なかった。同時に2種類または3種類の混合流行が都内全域で発生した。流行したウイルス株の内、AH1型流行株は、遺伝子解析ならびにワクチン株抗血清を用いたHI試験による抗原解析で、ワクチン株と異なった株であったが、AH3型流行株ならびにB型流行株は、ワクチン近縁株であった。
 

2008317171
医中誌WebMedicalOnline
夏のインフルエンザ
Source:外来小児科(1345-8043) 11巻2号 Page135-142(2008.07)
Author:蟹江健介(沖縄県立中部病院 小児科), 豊浦麻記子
Abstract:沖縄県における夏のインフルエンザ流行の原因を検討した。沖縄県では2002年、2005年、2006年の気温が高く、降水量が多い夏にインフルエンザが流行した。2001/2002年シーズン、2004/2005年シーズンは冬と夏の主な亜型が異なり、2005/2006年シーズンは冬と夏の主な亜型が完全に異なっていた。また、クーラー使用の学校で発生したとの報告もあり、7月下旬には流行のピークが収束した。夏のインフルエンザ流行の原因は不明であるが、同シーズンにおけるウイルス抗原の変異、宿主の免疫低下、高温多湿環境による閉鎖空間でのヒト-ヒト伝播等が複雑に関与しているのではないかと思われた。
 

2008306036
医中誌Web
【ウイルスワクチン】 インフルエンザワクチン
Source:Virus Report(1349-6956) 5巻1号 Page26-31(2008.05)
Author:堀本泰介(東京大学医科学研究所 感染・免疫部門ウイルス感染分野), 河岡義裕
Abstract:インフルエンザワクチンは、毎年必ずしも高い有効性を示すわけではない。しかしそれは、ワクチン自体が悪いのではなく、インフルエンザウイルスが頻繁な抗原変異を伴うからである。今後、発育鶏卵に代わり、細胞培養を基材とする弱毒性ワクチンを含むワクチン製造への移行により、ワクチン供給の安定と有効性の上昇が見込まれる。一方、H5N1高病原性鳥ウイルス感染に対処するワクチンの備蓄が進んでいる。しかし、その製造効率の悪さや免疫原性の低さは、ワクチン接種人数を増やすためにも、改善すべき課題である。タミフル耐性ウイルスの侵淫に備え、ワクチンを主役にした抗インフルエンザ対策の重要性を認識する必要がある。(著者抄録)
 

2008301023
医中誌Web
鹿児島県におけるインフルエンザ流行状況
Source:鹿児島県環境保健センター所報(1346-2393) 7号 Page72-74(2006.12)
Author:石谷完二(鹿児島県立大島病院), 御供田睦代, 吉國謙一郎, 上野伸広, 新川奈緒美, 藏元強, 宮田義彦
Abstract:鹿児島県感染症情報システムのデータを用い、過去5シーズンのインフルエンザ流行状況を調べた。患者報告数は2002/2003シーズンが37079人と最も多く、次いで2004/2005が31273人、2005/2006が18534人、2001/2002が14037人、2003/2004が13728人であった。一定点当たりの患者数が1.00を超えた週が最も早かったのは2005/2006シーズンの第49週、次いで2002/2003の第50週、20001/2002の第1週、2004/205と2003/204の第3週であった。一定点当たりの患者数のピーク時期が最も多かったのは2002/2003シーズンの69.96、次いで2004/2005の48.23、2005/2006の43.60、2001/2002の28.55、2003/2004の26.96であった。患者数1.00を超えた週が早いほど、保健所による集団発生事例の初発報告日が早くなる傾向であった。ウイルス分離結果からみた各シーズンの特徴は、2001/2002シーズンはH1N1(ソ連型)が優位、2002/2003はH3N2(A香港型)6割、B型4割の混合、2003/2004はA香港型主流、2004/2005はA香港型3割、B型7割の混合、2005/2006はA香港型主流であった。
 

2008286829
医中誌WebMedicalOnline
感染症におけるリスクマネージメント 新型インフルエンザ対策におけるリスク・コミュニケーション
Source:呼吸(0286-9314) 27巻7号 Page713-718(2008.07)
Author:箱崎幸也(自衛隊中央病院 内科), 三村敬司, 高橋亮太
Abstract:新型インフルエンザ発症の蓋然性が高まっているが、パンデミック時のパニック防止にはリスク・コミュニケーションが中心的な役割を果たす。パニックへの備えとしては、メンタルヘルス・サーベイランス、病人や死者を社会全体で介護する地域医療計画、関係機関とメディア間での良好な関係構築、などがある。平素より、行政当局が市民から信頼を得、パニック予測時に市民へ強いメッセージを発信し、市民間の結合と連帯を促し、市民の自制心と合理性による不安/恐怖感の沈静化を図ることが最も重要である。(著者抄録)
 

2008286528
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
新型インフルエンザワクチンの問題点
Source:インフルエンザ(1345-8345) 9巻3号 Page235-238(2008.07)
Author:菅谷憲夫(神奈川県警友会けいゆう病院 小児科)
Abstract:プレパンデミックワクチンとして備蓄されているのは、H5N1に対するワクチンであるが、H5N1が次の新型インフルエンザとして出現するかは不明である。さらに、プレパンデミックワクチンの有効性・安全性も確実ではない。日本と欧米の新型インフルエンザワクチンでは製造法が異なり、それが有効性や副作用に影響する可能性があるので、日本でも、欧米で使用されるアジュバントの治験をすべきである。(著者抄録)
 

2008271602
医中誌WebMedicalOnline
2006/07シーズンにインフルエンザ定点医療機関から患者発生報告に付随して寄せられたコメント症例数の集計結果と意義
Source:現代医学(0433-3047) 55巻3号 Page491-496(2008.03)
Author:長谷川総一郎(愛知県江南保健所), 櫻井博貴, 續木雅子, 広瀬かおる, ・ 内一仁, 増井恒夫, 木村隆
Abstract:愛知県で行われている感染症発生動向調査事業においては、定点医療機関から県内保健所を経由して愛知県衛生研究所へ患者発生症例報告数のほかに地域で発生している様々な感染症に関する情報も同時に寄せられている。今回特に2006/07シーズンにインフルエンザ定点医療機関(以下「定点医療機関」という)から患者発生報告に付随して寄せられたインフルエンザ症例に係るコメント(以下コメント症例と言う)を報告型(A・B)別、地域(尾張部・三河部)別に集計した。これによって2006/07シーズンのインフルエンザ流行状況を把握して過去に実施した2004/05シーズン、2005/06シーズンにおけるコメント症例の集計結果と比較した。近年、このような調査をすることが可能となった要因として、一般医療機関で保険診療として手軽にインフルエンザの型別判定検査を実施することが可能となったこと等が関与していると思われる。感染症発生動向調査とコメント症例の類似性を比較することによってコメント症例数の集計が持つ意義についても検討した。(著者抄録)
 

2008261716
医中誌WebCrossRef
A型インフルエンザウイルスの宿主適応機序解明に関する研究
Source:ウイルス(0042-6857) 58巻1号 Page69-72(2008.06)
Author:新矢恭子(神戸大学 医学研究科人獣共通感染症学分野)
Abstract:A型インフルエンザウイルスは、オルソミクソ属の仲間で、8分節のマイナス一本鎖RNA遺伝子を有する。これらの8本のRNA分節は、代替オープンリーディングフレーム(別の蛋白質読み取り枠)のものも含めて、各々、1〜2種類の蛋白質をコードしており、現在のところ合計11個の固有蛋白質が同定されている。この様な極めて単純な構造のため、A型インフルエンザウイルスの細胞内増殖には、多くの宿主細胞のシステムの利用を必要とする。したがって、A型インフルエンザウイルスの感染・伝播には、宿主細胞システムへの適応が最も重要な因子となり得る。新しい宿主への適応に関わる因子には、宿主側およびウイルス側の様々な要因が存在していることが示唆され、中でも、各動物種由来A型インフルエンザウイルスのレセプター認識の違いは、宿主域決定要因として比較的よく研究されている。ヒトの呼吸器におけるウイルスレセプターの検索により、ヒトの肺組織にはトリ由来インフルエンザウイルスレセプターも存在することが示された。ヒト呼吸器内に、ヒト型ウイルスレセプターおよびトリ型ウイルスレセプターの両方が存在することが示されたことから、ヒト呼吸器組織内での新型ウイルスの産生とウイルスレセプター特性の変化の可能性も加えて考慮する必要が有る。(著者抄録)
 

2008238948
医中誌Web
横浜市におけるインフルエンザの流行(2006年11月〜2007年5月)
Source:横浜市衛生研究所年報(0912-2826) 46号 Page71-76(2007.12)
Author:川上千春(横浜市衛生研究所 検査研究課), 百木智子, 七種美和子, 野口有三, 佐々木一也, 豊澤隆弘
Abstract:横浜市における2006年11月〜2007年5月シーズンのインフルエンザの流行状況を分離ウイルスの抗原性状及び遺伝子解析結果から検討した。その結果、2007年2月7日〜3月15日に発生した集団かぜは、15区23施設8学級と小規模な流行であり、主にB型ウイルスが原因であったが、AH3N2型ウイルスによる集団発生もみられた。定点ウイルス調査におけるウイルス分離状況ではAH3N2型とB型が主流であったが、AH1N1型ウイルスも共存する混合流行であった。AH1N1型ウイルスの抗原性状は、ワクチン株であるA/New Caledonia/20/99と低い反応性を示す抗原変異体株が多くみられ、その割合は分離株総数の72.7%(8/11)であった。AH3N2型の抗原性状は、今シーズンのワクチン株であるA/広島/52/2005と類似していた。B型ウイルスはVictoria系統が分離され、ワクチン株であるB/Malaysia/2506/2004と抗原性状が類似していた。進化系統樹解析ではAH1N1型ウイルスは昨シーズンA/New Caledonia/20/99に低い反応性を示した変異株と同様、抗原決定領域のアミノ酸がK144Eに置換したアミノ酸変異がみられた。AH3N2型ウイルスはS193F及びD225Nのアミノ酸置換を共通に2グループに分けられ、ワクチン株から更にR142Gの置換を共通したグループがみられた。B型ウイルスはVictoria系統のB/Malaysia/2506/2004と1〜2個のアミノ酸変異にとどまっていた。
 

2008225816
医中誌WebCiNii
高病原性新型インフルエンザ発生の謎を解く
Source:中部大学生命健康科学研究所紀要(1880-3040) 4巻 Page41-46(2008.03)
Author:鈴木康夫(中部大学 生命健康科学部生命医科学科)
Abstract:トリインフルエンザウイルスとヒト間で流行するヒトインフルエンザウイルスとは、様々な点で性質が異なる。その最も重要な点は、宿主受容体(レセプター)認識特異性の違いである。現在、世界に広がりつつある高病原性トリインフルエンザウイルスは、ヒトへも伝播し、これまでに、226人が死亡しているが、ヒト-ヒト間の伝播はまだ限定的である。もし、このウイルスが「変異」し、高病原性を維持したまま、宿主レセプター認識が変わり、ヒト間伝播が可能になった場合、速やかに世界流行(パンデミック)が起こり、スペインインフルエンザに匹敵する災害となることが予測される。これまでのインフルエンザ世界流行の歴史を見れば、この「変異」は、将来、起こり得る。どのような機構でその「変異」は起こるのか?ここでは、著者らの研究を中心に、その謎解きの最新情報を述べる。(著者抄録)
 

2008213029
医中誌Web
ヒトにおける鳥インフルエンザA(H5N1)感染
Source:BIO Clinica(0919-8237) 23巻7号 Page656-661(2008.06)
Author:谷口清州(国立感染症研究所 感染症情報センター)
Abstract:2003年末に東南アジアで始まったH5N1亜型の鳥インフルエンザは、徐々に地理的な拡大を見せ、2007年3月においては、アジア、アフリカ、中東、ヨーロッパにまたがり、家禽、野生鳥を含めてこれまで61ヶ国にて鳥における発生がみられており、そのうち、14ヶ国において381例のヒトにおける感染(うち死亡240例)が報告されている。特徴的な経過として、早期に下気道症状が出現し、急速に増悪する点にあり、その死亡率は50%を超える。早期診断と治療のためには、まず発生国における病鳥・死鳥との接触歴から本疾病を疑うことが肝要である。(著者抄録)
 

2008207570
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
2006/2007年冬におけるインフルエンザの解析
Source:日本医事新報(0385-9215) 4381号 Page72-77(2008.04)
Author:河合直樹(福岡県赤十字血液センター), 池松秀之, 岩城紀男, 前田哲也, 佐藤家隆, 川島崇, 田中治, 金澤英夫, 高安健, 山内知, 松浦伸郎, 洞庭賢一, 近藤邦夫, 可知常昭, 重松武, 佐々木義樓, 山西康仁, 水本博章, 脇本真理, 小川直, 堀井さつき, 河村研一, 永井徹, 岡山勁, 越野慶隆, 西谷昌也, 満岡聰, 廣津伸夫, 後藤由夫, 柏木征三郎
Abstract:2006/2007年シーズンにおけるインターネット・ベースを利用したインフルエンザ全国多施設研究を実施し、流行状態や迅速診断キット・ワクチン・抗インフルエンザ薬の有効性などについて解析した。その結果、本シーズンはA型が全体の68.2%を占め、流行期は1月末〜4月末と例年より約1ヵ月遅れ、中央日はA型3月11日・B型3月13日と過去6シーズン中最も遅かった。年齢別では、A型は20歳未満が50.5%と20歳以上とほぼ同等であったが、B型は88.8%と若年層のB型流行が顕著であった。ワクチンについてはA型インフルエンザが集団発生したと考えられる施設ではワクチン非接種者3名は全員罹患し、ワクチン接種者45名中24名が罹患しており、ワクチン有効率は46.7%であった。集団発生例を除く11849名中では非接種者3517名中147名が罹患(A型102名・B型45名)し、接種者8332名中256名(A型192名・B型64名)が罹患しており、接種群の方が非接種群より罹患率が有意に低く、ワクチン有効率は全体で26.5%であった。接種者の副反応は8312名中232名(2.8%)にみられ、殆どが発赤・痒み・疼痛など局所反応であった。迅速診断キットはA型のみならずB型もPPV90%前後と信頼性が高いことが確認され、抗インフルエンザ薬の有効性は投与開始24時間後の解熱効果で判断すると、ザナミビルはA型においてはオセルタミビルとほぼ同等であったが、B型ではオセルタミビルより高いことが確認された。
 

2008201526
医中誌WebJ-STAGE
1999〜2005年の日本の感染症発生動向調査によるインフルエンザと小児科疾患の流行状況(Epidemics of Influenza and Pediatric Diseases Observed in Infectious Disease Surveillance in Japan, 1999-2005)
Source:Journal of Epidemiology(0917-5040) 17巻Suppl.号 PageS14-S22(2007.12)
Author:OhtaAkiko(埼玉医科大学 医学部公衆衛生学), MurakamiYoshitaka, HashimotoShuji, NagaiMasaki, KawadoMiyuki, IzumidaMichiko, TadaYuki, ShigematsuMika, YasuiYoshinori, TaniguchiKiyosu
Abstract:定点調査データから小地域での感染症の流行を推測する方法が提案され、全国感染症発生動向調査(NESID)が行われた。この方法による標記疾患の疫学調査結果を概説した。定点診療所と病院から報告された感染症の症例数が決められた値を超した時にその保健所管内で流行が始まったと推測し、流行した週数を算出し、流行地域率で流行の程度を推測した。7年間の平均流行地域率はインフルエンザで6.0%、小児科疾患で0.2〜7.4%であった。7年間に咽頭結膜熱とA型連鎖球菌咽頭炎の流行地域率が増加し、麻疹が減少し、百日咳と風疹は1.0%以下であった。1年間のインフルエンザの流行地域率のピークは7年間で6%から90%の間を大きく変動した。A型連鎖球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、水痘などの小児科疾患ではこのピークがほぼ一定であった。
 

2008184702
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
公衆衛生 H5N1ワクチンの開発および備蓄状況
Source:インフルエンザ(1345-8345) 9巻2号 Page143-149(2008.04)
Author:城野洋一郎(化学及血清療法研究所菊池研究所 第二研究部)
Abstract:高病原性鳥インフルエンザは治まることなく、新型インフルエンザウイルス出現の可能性はいまだ高い。ワクチンは新型インフルエンザ対策の柱の1つと考えられ、世界中の主立ったワクチンメーカーが開発を行ってきた。その結果、H5N1ウイルスのヒトに対する免疫原性は低く、ワクチンにはアジュバントが必要であることが確認された。アジュバントとして、アルミゲルアジュバントとオイルエマルジョンタイプのアジュバントを用いたワクチンの開発がほぼ終了した。それに続き、各国はワクチン原液の備蓄を開始し、プレパンデミックワクチンとしての使用も検討され始めた。それは、実際のパンデミックウイルスに対する交差防御性やプライム効果を期待したものである。(著者抄録)
 

2008184699
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
疫学 H5N1ウイルスの最近の流行状況
Source:インフルエンザ(1345-8345) 9巻2号 Page119-125(2008.04)
Author:森兼啓太(国立感染症研究所感染症情報センター)
Abstract:1997年に香港で18名の感染者と6名の死亡者を出した鳥インフルエンザウイルスA/H5N1は、2003年末以降鳥における集団発生が続いている。ヒトへの感染も散発的ではあるが継続的に発生しており、2007年末現在348例の患者がWHOに報告されている。うち216例が死亡しており、依然として高い死亡率を保っている。現在のところH5N1によるパンデミックが明日にでも発生するという状況とは考えにくいが、疫学的およびウイルス学的検討によるH5N1のパンデミックポテンシャルに関する監視が必要である。(著者抄録)
 

2008165954
医中誌WebMedicalOnlinePierOnlineMedical e-hon
【ARDSとインフルエンザ 呼吸器不全の病態と発症機構】 インフルエンザ(H5N1)によるARDSの病態と治療
Source:医学のあゆみ(0039-2359) 224巻11号 Page815-819(2008.03)
Author:河内正治(国立国際医療センター 手術部)
Abstract:インフルエンザ(H5N1)は、鳥インフルエンザとして家禽を中心に大流行を繰り返している。1997年に香港で最初のヒト感染例が報告され、間をおいて2003年からふたたび東南アジアを中心にヒト感染を発症し2007年末までに348例(215例死亡)がWHOに報告されている。ヒトインフルエンザ(H5N1)感染症では急激に進行するARDSが特徴で、死亡率の高さと発症年齢の低いことが大きな問題である。ウイルスの変異によりヒト-ヒト感染が成立した場合の被害の大きさが非常に懸念され、さまざまな対策がWHOを中心にわが国においてもとられつつある。(著者抄録)
 

2008162694
医中誌Web
インフルエンザワクチン株と流行株の適合(第2報)
Source:薬事新報(0289-3290) 2514号 Page13-16(2008.02)
Author:福澤正人(松本歯科大学附属病院)
Abstract:インフルエンザワクチンは、その年に流行するインフルエンザの株と合致することで十分な予防効果を発揮するため、わが国のインフルエンザワクチン株と流行株の適合について検討した。インフルエンザワクチンに含まれる全ての株が流行株と適合していたシーズンはなかった。ワクチン株と流行株が適合していた12回のうち10回は適合していた型も流行していた。
 

2008155403
医中誌WebCrossRef
長野県における季節性インフルエンザ発生傾向の最近の変化 オセルタミビルの影響?(Recent changes in the trends of seasonal influenza outbreaks in the Nagano Prefectural area of Japan: an oseltamivir effect?)
Source:Journal of Infection and Chemotherapy(1341-321X) 13巻6号 Page429-431(2007.12)
Author:YasuiKozo(長野赤十字病院 小児科), AmanoYoshiro, MinamiIsaki, NakamuraShinichi, AkazawaYohei, UchidaNoriko
Abstract:オセルタミビルはインフルエンザの治療に有効で、その日本における使用は2003〜2006年の3年間で増加している。長野県におけるインフルエンザの流行を分析し、1998〜2002年のデータと比較したところ、感染者数のピークは2003年のシーズンから遅れる傾向があり、終息まで長期間を要していた。長期にわたるインフルエンザの流行を予防するためには、抗インフルエンザ薬を投与された患者の隔離期間を再考する必要がある。
 

2008148669
医中誌Web
インフルエンザ流行予測調査
Source:富山県衛生研究所年報(0917-0707) 30号 Page81-90(2007.12)
Author:堀元栄詞(富山県新川厚生センター), 小原真・ , 岩井雅恵, 長谷川澄代, 滝澤剛則, 倉田毅, 田中桂子, 南部厚子, 中澤保文, 田中有易知, 上田順子, 宮田英喜
Abstract:インフルエンザ流行期前の富山県民の抗体保有状況を調べ、県民の免疫状況とインフルエンザ流行の実態を把握した。インフルエンザ流行期前における富山県住民275例の抗体保有状況について、4種類のインフルエンザ抗原を用いて調べ、B型(ビクトリア系統)に対する抗体保有率は依然低く、流行が危惧された。インフルエンザ患者の報告は1月中旬(第4週)より上昇し、3月中旬(第12週)をピークにして5月上旬(第20週)に終息し、累積患者数は966例であった。インフルエンザウイルス分離は、AH1型が12株、AH3型が95株、B型が79株であった。シーズン前半はAH3型とB型がほぼ同じ割合で分離され、AH1型はシーズン終盤で分離された。
 

2008144715
医中誌Web
2006年度の日本脳炎、インフルエンザ、風疹、麻疹 感染症流行予測調査の概要
Source:三重県科学技術振興センター保健環境研究部年報(1346-9517) 9号 Page78-82(2007.11)
Author:矢野拓弥(三重県科学技術振興センター 保健環境研究部), 中野陽子, 赤地重宏, 岩出義人, 山内昭則, 永田克行
Abstract:2006年度に実施した感染症流行予測の概要を報告した。日本脳炎感染源調査は三重県中部地域で飼育された豚の日本脳炎ウイルス赤血球凝集抑制(HI)抗体保有の有無を調査した。2006年9月4日にHI抗体陽性率が60%となり、2-Mercaptoethanol感受性抗体は3頭(60%)で認めた。豚からのインフルエンザの分離を実施したが、ウイルスは分離しなかった。インフルエンザの流行動態及び規模に最も影響を及ぼす乳児から学童期の年齢層の各亜型の流行期前のHI抗体保有率は、A/New Caledonia/20/99は0〜4歳35.1%、5〜9歳69.0%、A/Hiroshima/52/2005は0〜4歳13.5%、5〜9歳62.1%、B/Malaysia/2506/2004は0〜4歳0%、5〜9歳13.8%、B/Shanghai/361/2002は0〜4歳18.9%、5〜9歳65.5%であった。風疹感受性調査での全年齢層におけるHI抗体保有率は86.3%であった。
 

2008144712
医中誌Web
三重県感染症発生動向調査において指定届出機関から自由記載で提供される医療情報(第2報)
Source:三重県科学技術振興センター保健環境研究部年報(1346-9517) 9号 Page62-67(2007.11)
Author:福田美和(三重県科学技術振興センター 保健環境研究部), 松村義晴, 大熊和行
Abstract:三重県感染症発生動向調査事業においては、感染症法に基づく指定届出機関(定点)から、国の実施要綱に定める届出事項のほかに、地域における感染症の詳細な発生状況や患者に対する治療状況等に関する医療情報を収集・整理し、関係機関に提供している。1999年11月〜2005年第17週までの医療情報データベースに2005年第18週〜2006年12月までのデータを加え、集計・分析した。医療情報は合計6314件で、その疾患別内訳は、インフルエンザが最多で1246件、次いで感染性胃腸炎の1088件、水痘の634件、流行性耳下腺炎の445件、アデノウイルス感染症の413件、A群溶血性レンサ球菌感染症の345件の順であった。ワクチン接種済者の罹患状況に関する医療情報は合計656件あり、その疾患別内訳は、水痘が最多で291件、次いでインフルエンザの207件、流行性耳下腺炎の123件の順であった。
 

2008144620
医中誌Web
2006/2007年シーズンの札幌市におけるインフルエンザの流行状況について
Source:札幌市衛生研究所年報(0917-0294) 34号 Page85-88(2007.11)
Author:菊地正幸(札幌市衛生研究所), 村椿絵美, 山本優, 吉田靖宏, 宮下妙子, 矢野公一
Abstract:2006/2007年シーズンの札幌市におけるインフルエンザの流行状況について報告した。市内医療機関(小児科10定点、内科4定点)を受診した患者から採取した咽頭拭い液等合計591検体(小児科502検体、内科89検体)を検査材料とした。インフルエンザの患者報告は、2006年第39週(9/25〜10/1)以降散発的に報告されていたが、第51週(12/18〜12/24)から患者報告数が急増した。第10週(3/5〜3/11)には流行発生警報の基準値を超えて33.3となり、流行発生警報のレベルとなった。最終的に第23週(6/4〜6/10)に1例の患者が報告されて以降患者報告数は0となった。昨シーズン(2005/2006)に続きAソ連型、A香港型およびB型の混合流行であった。
 

2008144207
医中誌WebCiNii
インフルエンザウイルス誘導性アポトーシスの病理学的及び防御的特徴(Pathological and Protective Aspects of Influenza Virus-Induced Apoptosis)
Source:岐阜医療科学大学紀要(1881-9168) 1号 Page55-59(2007.03)
Author:KimuraYoshinobu(岐阜医療科学大学 衛生技術学科)
Abstract:インフルエンザ感染中のアポトーシス現象は、in vitro培養細胞において細胞破壊損傷を引き起こし、in vivo宿主器官に病理学的影響を与え病気の進展を導く。感染3日後にパーフォリン誘導性アポトーシスが発生し、ウイルス複製を妨害する。感染8日後にFas/Fasリガンド誘導性アポトーシスが生じるが、子孫ウイルスが既に全身に広がっており広範囲での細胞破壊により宿主に致命的病理学的損傷が引き起こされる。感染早期におけるアポトーシスは、ウイルスが全身に広がるのを防ぐことにより宿主防御機構における防御因子として働くと考えられる。感染直後の応答アポトーシスを増強する治療戦略は、抗ウイルス療法との併用療法として注目に値すると思われた。
 

2008136853
医中誌Web
平成18年度感染症流行予測調査結果
Source:群馬県衛生環境研究所年報(1340-265X) 39号 Page63-68(2007.12)
Author:池田美由紀(群馬県衛生環境研究所 保健予防課), 高原力也, 塩原正枝, 森田幸雄, 加藤政彦
Abstract:日本脳炎と新型インフルエンザを想定した感染源調査(ブタ)及び、インフルエンザ、麻疹、風疹の感受性調査(ヒト)の結果を報告した。群馬県のと畜場に集められたブタから検体を採取した。55頭の豚の鼻腔拭い液についてインフルエンザウイルスの分離を試みたが、本ウイルスを分離できなかった。日本脳炎は、感染源調査したブタ115頭の赤血球凝集抑制(HI)試験による抗体価は10以下で、8月下旬採材分の1頭および9月下旬採材分の1頭が抗体価10であった。風疹では、全体的に抗体価32以上の保有率は、全年齢群で88.3%と、感受性者が多く存在することが推定された。麻疹では、0〜1歳を除き、各年代とも高率に抗体を保有し、抗体価16以上の保有率は、全年齢群で92.5%であった。
 

2008135331
医中誌Web
インフルエンザ様疾患の流行状況(2006/2007年)
Source:島根県保健環境科学研究所報(1347-2860) 48号 Page70-74(2007.12)
Author:川向明美(島根県保健環境科学研究所), 田原研司, 糸川浩司, 飯塚節子
Abstract:感染症発生動向調査事業による患者発生報告および学校等での集団発生の情報を解析するとともに、2006年11月から2007年5月にかけて患者検体からのウイルス分離・同定を行った。例年と比べると患者発生の時期が1〜2ヵ月遅く、3月下旬に流行のピークを迎えたのは、過去10年においてはじめてであった。2006年第42週(10月下旬)から2007年第26週(6月中旬)までの総報告数は6546例、定点医療機関あたり172例であった。ウイルス培養検査によりシーズン中143株のインフルエンザウイルスが分離された。その主流はA香港型であったが、西部では同時期にB型ウイルスも分離された。さらに、分離株数は少ないものの、西部では流行のピーク前からAソ連型の混合流行もみられた。昨シーズンとは流行パターンは違うものの、今シーズンも3種類のウイルスによる混合流行であった。
 

2008120646
医中誌WebMedicalFinder
【インフルエンザ診療のブレークスルー】 新型インフルエンザ対策 医療機関の立場から
Source:臨床検査(0485-1420) 52巻1号 Page64-68(2008.01)
Author:川名明彦(国立国際医療センター 国際疾病センター)
Abstract:医療機関では,膨大な数の新型インフルエンザ患者に対応するため,平時からの準備が必要である.本稿では,厚生労働省の指針に基づき,新型インフルエンザ流行に対する医療機関の対応をまとめた.WHOのフェーズ1〜2は医療機関にとっては平時と変わらない時期であり,準備を整える時期といえる.フェーズ3はヒトの鳥インフルエンザA(H5N1)感染症を対象とした封じ込めの時期であり,感染症指定医療機関が入院医療の中心となる.フェーズ4以降は,新型インフルエンザ流行の時期であり,特にパンデミックになるとすべての医療機関がかかわって医療体制を支える必要がある.(著者抄録)
 

2008120645
医中誌WebMedicalFinder
【インフルエンザ診療のブレークスルー】 新型インフルエンザ対策 公衆衛生の観点から
Source:臨床検査(0485-1420) 52巻1号 Page57-63(2008.01)
Author:安井良則(国立感染症研究所感染症情報センター)
Abstract:本稿では各種新型インフルエンザ対策ガイドラインのなかでも,公衆衛生にとって最も重要であると思われる「積極的疫学調査ガイドライン」および「早期対応戦略ガイドライン」について,その概略を解説・紹介した.前者は,この調査結果に基づいて他の各種対策が実行されるといっても過言ではない.また,後者は対策の中心に位置付けられるべきであるが,わが国ではこれまで類似の対策について検討された経験がなく,現段階においてはまだ専門職者の間ですら理解が広まっておらず,具体的に検討されるべき課題は山積している.対策に関して,公衆衛生の果たすべき役割は極めて大きいものであり,本稿がこの両ガイドラインの理解と普及の一助となれば幸いである.(著者抄録)
 

2008120638
医中誌WebMedicalFinder
【インフルエンザ診療のブレークスルー】 グローバルな視点からみた新型インフルエンザ
Source:臨床検査(0485-1420) 52巻1号 Page16-22(2008.01)
Author:押谷仁(東北大学 大学院医学系研究科微生物学分野)
Abstract:新型インフルエンザが出現した場合,世界中で甚大な人的・社会的被害が生じると想定されている.このような事態に対応するためにはグローバルな視点が欠かせない.世界保健機関(WHO)では新型インフルエンザに対する基本戦略を策定して各国政府とともに新型インフルエンザ対策を進めている.しかし,封じ込めに関する技術的な問題点やパンデミックワクチンをめぐる途上国と先進国の対立など多くの課題も残されている.(著者抄録)
 

2008115332
医中誌Web
2006/2007年の野木病院小児科におけるインフルエンザの臨床的検討
Source:小児科臨床(0021-518X) 60巻11号 Page2195-2199(2007.11)
Author:加納健一(野木病院 小児科), 砂川佐知子, 有阪治
Abstract:2006/2007年における栃木県南部の野木病院小児科のインフルエンザの状況を報告した。インフルエンザの型は2002/2003年と2004/2005年シーズンと同様にA型とB型とが混在した。インフルエンザ流行時期は2004/2005年シーズンのように長期間流行したことと、流行時期が遅かったことが挙げられる。すなわち2007年2月5日から始まり、4月26日まで続いたことである。今シーズンの治療の特徴として、流行の後半になって厚生労働省から10歳代の人へのオセルタミビルへの服用中止の勧告がされ、それとともに10歳代以外の人もオセルタミビル服用が激減したことである。従来いわれているように、オセルタミビルの解熱効果は非服用者に比べて1日早いことが再確認された。オセルタミビル服用による重篤な副作用はみられなかった。(著者抄録)
 

2008109211
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
インドネシア共和国における鳥インフルエンザおよびパンデミック・インフルエンザ対策
Source:インフルエンザ(1345-8345) 9巻1号 Page76-82(2008.01)
Author:田中政宏(大阪府立成人病センター 調査部), 平林国彦
Abstract:インドネシアにおける鳥インフルエンザ(AI)およびパンデミック・インフルエンザ(PI)対策に関しての現状の聞き取り調査を行った。インドネシア政府は、2006年1月に「鳥インフルエンザおよびパンデミック・インフルエンザ対策戦略計画」をまとめている。インドネシアでは、年間出生数500万人という大きな小児用ワクチン需要を抱えているが、WHOの予防接種プログラムに必要なワクチンはすべてBIO FARMA社が製造し、政府に供給している。パンデミック発生時にパンデミック・ワクチンを海外から入手するのは困難で、安全保障のためには国内製造が必要であった。
 

2008109204
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
疫学 2006/2007年のインフルエンザ流行の特徴
Source:インフルエンザ(1345-8345) 9巻1号 Page29-36(2008.01)
Author:安井良則(国立感染症研究所感染症情報センター)
Abstract:全国約5,000ヶ所のインフルエンザ定点医療機関からの患者発生報告に基づくインフルエンザの発生動向をみると、2006/2007年シーズンのインフルエンザの流行は2007年第3週から始まり、そのピークは第11週と例年よりも遅かったが、流行の規模は前シーズンを上回った。地域別では、九州および中部地域に流行規模の大きな県が多かった。ウイルス分離状況をみると、AH3亜型(A香港型)およびB型の混合流行であった。2007/2008年シーズンのインフルエンザワクチン株では、近年たびたび流行の主流となっているAH3亜型のワクチン株は変更されていない。今後ともインフルエンザの発生動向には注意が必要である。(著者抄録)
 

2008098820
医中誌WebCiNii
高病原性トリインフルエンザウイルスのヒトへの伝播機構の解明とヒト世界流行阻止
Source:中部大学生命健康科学研究所紀要(1880-3040) 3巻 Page53-54(2007.03)
Author:鈴木康夫(中部大学 生命健康科学部生命医科学科)
Abstract:現在、世界に拡大し続けている高病原性トリインフルエンザウイルスが変異し、ヒト間伝播が可能となった場合、高病原性インフルエンザの世界流行が始まる。本研究では、これを阻止するために、ヒト-ヒト間伝播が可能となるウイルス側の変異を明らかにすることを目的とした。その結果、ウイルスヘマグルチニン分子内のわずか1つまたは2つのアミノ酸が別のアミノ酸に変化するだけで、高病原性トリインフルエンザウイルスがヒトへ感染できるようになる可能性を見いだし、そのアミノ酸部位を182番目、192番目であると確定した。これにより、新たなパンデミックの発生を事前に阻止する体制作りが初めて可能となった。(著者抄録)
 

2008098741
医中誌Web
【病原体の感染戦略における新たな知見】 インフルエンザウイルスの宿主域変異と糖鎖
Source:化学療法の領域(0913-2384) 23巻11号 Page1710-1713(2007.10)
Author:鈴木康夫(中部大学 生命健康科学部生命医科学科)
Abstract:インフルエンザは世界で最も広く分布する人獣共通感染症の1つである。ヒト間で流行し、パンデミックを起こす新型インフルエンザは、トリインフルエンザウイルスの宿主域変異により起こる。この変異は、いわゆるウイルスの抗原病異とは異なり、インフルエンザウイルスの宿主受容体(シアル酸含有糖鎖)に対する認識と深く関わることがわかってきた。本稿では、高病原性トリインフルエンザウイルス(H5N1)のヒトへの伝播機構について、最近の知見を述べる。(著者抄録)
 

2008090981
医中誌Web
スペインかぜウイルスとH5N1ウイルスのサル感染モデルにおける病原性解析
Source:感染・炎症・免疫(0387-1010) 37巻4号 Page286-291(2007.12)
Author:新矢恭子(神戸大学医学部附属医学研究国際交流センター), 河岡義裕
Abstract:スペイン風邪ウイルスは、1918年から翌年にかけて世界中で大流行を引き起こし、世界中で2,000万から4,000万人もの死者を出したと言われている。私達は、リバースジェネティクス技術を応用し、スペイン風邪原因ウイルスを現代に再現してその強力な病原性発現のメカニズムを解析した。重症の肺炎症状を特徴とすると報告されているスペイン風邪ウイルス感染症は、やはり重症の肺炎などの下部呼吸器症状を呈する患者が多く見受けられる高病原性鳥インフルエンザウイルス感染症との類似点も多いと思われる。そこで、サルの感染モデルにおける病原性解析をおこない、各ウイルスの類似点および相違点について考察した。その結果、現在流行中のH5N1ウイルスは、サルの感染モデルにおいて、どちらかといえば上部の呼吸器領域よりも下部の呼吸器領域で増殖し易いが、それでもまだ、スペイン風邪ウイルスほどの高い効率では増殖することは出来ない段階にあると考えられた。(著者抄録)
 

2008088044
医中誌Web
当院における過去5シーズンのインフルエンザ流行推移とワクチンの有用性
Source:由利組合総合病院医報(0915-5414) 17号 Page7-9(2006.03)
Author:加藤純(秋田県厚生農業協同組合連合会由利組合総合病院 臨床検査科), 伊藤辰美, 工藤昌子, 杉田暁大, 佐藤義昭, 朝倉健一
Abstract:99/00シーズン〜03/04シーズンの5シーズンに迅速検査を行った検体7819件を対象にインフルエンザ迅速検査からみた流行状況と03/04シーズンに行ったインフルエンザワクチン接種調査について報告した。迅速検査依頼件数は年々増加傾向で検査開始当初は迅速検査キット不足に悩まされた。99/00シーズン100件、00/01シーズン608件といずれもシーズン途中で終った。02/03シーズンは3471件と過去最大で、01/02シーズンから迅速検査キットが改良され、B型インフルエンザも判定可能となった。03/04シーズンは2003〜50週目に最初のA型+を認め、2004〜2週目から増加傾向、7週目にピークを迎えた。以後減少傾向で17週目に終息した。B型の流行は認めず終えた。最終集計は依頼数2478件、Aがt+822件、B型+9件であった。ワクチン接種を行ったがインフルエンザ+判定は24.9%みられたが大流行を予防、減少させるためにはワクチン接種は重要と思われた。
 

2008087743
医中誌Web
2006-2007シーズンにおける仙台市内のインフルエンザウイルスの分離および遺伝子検出状況
Source:仙台市衛生研究所報(0916-7226) 36号 Page62-67(2007.11)
Author:勝見正道(仙台市衛生研究所), 新木茂, 関根雅夫, 小黒美舎子, 熊谷正憲, 阿部幸史
Abstract:国立感染症研究所が作成した病原体検査マニュアル「高病原性鳥インフルエンザ」が改訂されたことから、検体からインフルエンザウイルスを分離するとともに、同一の検体を用いて記載されたRT-PCR法の有用性を検証した。また、2006/07シーズン分離したインフルエンザウイルスのヘマアグルチン(HA)遺伝子の系統樹解析を行った。2006/07シーズンの仙台市内のインフルエンザの流行は1月に始まり、3月中旬にピークに達し、5月下旬まで続いた。分離株はAH3型が最も多く流行の中心をしめた。AH3型、B型ではPCR法の結果は細胞培養法の結果とよく一致したが、AH1型インフルエンザウイルスが分離された検体におけるAH1型HA遺伝子の検出率は低く、プライマーの再検討が必要と思われた。AHI型、AH3型インフルエンザウイルスのワクチン株抗血清に対するHI価の低下は見られなかった。
 

2008086168
医中誌Web
高知県における感染症流行予測調査 2006年
Source:高知県衛生研究所報(0289-582X) 53号 Page87-93(2007.09)
Author:千屋誠造(高知県中央西福祉保健所), 永安聖二, 坂本夕子, 戸梶彰彦, 松本道明, 福永和俊
Abstract:インフルエンザ、麻疹、風疹、日本脳炎の流行を予測すべく、県内在住者531名および県内で飼育されているブタ90頭について抗体測定を行った。また、新型インフルエンザを想定し、ブタ100頭について鼻腔ぬぐい液のウイルス分離検査を行った。結果、インフルエンザ(ヒト)については、昨シーズンにB型ビクトリア系統株が多く分離されたが、今回の調査ではビクトリア系統株の抗体保有率は低かった。麻疹(ヒト)については、抗体陽性(抗体価16倍以上)者の割合が96.8%、感染を防御できると考えられている128倍以上が74.6%で、年齢層別にみるとワクチンの義務接種中止(1993年)以降に生まれた層は昨年の調査に続き抗体価が低かった。風疹(ヒト)については、抗体陽性(抗体価8倍以上)者の割合が91.5%、感染を防御できると考えられている32倍以上の割合は81.7%で、昨年をやや上回った。日本脳炎(ブタ)については、ほぼ平年並みの7月末に抗体保有率が上昇したため感染注意報を発令した。新型インフルエンザについては全頭陰性であった。
 

2008081875
医中誌Web
名古屋市で実施したNESIDの「疑い症例調査支援システム」を用いたインフルエンザ(H5N1)要観察例発生時入力演習 2006年
Source:名古屋市衛生研究所報(0287-5241) 53号 Page59-60(2007.09)
Author:瀬川英男(名古屋市衛生研究所), 米澤彰二, 稲葉静代, 上田耕二, 土屋博信, 友松博之, 石井譲治
Abstract:国の「感染症発生動行調査システム」が2006年春に再構築され、「感染症サーベイランスシステム」(NESID)となった。その中に「疑い症例調査支援システム」(支援システム)が組み込まれ、インフルエンザ(H5N1)の様に人類に対するインパクトが大きいことが予想される感染症の、小規模発生の段階での患者・接触者調査およびその情報の共有に有用なシステムとして構築された。今回、名古屋市全域をカバーする16保健所で、この支援システムの使用演習を実施した。アンケートの結果、支援システムへの入力体験者がひとつの保健所の中で1名だけであることを不安に思う担当者が何人か見られた。支援システムへのアクセスに非常に時間を要する場合があり、緊急時にそのような事態となれば、入力作業は継続困難であると思われた。
 

2008077128
医中誌Web
【冬の熱、冬の咳、冬の下痢 冬季警戒の市中感染症】 呼吸器系 新型インフルエンザ流行時の社会的対応策
Source:感染と抗菌薬(1344-0969) 10巻4号 Page347-354(2007.12)
Author:丸井英二(順天堂大学 医学部公衆衛生学教室)
Abstract:WHOは2005年にインフルエンザのパンデミックについて6フェーズを想定した。厚生労働省は平成18年に「インフルエンザウイルス(H5N1)ガイドライン:フェーズ3」を、平成19年にフェーズ4以降のガイドラインを策定した。国内での対応は「医療対応」と「社会対応」とに分けられる。新型インフルエンザは一疾患であるが、パニックを招く大きな社会問題でもある。現代の情報社会こそリスクコミュニケーションが重要な役割を果たす。医療者は一方的指導ではなく、信頼関係と相手の立場に立った相互理解が重要である。(著者抄録)
 

2008074638
医中誌WebMedicalOnline
【粘膜免疫からの感染と免疫応答機構 体の入口から呼吸器・消化器、生殖器、皮膚までの制御システム】 空気の通り道における感染・免疫機構 インフルエンザウイルスの感染機構
Source:実験医学(0288-5514) 25巻20号 Page3170-3175(2007.12)
Author:堀本泰介(東京大学医科学研究所 感染・免疫部門ウイルス感染分野)
Abstract:インフルエンザは毎年流行する急性の呼吸器疾患である。ウイルス抗原性の頻繁な連続変異があるものの、自然免疫力と過去の感染記憶やワクチン接種で誘導される交差反応性を含む防御免疫により通常は一過性の症状にとどまる。対して、全く異なる抗原性(不連続変異)のウイルスが出現すると免疫がナイーブであるため、世界的大流行(パンデミック)により多くのヒトが犠牲になる。今、人類はH5N1高病原性鳥ウイルスによる未曾有のパンデミックの危機に面している。これまでに解明された感染分子機構は、わずかな変異でH5N1パンデミックウイルスが出現する可能性を強く示唆する。(著者抄録)
 

2008073148
医中誌Web
【インフルエンザ 伝播抑止と制御】 インフルエンザウイルス
Source:医薬ジャーナル(0287-4741) 43巻11号 Page2637-2641(2007.11)
Author:鈴木陽(東北大学 大学院医学系研究科微生物学分野)
Abstract:インフルエンザウイルスは分節性RNA(ribonucleic acid)を遺伝子とし、脂質二重膜であるエンベロープ、膜タンパク、リボヌクレオプロテイン複合体および非構造タンパクより構成される。ウイルスのRNAポリメラーゼには校正機能が無いため変異が起こりやすい。HA(hemagglutinin)タンパクの部分変異である抗原連続変異が毎年の流行を起こし、遺伝子再集合にてHAのRNAを取り替える抗原不連続変異がパンデミックを起こす。ウイルスはヒトとトリ細胞のシアル酸の違いを認識し感染するが、ヒトはトリインフルエンザウイルスに直接もしくは間接的に感染し得る。A型インフルエンザウイルスはトリ由来のウイルスとされ、カモ等がreservoirと考えられており、人獣共通感染症として考える必要がある。(著者抄録)
 

2008073147
医中誌Web
【インフルエンザ 伝播抑止と制御】 いま病院に求められるインフルエンザ対策
Source:医薬ジャーナル(0287-4741) 43巻11号 Page2633-2635(2007.11)
Author:安岡彰(長崎大学医学部歯学部附属病院 感染制御教育センター)
Abstract:病院感染対策としてインフルエンザ対策を実施することは、昨今では必須のリスク管理となりつつある。標準予防策の一つとして取り入れられた"呼吸衛生/咳のエチケット"を的確に実施し、職員や患者に対するワクチン接種プログラムを組織的に行う必要がある。また院内でのインフルエンザ流行は病院感染対策の破綻ととらえ、流行期には持ち込みの防止や、発症予防投薬を含めた拡大防止策を実施していかなければならない。新型インフルエンザへの備えは、このような飛沫感染症に対する病院の感染対策の延長として位置づけることができる。(著者抄録)
 

2008064088
医中誌Web
宮城県におけるインフルエンザ抗体保有状況
Source:宮城県保健環境センター年報(0910-9293) 24巻 Page42-45(2006.11)
Author:沖村容子(宮城県保健環境センター), 菊地奈穂子, 庄司美加, 山木紀彦, 後藤郁男, 植木洋, 秋山和夫
Abstract:平成17年度感染症流行予測事業の一環として実施したインフルエンザ感受性調査結果を報告した。有効防御免疫の指標とされるHI抗体価40倍以上の抗体保有率を求めた結果、Aソ連型、A香港型、B型(山形系統)では、ワクチン接種率が全年齢群の中では比較的高く、集団で生活する機会が多いためウイルスの感染を頻繁に受けやすい10〜19歳の年齢群の保有率が50〜70%と高かった。Aソ連型は平成16年度シーズン初めの集団発生で検出される等、県内での流行を反映して平均抗体保有率は36.2%であった。A香港型は過去の流行による抗体保有者の蓄積もあって平均抗体保有率は50.9%と、対象とした4抗原の中で最も高くなった。B型(山形系統)は全年齢群で抗体を保有しており、平成16年度のB型県内流行が大規模であったことが推察された。B型(ビクトリア系統)は平成16年度の流行株でなかったことが影響してほとんどの年齢群が抗体を保有しておらず、B型ウイルスの動向によっては流行すると推測された。
 

2008061271
医中誌Web
【(新型)インフルエンザの現状と対策】 新型インフルエンザ流行に対する医療機関の対応
Source:化学療法の領域(0913-2384) 23巻12号 Page1921-1926(2007.11)
Author:川名明彦(国立国際医療センター国際疾病センター)
Abstract:新型インフルエンザの発生は、医療機関に大きな負荷をもたらす。膨大な数の患者に対応するため、平時からのマニュアル作り、訓練など準備が必要である。本稿では、厚生労働省の指針に基づき、新型インフルエンザ流行に対する医療機関の対応をまとめた。世界保健機関(WHO)のフェーズ1〜2は医療機関にとっては平時と変わらない時期であり、準備を整える時期といえる。フェーズ3はヒトの鳥インフルエンザA(H5N1)感染症を対象とした封じ込めの時期であり、感染症指定医療機関が入院医療の中心となる。フェーズ4以降は、新型インフルエンザ流行の時期であり、特にパンデミックになるとすべての医療機関が関わって医療体制を支える必要がある。(著者抄録)
 

2008061270
医中誌Web
【(新型)インフルエンザの現状と対策】 新型インフルエンザに対する公衆衛生対策
Source:化学療法の領域(0913-2384) 23巻12号 Page1915-1919(2007.11)
Author:奥野良信(大阪大学微生物病研究会観音寺研究所)
Abstract:新型インフルエンザが出現すると、短期間に多くの患者と死亡者が発生し、社会機能が麻痺するため、あらゆる分野で大きな影響を受ける。これは、世界中のほとんどの地域で起こり、世界レベル、国レベル、地域レベル、そして個人レベルで対策を講じなければならない。現在、最も危惧されているのは高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)が新型インフルエンザとして出現することで、最悪のシナリオを想定した対策について国はガイドラインを策定した。どのようなかたちで世界的大流行(パンデミック)が起こるか分からないが、世界中が協力し、あらゆる手を尽くして最悪の事態を避けなければならない。(著者抄録)
 

2008061267
医中誌Web
【(新型)インフルエンザの現状と対策】 流行対策としてのワクチン
Source:化学療法の領域(0913-2384) 23巻12号 Page1889-1896(2007.11)
Author:田村愼一(科学技術振興機構 科学技術連携施策群支援業務室新興・再興感染症連携群)
Abstract:インフルエンザワクチンは、1994年(平成6年)の予防接種法改正により、それまで約30年間、有効性等について様々な議論を抱えながらも実施されていた集団接種から、個別接種(任意接種)に移行した。移行後の国民のワクチン離れが高齢者の罹患や死亡の増加を惹き起こし、図らずも集団接種がインフルエンザ流行対策として有効であったことを示唆した。その後の法改正により、高齢者を含むハイリスク群への定期接種対策がとられ、ワクチンの任意接種率も増加してきている。また、新型インフルエンザの脅威が持続する中で、その対策としてアラム併用不活化全粒子ワクチン開発が進んでいる。これら我が国の皮下注射ワクチンは、免疫因子として血清中の免疫グロブリンG(IgG)抗体のみに依存しており、ワクチン株とは異なる変異ウイルスの流行には防御能力が低下する。これを改善するため今後、IgG抗体とともに気道の免疫グロブリンA(IgA)抗体(交叉感染阻止能力を持つ)を誘導できる経鼻不活化ワクチンの実用化が期待される。(著者抄録)
 

2008061266
医中誌Web
【(新型)インフルエンザの現状と対策】 新型インフルエンザの動向と予測
Source:化学療法の領域(0913-2384) 23巻12号 Page1883-1887(2007.11)
Author:岡部信彦(国立感染症研究所感染症情報センター)
Abstract:これまでのインフルエンザの変化の歴史を見れば、現在はいつA型インフルエンザウイルスの不連続変異が起こり、新型インフルエンザが登場してもおかしくない状況にあるといえる。しかしこれが来年なのか、5年先なのか、あるいはもっと先なのかの予測は誰も正確な答を持っていない。新型インフルエンザウイルスが出現すれば、人々は当然過去にこのウイルスの感染を受けたことがないため抗体もなく、短期間に新しいウイルスの感染を受ける人が多くなり、地球規模での大流行(パンデミック)となる。病原性が高まれば、その被害はさらに高まる。しかも現在では交通の発達、人口の増加・集中、生活様式など過去の流行時とは比べようもない著しい変化を遂げており、医療医学の進歩の一方、新型ウイルスが出現した際には、放置すればこれまでにない速度で拡大し、大規模な流行の発生と、それに伴う健康被害の増大、そして社会生活への大きな影響がもたらされるであろうことから、世界共通の課題としての取り組みが行われている。(著者抄録)
 

2008061265
医中誌Web
【(新型)インフルエンザの現状と対策】 ウイルスの遺伝子変異と流行のメカニズム
Source:化学療法の領域(0913-2384) 23巻12号 Page1875-1882(2007.11)
Author:中島捷久(名古屋市立大学 大学院医学研究科ウイルス学)
Abstract:インフルエンザウイルスは抗原変異を起こしやすいウイルスとして知られている。この抗原性の変化が激しいゆえに、ワクチン株を毎年のように選定し直す必要がある。抗原変異にはドリフトとシフトの二種類が存在する。ドリフトは粒子表面上に存在する血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)タンパク質上の、抗原として重要な領域にアミノ酸変異が起こり、抗体による中和からエスケープすることにより起こる。シフトはA型インフルエンザウイルスでみられ、ヒトの中で流行していなかった抗原性を持つ新型のウイルスが出現し大流行を惹き起こす。シフトはトリウイルスが直接ヒトに侵入して起こる場合と、ヒトウイルスとトリウイルスの間で遺伝子交雑が起こり、トリの抗原遺伝子を持つウイルスがヒトに侵入して起こる場合が知られている。(著者抄録)
 

2008055343
医中誌Web
神奈川県域における病原微生物の検出動向(2002年-2006年)
Source:神奈川県衛生研究所研究報告(0303-0350) 37号 Page65-67(2007.09)
Author:折原直美(神奈川県衛生研究所 企画情報部), 佐藤善博
Abstract:定期刊行物「神奈川県微生物検査情報」の最近5年間のデータをまとめた。臨床診断別の病原細菌検出状況は、食中毒など食品を媒体とするものが多く、次いで感染性胃腸炎、腸管出血性大腸菌感染症であった。菌種では、A群溶血レンサ球菌が5年間で計73件検出され、特に2006年は39件と多かった。マイコプラズマ・ニューモニエは計88件検出され、2003年が最も多く、次いで2006年であった。月別にみると、腸炎ビブリオは8・9月、ウエルシュ菌は3〜6月に限局して検出されていた。腸管出血性大腸菌は、集団感染が2002、2004、2006年にみられ、発生届出に対する調査では毎年検出された。ウイルス・リケッチアについては、インフルエンザウイルスが12月〜3月に集中的に検出されており、A型コクサッキーウイルスは5〜11月に手足口病やヘルパンギーナなどから、B群コクサッキーウイルスおよびエコーウイルスは4〜11月に主に無菌性髄膜炎から検出された。
 

2008051959
医中誌Web
岡山県における2005〜2006年シーズンのインフルエンザ流行について
Source:岡山県環境保健センター年報(0914-9309) 31号 Page119-124(2007.09)
Author:葛谷光隆(岡山県環境保健センター ウイルス科), 濱野雅子, 西島倫子, 藤井理津志, 山口弘
Abstract:2005〜2006年シーズン(2005/06シーズン)の岡山県におけるインフルエンザ流行を解明するため、学校等におけるインフルエンザ様疾患の集団発生(Infl集団)の患者発生状況、及び岡山県感染症発生動向調査事業(発生動向調査)に基づくインフルエンザ患者の発生状況を調査した。また、患者から採取された咽頭拭い液等についてインフルエンザウイルス(Infl.V)の分離を行い、分離したウイルスについて型別及び抗原性解析を実施した。春季は冬季にくらべて10〜19歳の患者割合が大きく増加し、両者間で流行年齢層に違いを認めた。冬季流行はA香港(AH3)型インフルエンザウイルス(Infl.V)を主流行とするAソ連(AH1)型Infl.Vとの混合流行で、春季流行はビクトリア系統のB型Infl.Vの単独流行であると推察した。
 

2008041999
医中誌WebCrossRefCiNii
2004/05シーズンのA型インフルエンザ感染症に対する漢方薬による予防効果
Source:日本東洋医学雑誌(0287-4857) 58巻5号 Page847-852(2007.09)
Author:平岩久幸(東部島根医療福祉センター 小児科), 太田庸子, 平岩里佳, 金津幸子, 廣瀬方志, 伊達伸也
Abstract:2004/05シーズンのA型インフルエンザ感染症の障害児・者施設における流行状況を把握し、漢方薬による予防効果について後方視的に検討した。全国のサーベイランスの結果から、このシーズンはB型の流行と例年より遅くまで流行したA型がワクチン株と抗原性が異なっていたため、ワクチンなど通常の予防対策では有効でなかったと推測された。全員、インフルエンザワクチン接種にも関わらず、2005年3月末から5月末の約2ヵ月間に、施設利用者の47.8%(43/90)、職員22.7%(25/110)が罹患した。漢方薬内服の有無では罹患率の差はなかった。しかし漢方薬内服者のうち、補剤と非補剤を比較すると罹患率に有意差(p<0.05)が見られた。補剤の十全大補湯を内服していた8例では2例のみの罹患であった。日常の健康管理上、補剤の投与が障害児・者の集団感染予防に役立つ可能性が示唆された。補剤と免疫賦活機能についても若干の考察を加えた。(著者抄録)
 

2008035934
医中誌Web
静岡県におけるアマンタジン耐性A型インフルエンザウイルス出現状況
Source:静岡県環境衛生科学研究所報告(1343-246X) 49号 Page13-16(2007.08)
Author:三輪好伸(静岡県環境衛生科学研究所 微生物部), 足立聡, 稲吉恵, 杉枝正明, 増田高志
Abstract:2003/2004から2005/2006シーズンに分離したA型インフルエンザウイルス分離株について、ダイレクトシークエンス法によるアマンタジン耐性出現状況の推移を調査した。2003/2004は3.4%、2004/2005は23.4%、2005/2006は100%と劇的な変化を示した。アマンタジン耐性株はM2蛋白イオンチャンネル膜通過部位の26、27、30、31、34位アミノ酸に相当するコドンに塩基置換を認めるが、今回の耐性株全てが31位のセリンからアスパラギンに置換された。これは2005/2006シーズンの米国CDCの調査と同じ結果を示し、世界的にアマンタジン耐性株が流行しているものと考えた。
 

2008035906
医中誌WebPierOnlineMedical e-hon
【ICTがおさえておきたい感染症対策2007】 おさえておきたい新型インフルエンザ
Source:INFECTION CONTROL(0919-1011) 16巻10号 Page944-948(2007.10)
Author:鯉渕智彦(東京大学医科学研究所先端医療研究センター 感染症分野)
Abstract:(1)新型インフルエンザとして世界的流行(パンデミック)を起こすのはA型インフルエンザウイルスである。(2)現時点で新型インフルエンザに変異する可能性が最も危惧されているのは、H5N1鳥インフルエンザウイルスであるが、今のところヒト-ヒト間での感染はない。(3)患者が発生していない現時点では新型インフルエンザの感染経路は不明であり、感染対策に関する厳密な根拠は存在しない。つねに最新の流行状況を把握しておくことが大切である。(著者抄録)
 

2008028041
医中誌WebMedical e-hon
日本の新型インフルエンザ対策の問題点
Source:インフルエンザ(1345-8345) 8巻4号 Page317-322(2007.10)
Author:菅谷憲夫(神奈川県警友会けいゆう病院 小児科)
Abstract:日本の新型インフルエンザ対策では、抗ウイルス薬の備蓄不足やワクチン供給の遅れなど重要な課題が未解決のまま残されている。外出禁止や食糧備蓄などの感染拡大防止対策を国民に呼びかける前に、十分量のノイラミニダーゼ阻害薬を確保し、迅速なワクチン生産体制を整備すべきである。(著者抄録)
 

2008021969
医中誌Web
家禽ペスト(高病原性鳥インフルエンザ)
Source:Virus Report(1349-6956) 3巻2号 Page83-89(2006.11)
Author:村本裕紀子(東京大学医科学研究所 ウイルス感染分野), 河岡義裕
Abstract:H5およびH7亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが引き起こす家禽類に致死的な伝染病"高病原性鳥インフルエンザ"は、その致死率の高さから、かつては"家禽ペスト"とよばれていた。本稿では、家禽ペストの歴史から、家禽において当ウイルスが示す病原性発現メカニズムについて概説する。また、60年以上も前に、わが国ですでに発表されていたネコ感染例についても紹介したい。(著者抄録)
 

2008021960
医中誌Web
スペイン風邪病因の解明
Source:Virus Report(1349-6956) 2巻2号 Page96-100(2005.11)
Author:新矢恭子(鳥取大学農学部附属鳥由来人獣共通感染症疫学研究センター), 河岡義裕
Abstract:スペイン風邪は、1918年から翌年にかけて世界的に流行したH1N1型のA型インフルエンザウイルス感染症である。全世界的には死者数2,000万〜4,000万人、日本においてもおよそ2,500万人が感染し、38万人が死亡したといわれている。私たちはリバースジェネティクス法を用いて、スペイン風邪ウイルスの赤血球凝集素(HA)および/またはノイラミニダーゼ(NA)を有する人工ウイルスを作成し、病原性に関わる因子の一つとして、ウイルスの赤血球凝集素(HA)蛋白質の関与を明らかにした。(著者抄録)
 

2008008041
医中誌Web
感染症発生動向調査事業における宮崎県の患者発生状況 平成18年(2006年)
Source:宮崎県衛生環境研究所年報(0917-3331) 18号 Page37-45(2007.08)
Author:塩山陽子(宮崎県衛生環境研究所), 山本正悟, 河野喜美子
Abstract:「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」で定められた86疾患を調査対象とし、平成18年(2006年)の患者発生状況をまとめた。5類感染症のうち、定点把握疾患のインフルエンザと小児科対象疾患の報告総数は、前年の95%及び例年の105%とあまり大きな変化はみられなかった。しかし、咽頭結膜熱、伝染性紅斑、流行性耳下腺炎の報告は非常に多く、流行の年であった。RSウイルス感染症、伝染性紅斑、流行性耳下腺炎では、特定地域に偏った大きな流行が発生しており、感染症の流行に地域差が見られた年でもあった。急性出血性結膜炎の報告数は前年の約4.5倍と多かったが、この増加は前年の報告が少なかったためであった。性感染症の報告総数は、減少傾向がみられた前年とほぼ同数、例年の約8割と減少はしたが、全国と比べると多い状況であった。
 

2007341671
医中誌Web
【ウイルス研究の現在と展望】 ウイルス病原性発現の分子機構 インフルエンザウイルスの病原決定因子
Source:蛋白質・核酸・酵素(0039-9450) 52巻10号 Page1237-1241(2007.08)
Author:八田正人(米国), 河岡義裕
Abstract:インフルエンザは、毎年冬季に流行するわれわれには馴染み深い呼吸器感染症である。しかし、インフルエンザウイルスは時として数年から数十年おきに世界的大流行(パンデミック)をひき起こし、多数の死者を出す恐ろしい病原体感染症である。これまでに、スペイン風邪、アジア風邪また香港風邪などのパンデミックが発生し、多くの死者を出した。また最近では、H5N1高病原性トリインフルエンザがアジア諸国で猛威をふるっており、いつ何時このH5N1高病原性トリインフルエンザウイルスによりパンデミックが起こってもおかしくない状況にある。なぜ、インフルエンザウイルスには、そのように強い病原性を示すものがあるのか?また、それにかかわる因子や病原性発現のメカニズムとはいったい何であろうか?本稿では、高い病原性を発揮するために必要とされるインフルエンザウイルス側の因子について概説する。(著者抄録)
 

2007341595
医中誌Web
インフルエンザと二次感染病原細菌の関係について(特に肺炎球菌を中心に) 新型インフルエンザをも見据えて
Source:Virus Report(1349-6956) 4巻1号 Page116-128(2007.06)
Author:松本慶蔵(長崎大学)
Abstract:現在鶏や七面鳥間に、日本、韓国、中国、東南アジア、中近東、欧州、アフリカに感染伝播率の高い致死的感染症を惹起している高病原性H5N1A型インフルエンザ感染症と、このウイルスの感染を直接うけて発症した極めて少ないヒトH5N1感染症とは致死率は高いものの本質的に異っていることを指適した。さらに、ヒトからヒトへ高率伝播を予想される新型インフルエンザの病像は、高病原性H5N1トリインフルエンザウイルスヒト直接感染症の病像とは、著明に異なるであろうと推測している。さらに来るべき新型インフルエンザに今日凝せられているスペインかぜの米国での死因は、主に二次的細菌性肺炎による死亡であり、特に肺炎球菌が注目されたと報告されている。現在何故にインフルエンザにおいて、肺炎球菌が主要な病原菌として重要であるかのメカニズムを詳細に記載したが、インフルエンザウイルスのneuraminidaseの二次感染に果す役割も指適した。以上の諸事実から新型インフルエンザ対策として、抗インフルエンザ率の適切な使用(予防も含めて)、肺炎球菌ワクチンのより広範な接種の推進、及び二次感染症に対する適切な抗菌性化学療法の施行が必要なのである。新型インフルエンザワクチンの早期産生と接種が重要である事は論をまたない。(著者抄録)
 

2007338881
医中誌Web
横浜市におけるインフルエンザの流行(2005年11月〜2006年5月)
Source:横浜市衛生研究所年報(0912-2826) 45号 Page57-62(2006.12)
Author:川上千春(横浜市衛生研究所 検査研究課), 百木智子, 七種美和子, 野口有三, 佐々木一也, 鳥羽和憲
Abstract:2005/2006シーズンに定点調査で把握したインフルエンザ患者数は23300人で、昨シーズンの37707人を下回り、1999/2000シーズンの20217人とほぼ同等であった。シーズン中の患者数の推移をみると、12月下旬から増えはじめ、1月にピークとなっていた。集団かぜは132施設47学級で発生しており、中規模な流行であった。定点ウイルス調査では主にAH1N1型とAH3N2型が分離され、AH3N2型は1月、AH1N1型は2月に流行のピークがみられた。また、4月と5月の検体からB型ウイルスが分離された。AH1N1型ウイルスの抗原性状は、ワクチン株であるA/New Caledonia/20/99と類似していた。AH3N2型ウイルスの抗原性状は、今シーズンのワクチン株であるA/New York/55/2004と類似していた。B型ウイルスはVictoria系統のB/Brisbane/32/2002と抗原性状が類似していた。
 

2007338282
医中誌Web
当院におけるインフルエンザ患者の臨床的検討 2004/2005,2005/2006シーズン
Source:感染症学雑誌(0387-5911) 81巻4号 Page435-440(2007.07)
Author:小橋吉博(川崎医科大学 呼吸器内科), 毛利圭二, 矢木真一, 尾長谷靖, 福田実, 吉田耕一郎, 宮下修行, 岡三喜男
Abstract:2004/2005年および2005/2006年の2シーズンにかけて,川崎医科大学附属病院にインフルエンザ様症状を主訴に2,399例,2,171例が受診した.このうち16歳以上で血清学的には2004/2005シーズンが366例(A:86例,B:280例),2005/2006シーズンは372例(A:370例,B:2例)が陽性であった.流行状況は,2004/2005シーズンが最初にBが流行していたのに対して,4月以降はA(H3N2)が流行していた.一方,2005/2006シーズンはA(H3N2)のみが流行していた.2シーズン間,インフルエンザウイルスの流行株間で合併症の頻度や種類がわずかに異なっていたものの有意差はみられなかった.インフルエンザワクチンは,2シーズンともに20%前後の患者で接種歴があったにもかかわらず発症していたが,予後は比較的良好であった.(著者抄録)
 

2007332968
医中誌Web
2005年度の北海道におけるインフルエンザの疫学調査
Source:北海道立衛生研究所報(0441-0793) 56号 Page75-78(2006.11)
Author:伊木繁雄(北海道立衛生研究所), 地主勝, 佐藤千秋, 長野秀樹, 奥井登代, 岡野素彦
Abstract:2005年度の北海道におけるインフルエンザの疫学調査について報告した。道内の10保健所管内から167件のインフルエンザ様疾患患者のウイルス分離用検体(咽頭ぬぐい液34件、鼻汁132件、うがい液1件;検体)が送付された。2000年度以降の道内におけるインフルエンザの流行は、2004年度を除き小規模に推移した。これは、ワクチン接種率の向上を始め、抗インフルエンザ薬による早期治療が功を奏しているものと考えられた。平成18年度はB型ウイルスの流行に対するワクチン効果は期待できなかったが、A型ウイルスに対しては十分な効果があったことが推測された。
 

2007312302
医中誌Web
2005年度の日本脳炎、インフルエンザ、風疹、麻疹感染症流行予測調査の概要
Source:三重県科学技術振興センター保健環境研究部年報(1346-9517) 8号 Page111-115(2007.02)
Author:矢野拓弥(三重県津保健福祉事務所), 中野陽子, 赤地重宏, 岩出義人, 山内昭則, 杉山明
Abstract:三重県における2005年度のブタ血清中の日本脳炎ウイルス(JEV)、及びヒト血清中のインフルエンザウイルス・風疹・麻疹の抗体調査を報告した。JEVに対する赤血球凝集抑制(HI)抗体を保有しているブタは、8月3日時点では44%(25頭中11頭)であり、7頭(64%)から2-Mercaptoethanol感受性抗体を検出した。また、ブタ100頭全てから、インフルエンザウイルスは分離されなかった。インフルエンザ流行期前のHI抗体保有率は、0〜14歳は上昇傾向にあり、その後は加齢と共に減少した。風疹HI抗体保有率は83.8%であった。麻疹PA抗体保有率は96.8%であった。新型インフルエンザの監視、乳児から学童期にあたる年齢層におけるインフルエンザ流行前の免疫状況の把握、妊娠可能年齢女性への風疹予防接種の啓蒙が必要だと思われた。
 

2007304755
医中誌WebMedicalOnline
愛知県においてインフルエンザ定点医療機関から寄せられたコメント症例数集計の意義
Source:現代医学(0433-3047) 54巻3号 Page477-483(2007.03)
Author:長谷川総一郎(愛知県江南保健所), 宮崎豊, 森川保二, 広瀬かおる, 櫻井博貴, 續木雅子
Abstract:愛知県が行っている2004/05シーズンと2005/06シーズンのコメント症例数集計について詳細に分析した。インフルエンザ定点医療機関から県内各保健所を経由して寄せられた型別発症数の推移と地域差について検討を行うとともに感染症発生動向調査事業との相関について両シーズンに愛知県が行ったコメント症例数の集計結果は、全国規模調査の調査結果による報告と、流行状況がピーク週の時期および多数を占めた型との比率という両面で近似した。2005/06シーズンにおける愛知県のコメント症例数の集計は感染症発生動向調査による患者報告数との相関が高く、しかも当疾患の流行状況を発生動向調査よりも早期に知るpilot studyとしての意義が存在した。
 

2007301723
医中誌Web
2006年6〜7月期に介護老人保健施設で多発したウィルス感染と考えられる発熱患者の考察 アルコール手指消毒の再検討
Source:愛媛医学(0286-3677) 26巻2号 Page184-188(2007.06)
Author:河野秀久(介護老人保健施設たんぽぽ), 篠原洋伸
Abstract:著者等の施設は居室数80床の介護老人保健施設(入所者97名、平均84.5歳、平均介護度指数3.1)で、2006年6〜7月に感染症と考えられる高熱患者が多発した原因及びその対応について検討した。その結果、入所者97名中31名に発熱者を認め、発熱者で咳や鼻汁などの気道炎症状を呈した症例は半数以下であったが、肺炎を合併した10例でも40%は気道炎症状が不明瞭であった。不十分な検査結果ではあるがアデノウイルス・エンテロウイルス・コクサッキーウイルスなどが検出されており、「いわゆる夏かぜウイルス」がその原因ではないかと考えられた。この時期に愛媛県下では例年より多くの咽頭結膜熱やヘルパンギーナが報告されており、施設の隣接地区でも咽頭結膜熱が流行していたことから、施設外の流行地区からウイルスが搬入されたものと考えられた。対応策としてはアルコール手指消毒ではウイルスに対する効果が比較的低いと判断して液体石鹸と流水による手洗いに変更し、環境消毒には適時次亜塩素酸を併用した。ウイルスの施設内に搬入しないための対策強化を決定し周知を図ることによりその後の発熱者は減少した。以上より介護施設の感染予防対策はこれまで医療機関のマニュアルをそのまま流用した感が強いが、介護施設では入所者との接触の程度や問題となる病原体も医療機関とは異なる点が多く、感染病原体の搬入阻止対策がより重要と考えられた。
 

2007290777
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
政策 わが国の新型インフルエンザ対策はどこまで進んでいるか
Source:インフルエンザ(1345-8345) 8巻3号 Page229-241(2007.07)
Author:平山隆則(厚生労働省健康局 結核感染症課), 正林督章, 三宅智
Abstract:新型インフルエンザ発生への警戒感が世界的にも高まり、日本においても政府を挙げて取り組みが進められている。平成17年11月にはWHOのフェーズに応じた対応を示した「新型インフルエンザ行動計画」を策定し、内閣官房を中心として関係省庁が連携・協力して対策や訓練を政府一体となって進めているところである。さらに本年3月にはインフルエンザ対策専門家会議においてフェーズ4以降について「早期対応戦略ガイドライン」「検疫ガイドライン」「個人及び一般家庭等におけるガイドライン」「医療体制におけるガイドライン」等13のガイドラインがとりまとめられたところであり、これらを中心にわが国の新型インフルエンザ対策について解説する。(著者抄録)
 

2007290776
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
公衆衛生 H5N1ワクチン プレパンデミックワクチンの有用性
Source:インフルエンザ(1345-8345) 8巻3号 Page223-228(2007.07)
Author:来海和彦(化学及血清療法研究所菊池研究所 第二研究部第三研究室), 工藤康博, 城野洋一郎
Abstract:始まりは10年前、1997年5月香港である。当時、ワクチンメーカーはH5亜型インフルエンザワクチンを"モックアップワクチン"と称し、開発を開始した。それは、"プロトタイプワクチン"に改名され、ついに"プレパンデミックワクチン"と呼ばれるに至った。名前の変遷は、試作ワクチンの10年にわたる試行錯誤を経て、ようやくヒトに投与できる段階にきたことを語っている。本稿では、プレパンデミックワクチンの有用性について、ヒトにおける免疫応答とドリフト株に対する交差防御について解説したい。また、ワクチン製造のプロセスを説明し、ワクチン供給の側からみたプレパンデミックワクチンの必要性について論じる。(著者抄録)
 

2007290772
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
基礎 H5N1鳥インフルエンザ 最近の話題
Source:インフルエンザ(1345-8345) 8巻3号 Page197-201(2007.07)
Author:村本裕紀子(東京大学医科学研究所 感染・免疫部門ウイルス感染分野), 河岡義裕
Abstract:H5N1鳥インフルエンザの流行が止まらない。2003年以降、アジア全域で猛威を振るったH5N1ウイルスは、近年、ヨーロッパやアフリカへも感染を拡げた。家禽の感染による経済的な被害もさることながら、ときにはヒトにも感染し、犠牲者を確実に増やしている。高病原性鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染分子機構が明らかになるにつれ、わずかな変異が鳥インフルエンザウイルスをパンデミックウイルスへと変貌させる危険性があることがわかってきた。進化を続けるH5N1ウイルスの流行状況と性状を把握することが新型ウイルス対策としても重要である。(著者抄録)
 

2007271635
医中誌Web
2005/06年シーズンのインフルエンザ診療 外来患者におけるワクチン接種の有用性
Source:大分県医学会雑誌(0288-5069) 25巻1号 Page24-27(2007.03)
Author:工藤欣邦(川崎内科), 川崎紀則, 藤岡利生
Abstract:2005/06年シーズン(05-06シーズン)におけるインフルエンザ診療につき報告した。05-06シーズンのインフルエンザは、2004/05年シーズンより1ヵ月以上流行が早く、A型が主流であった。当院での患者数のピークは、2006年第3週であったが、最終の患者が第22週に来院しており、5月末まで散発的な流行がみられた。インフルエンザ確定例のうち、インフルエンザワクチン(ワクチン)の接種を受けたにもかかわらず罹患していた患者が33.6%みられた。慢性疾患にて定期的な通院を要する外来患者におけるワクチンの有効性を検討したところ、接種群は非接種群と比較してインフルエンザの罹患率が有意に低く、慢性疾患を有する外来患者におけるインフルエンザ対策として、ワクチンの有効性が示唆された。(著者抄録)
 

2007250192
医中誌Web
沖縄県におけるインフルエンザ発生動向について
Source:沖縄県衛生環境研究所報(1341-0636) 40号 Page129-132(2006.12)
Author:賀数保明(沖縄県衛生環境研究所), 下地実夫, 平良勝也
Abstract:感染症発生動向調査事業にかかわる2004年ならびに2005年におけるインフルエンザの発生動向について報告した。1)2005年の流行は2004年よりも規模が大きく、年間報告件数は2004年の2倍以上に増加し、過去10年で2番目に大きな流行となった。また、2004年と比較して、流行開始の時期、峰の先鋭度、2度の峰形成等で差異がみられた。2)保健所別では2004年、2005年とも南部が最多であった。また、年齢別では、2005年は2004年に比べて年齢によってばらつきが多い結果となった。3)病原体検出では、2004年はAH1型2株、AH3型41株、B(山形系統)型1株、B(ビクトリア系統)型6株の計50株が分離された。一方、2005年はAH3型38株、B(山形系統)型11株の計49株が分離され、AH1型B(ビクトリア系統)型は分離されなかった。尚、2005年は夏季にA型株が17株分離され、2004年の3株より多かった。
 

2007226661
医中誌WebMedicalOnline
2001/02年以降の5シーズンにおけるインフルエンザの検討
Source:小児科臨床(0021-518X) 60巻6号 Page1179-1187(2007.06)
Author:志水哲也(志水こどもクリニック), 杉浦壽康, 山川毅, 平谷良樹
Abstract:2001/02年シーズン以降5シーズンのインフルエンザにつき検討した。最も早い流行のピークは2002/03年、最も遅いピークは2004/05年であった。特に2004/05年は、A,B両型に二度罹患した例も多く、5年間で最多、最長の流行であった。A香港型は5シーズンすべてに分離され、Aソ連型は2001/02年、2005/06年のみに分離された。B型は、2001/02年、2002/03年に小さな流行が、2004/05年に大きな流行を示した。ワクチンについては、聞き取り調査による非接種群と接種群の罹患率に有意差があり、有効性が認められた。流行株がワクチン類似株であった2001/02年の有効率が最も高く、A型に限るとさらに高率であった。B型では有効性を認めなかった。A型インフルエンザにおける平均発熱期間は、リン酸オセルタミビル投与群では非投与群に比し著明な短縮がみられた。B型におけるリン酸オセルタミビル投与群およびA型におけるアマンタジン投与群は、A型におけるリン酸オセルタミビル投与群と非投与群との中間であった。発熱期間に対してのワクチン効果は認められなかった。異常行動のみられた1例を提示した。(著者抄録)
 

2007222832
医中誌WebMedicalOnline
【波及・深化する糖鎖研究 糖鎖のもつ多彩な機能の解析と疾患研究に与えるインパクト】 免疫・感染 インフルエンザウイルス感染におけるスパイク糖タンパク質とシアロ複合糖質の役割
Source:実験医学(0288-5514) 25巻7号 Page936-942(2007.05)
Author:鈴木隆(静岡県立大学 薬学部機能生命科学大講座生体分子薬学分野), 高橋忠伸, 左一八
Abstract:インフルエンザA型ウイルス粒子表面には、シアロ糖鎖受容体へ結合するヘマグルチニン(hemagglutinin:HA)と受容体の破壊酵素(シアリダーゼ)活性をもつノイラミニダーゼ(neuraminidase:NA)と呼ばれる2種類のスパイク糖タンパク質が存在する。HA糖タンパク質やNA糖タンパク質の立体構造が解明され、ウイルスゲノム遺伝子配列が容易に比較解析できるようになった現在においても、ウイルスの増殖性や病毒性にスパイク糖タンパク質がどのように関わっているのかまだよくわかっていない。本稿では、パンデミックウイルスと高病原性トリインフルエンザウイルスの研究から判明したスパイク糖タンパク質の機能とインフルエンザウイルス感染における複合糖質の役割について述べる。(著者抄録)
 

2007222736
医中誌WebMedicalOnline
鳥インフルエンザとパンデミック
Source:炎症と免疫(0918-8371) 15巻3号 Page372-377(2007.04)
Author:伊藤壽啓(鳥取大学農学部附属鳥由来人獣共通感染症疫学研究センター)
Abstract:2003年以降、東南アジアにおいて広範な流行をくり返してきた鶏の高病原性鳥インフルエンザは完全な終息が望めない状況のまま、今度はヨーロッパからアフリカへと拡大し、いまや世界的流行の様相を呈している。本病の主たる伝播経路は貿易活動などの人為的な鳥や物の移動であると考えられているが、2005年にはガンやハクチョウなどの野鳥における流行がアジア・ヨーロッパ各地で報告された。一方、本ウイルスが人に直接感染して死亡するケースもまた東南アジアを中心に徐々に増え続け、世界保健機構(WHO)は人に適応した新型ウイルス出現の可能性が高まっていると警鐘を鳴らしている。(著者抄録)
 

2007221714
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
公衆衛生 平成19年1月31日版「新型インフルエンザに関するガイドライン(フェーズ4以降)(案)」について
Source:インフルエンザ(1345-8345) 8巻2号 Page145-150(2007.04)
Author:西村秀一(国立病院機構仙台医療センター 臨床研究部病因研究室)
Abstract:1月19日、厚生労働省が新型インフルエンザ専門家会議にフェーズ4以降のガイドラインの原案を提示し、その後1月31日、それを新型インフルエンザに関するガイドライン(フェーズ4以降)(案)としてパブリックコメント募集に載せた。これについて、紹介がてら若干の解説をし、筆者の感想を述べる。読者の皆様にも、ぜひ読んでいただきたい。(著者抄録)
 

2007221711
医中誌WebMedicalOnlineMedical e-hon
診断 鳥インフルエンザ(H5N1)の診断基準
Source:インフルエンザ(1345-8345) 8巻2号 Page125-131(2007.04)
Author:川名明彦(国立国際医療センター国際疾病センター 特別疾病征圧班)
Abstract:鳥インフルエンザウイルスA/H5N1亜型によるヒト感染例は世界10ヶ国から260余名が報告されているが、今後効率よくヒト-ヒト感染する能力を獲得し、パンデミック株ウイルスに変異してゆくことが懸念されている。感染封じ込めと治療のためには、早期発見のための報告体制が必要である。H5N1を早期に診断し報告するためには診断基準(症例定義)が必要である。H5N1感染症はまだ症例数が少ないため診断基準の作成はまだ途上にあるといえるが、本稿ではWHO、日本の厚生労働省、米国保健福祉省によるH5N1の診断基準を紹介する。インフルエンザ様症状を呈す患者を診た場合、これらの診断基準も念頭に置くことが重要である。(著者抄録)
 

2007205332
医中誌Web
感染症流行予測調査事業におけるインフルエンザ感受性調査概要(平成17年度)
Source:佐賀県衛生薬業センター所報(0285-6077) 29号 Page114-118(2007.03)
Author:平野敬之(佐賀県衛生薬業センター 微生物課), 増本久人, 坂本晃子, 真茅美樹, 舩津丸貞幸
Abstract:平成17年度感染症流行予測調査事業の一環として、人の流行前インフルエンザウイルス抗体保有状況調査(感受性調査)を実施した。2004/05シーズンの国内での流行はB型とA香港型、Aソ連型の混合流行であった。数年流行がなかったにもかかわらず14歳以下の年齢群で抗体保有率が高かったが、15〜19歳群や20〜29歳群、50歳以上の年齢群では抗体保有率が低く注意が必要であった。B型は、2004/05シーズンは山形系統株が国内分離株の99%を占め、そのうち97%はワクチン株であるB/Shanghai/361/2002類似株であった。十分な免疫を獲得するためにも毎シーズンのワクチン接種や日常的な予防対策等が望まれた。
 

2007205331
医中誌Web
感染症流行予測調査事業におけるインフルエンザ感受性・感染源調査概要(平成16年度)
Source:佐賀県衛生薬業センター所報(0285-6077) 29号 Page108-113(2007.03)
Author:平野敬之(佐賀県衛生薬業センター 微生物課), 増本久人, 坂本晃子, 馬場喜壽
Abstract:平成16年度感染症流行予測調査事業の一環として、人の流行前インフルエンザウイルス抗体保有状況調査(感受性調査)および新型インフルエンザウイルスの出現を想定したブタの感染源調査を実施した。2003/2004シーズンの流行はA香港型が全体の95%を占め、残り5%がB型の混合流行であった。今回の佐賀県の調査では、4歳以下と成人層が抗体保有率が低く注意が必要であった。今年のワクチン株とは異なるビクトリア系統株に関しては全年齢層で低く、B型インフルエンザの流行には注意が必要であった。新型インフルエンザウイルスの出現を想定したブタの感染源調査では、1頭が陽性反応を示し、HgN2型の類似株に感染していた可能性が示された。
 

2007192109
医中誌Web
平成17年度感染症流行予測調査結果
Source:群馬県衛生環境研究所年報(1340-265X) 38号 Page53-61(2006.10)
Author:池田美由紀(国立感染症研究所), 丸山和美, 塩原正枝, 高原力也, 森田幸雄, 木村博一
Abstract:平成17年度感染症流行予測調査事業におけるインフルエンザ、日本脳炎、風疹、流行性耳下腺炎と麻疹の感受性調査の結果を報告した。100頭の豚の鼻腔拭い液でインフルエンザウイルスの分離を試みたが、分離することはできなかった。インフルエンザウイルスの患者報告数は、前シーズンに比べピーク時では約2倍の報告数となり4月を過ぎても流行が続いた。日本脳炎のHI抗体保有状況は、0〜19歳の年齢層で高い保有率を保持し、40歳歳代が最も低下傾向を示した。風疹のHI抗体保有状況では、全体的に感受性者が多く存在することが推定された。流行性耳下腺炎の抗体陽性率は0〜4歳が20.0%、5〜9歳で77.88%、10〜14歳で77.0%、15〜19歳で76.0%、全対象では70.8%であった。麻疹の抗体保有状況は、0〜4歳を除き、各年代とも高率に抗体を保有した。
 

2007161522
医中誌Web
滋賀県におけるインフルエンザの流行について(2005/2006年シーズン)
Source:滋賀県衛生科学センター所報(1880-4519) 41巻 Page35-40(2006.12)
Author:大内好美(滋賀県衛生科学センター), 田中千香子, 長谷川嘉子, 吉田とも江, 井上朋宏
Abstract:2005/2006年シーズンにおける滋賀県のインフルエンザ流行状況、ウイルス分離状況および感染症流行予測調査結果について報告した。0〜69歳のインフルエンザ患者107例の咽頭ぬぐい液を検体とした。さらに、インフルエンザ脳炎、急性脳炎(疑いを含む)および意識障害等の重症患者5例の咽頭ぬぐい液5件を検体とした。インフルエンザの流行は、AH1型、AH3型およびB型の3型の流行がみられ、主流はAH3型であった。過去10年間の流行シーズン別定点あたり総患者数から見ると、2005/2006年シーズンは中規模な流行であった。
 

2007146200
医中誌WebPierOnline
【変わりつつある感染対策】 開発途上国におけるアウトブレイクレスポンス インフェクションコントロールの現状と問題点
Source:最新医学(0370-8241) 62巻2号 Page275-281(2007.02)
Author:大石和徳(大阪大学微生物病研究所感染症国際研究センター), 國島広之, 賀来満夫
Abstract:インフェクションコントロールは医療施設における感染症アウトブレイクの対応に不可欠である.開発途上国では,アウトブレイク発生現場のリスクアセスメント,リスクコミュニケーション,ガイドラインの制定,サーベイランスシステム構築,教育と職業化の推進,個人防護装具の供給が必要であるが,実務には多くの障壁がある.また,各国の緊急時の対応の予備能力促進やWHOとの協調性を維持するためにも世界保健規則の改正が待たれる.(著者抄録)
 

2007146198
医中誌WebPierOnline
【変わりつつある感染対策】 新型インフルエンザ対策
Source:最新医学(0370-8241) 62巻2号 Page262-267(2007.02)
Author:高橋和郎(大阪府立公衆衛生研究所 感染症部)
Abstract:新型インフルエンザ対策で重要な点は,その規模や致死率を予測できないが,個人防衛とともに社会機能の損傷をできるだけ最小限にすることである.すなわち,我が国において流行初期段階で迅速な診断,隔離,適切な化学療法,有効な感染防止策を用い,パンデミックワクチンの産生が完了するまで第1波の流行を最小限に抑制することである.そのためには,現在各地域において実効性のある具体的対策を早急に確立する必要がある.(著者抄録)
 

2007144089
医中誌Web
急性呼吸器感染症(ARI)の今日的視点
Source:感染・炎症・免疫(0387-1010) 36巻4号 Page266-273(2006.12)
Author:大石和徳(大阪大学微生物病研究所感染症国際研究センター)
Abstract:我々は乳幼児の鼻咽腔の病原性菌の定着と肺炎発症との相関を明らかにした。また、呼吸器ウイルス感染と鼻咽腔細菌叢との細菌性肺炎の関連性が示唆される。発展途上国における乳幼児の肺炎予防戦略として肺炎球菌コンジュゲートワクチンが期待されている。2006年10月末時点で、ヒトのH5N1鳥インフルエンザ感染者は世界で10ヵ国から報告され、総数256例、その致命率は59.5%と極めて高い。致命例においては高いウイルス血症、サイトカイン血症が認められ、急速な呼吸不全を含む多臓器不全への進展が認められている。現時点では鳥-ヒトが主要な感染経路であり、ヒト-ヒト感染は限定的である。今後のインフルエンザパンデミック発生に対する警戒が必要である。(著者抄録)
 

2007144006
医中誌Web
2005/2006シーズンの山梨県におけるインフルエンザの流行
Source:山梨県衛生公害研究所年報(0915-437X) 49号 Page38-42(2006.11)
Author:山上隆也(山梨県衛生公害研究所), 原俊吉, 小澤茂, 小松史俊, 武井治朗, 若尾朗, 井上利男, 高塚明
Abstract:2005年11月から2006年5月(2005/2006シーズン)の山梨県におけるインフルエンザの流行状況とインフルエンザウイルスの分離成績、インフルエンザ感受性調査結果について報告した。50歳以上の年齢層では抗体保有率は低く、インフルエンザウイルスB型(ビクトリア系)に対しては全年齢層で抗体保有率は極めて低かった。分離したインフルエンザウイルスはA(H3)型、A(H1)型、B型で、シーズン前半はA(H3)型、後半はA(H1)型とB型の検出数が多かった。A(H1)型、A(H3)型はワクチン株類似株、B型はワクチン株とは異なるビクトリア系統株の流行であった。
 

2007142916
医中誌Web
奈良県で2001〜02年から2004〜05年に分離されたアマンタジン耐性インフルエンザA型ウイルスの頻度(Frequency of Amantadine-Resistant Influenza A Virus Isolated from 2001-02 to 2004-05 in Nara Prefecture)
Source:Japanese Journal of Infectious Diseases(1344-6304) 59巻3号 Page197-199(2006.06)
Author:KitahoriYoshiteru(奈良県保健環境研究センター), NakanoMamoru, InoueYumiko
Abstract:2001〜02年から2004〜05年の4疫学期にわたり、奈良県におけるアマンタジン耐性インフルエンザA型ウイルスの頻度について調査した。M2遺伝子内の点突然変異はRT-PCRおよびDNAシーケンス分析法により確認した。分析した145株から点突然変異を伴うウイルス5株を見出した。ウイルス3株が31位(AGT→AAT、SerからAsn)、1株(0.7%)は26位(CTT→TTT、LeuからPhe)、他の1株は27位(GTT→ATT、ValからIle)に変化がみられ、いずれのウイルスも30位に変化がみられなかった。これらすべての変化は突然変異の転移型であった。結果から、奈良県における薬剤耐性ウイルスの循環の可能性は、2004〜05年期に得られた所見によって裏付けられないことが示された。
 

2007135786
医中誌Web
長崎県におけるインフルエンザの疫学調査(2005年度)
Source:長崎県衛生公害研究所報(0914-0301) 51号 Page100-103(2006.11)
Author:中村まき子(長崎県衛生公害研究所), 吉川亮, 平野学, 原健志, 村上正文
Abstract:厚生労働省の感染症流行予測事業に併せてインフルエンザ流行予測調査の一環として、流行状況を把握する目的で疫学調査を実施した。インフルエンザ様疾患の疑いで搬入された検体は96検体で、A香港型23株、Aソ連型3株、B型3株を分離した。集団発生事例は3施設を検査し、B型を1例から分離した。インフルエンザの流行は、ウイルスの分離比が、A香港型79.3%、Aソ連型10.3%、B型10.3%で3種類のウイルスの混合型であった。インフルエンザウイルスの分離率の低下に伴い、検体採取方法などの検討時期にきていると推察された。
 

2007134839
医中誌WebMedicalOnline
アマンタジン耐性ウイルスの疫学
Source:インフルエンザ(1345-8345) 8巻1号 Page49-56(2007.01)
Author:齋藤玲子(新潟大学 大学院医歯学総合研究科国際感染症医学講座公衆衛生学分野), 李丹娟, 鈴木康司, 鈴木宏
Abstract:2005年よりアマンタジン耐性A/H3N2の流行がアジアを中心に世界各地でみられている。われわれは、2005〜2006年日本の各地で調査を行い当該シーズンのA/H3N2株の約6割がM2遺伝子の31位アミノ酸変異(S31N)をもつ耐性株であることを見出した。このS31N変異株はHA遺伝子に特徴的なアミノ酸変異(S193F,D225F)を伴っていた。同様の所見は他地域の株からもみつかっており、この特殊な株が従来のアマンタジン耐性株より高い伝播力を獲得し世界中に広がったと考えられる。(著者抄録)
 

2007134837
医中誌WebMedicalOnline
H5N1ウイルスの世界的拡がり
Source:インフルエンザ(1345-8345) 8巻1号 Page35-40(2007.01)
Author:伊藤壽啓(鳥取大農学部附属鳥由来人獣共通感染症疫学研究センター 分子疫学研究部門)
Abstract:1996年、中国広東省のガチョウ農場で分離されたH5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルスは、翌1997年、香港において初めてニワトリからヒトに直接伝播し、世界の注目を集めた。2003年には中国福建省において再びヒトへの感染例が報告され、さらにタイやベトナムなど東南アジア諸国を中心として家禽類に広範な流行を引き起こした。一部の国々では今なお完全な終息が望めない状況のまま、さらにヨーロッパからアフリカへと感染範囲が拡大し、今や世界的流行の様相を呈している。ヒトへの感染例もまた家禽の流行に付随してアジアを中心に徐々に増加し、今や世界はいつヒトに適応した新型ウイルスが出現してもおかしくない状況に至っている。(著者抄録)
 

2007132936
医中誌Web
感染症発生動向調査に伴うウイルス検査成績(平成17年度)
Source:熊本県保健環境科学研究所報(1341-6480) 35号 Page70-72(2006.11)
Author:原田誠也(熊本県保健環境科学研究所), 濱洲大輔, 荒平雄二, 中島龍一
Abstract:熊本県結核・感染症発生動向調査事業要領および熊本県感染症発生動向調査病原体検査実施要領等に基づき、平成17年度に当所(熊本県保健環境科学研究所)に検査依頼のあったウイルス検査の結果を報告した。病原体定点の指定を受けた12医療機関(41.4%)と定点外の1医療機関から合わせて312検体の検査依頼があり、127株のウイルスが分離・検出された。最も多く分離・検出されたのはインフルエンザウイルス(39株。AH3・38株、AH1・1株)で、次いでノロウイルス(36株)、アデノウイルス(25株)などであった。また、疾患別では、感染性胃腸炎(49株)が最も多く、以下、インフルエンザ(40株)、流行性角結膜炎(18株)などであった。
 

2007131775
医中誌WebMedicalOnline
【2006-2007インフルエンザ対策】 インフルエンザ治療薬の薬理と使い方 オセルタミビル
Source:綜合臨床(0371-1900) 55巻12号 Page2864-2870(2006.12)
Author:松本慶蔵(伴帥会愛野記念病院)
Abstract:インフルエンザの予防治療を著しく変貌させたのは第一に1997年末、香港での高病原性鳥インフルエンザの発生と、それより感染したヒト発症例18名と、うち6名の死亡という衝撃的な事実、それに対応する日本の厚生省のアマンタジンの再認可(抗インフルエンザA薬)、それに続く、von Itzsteinがすでに報告(1993年)していたノイラミニダーゼインヒビター;ザナミビルの開発(吸入薬)、それに続く同様作用機作の経口薬オセルタミビルの開発があった。それに刺激され、インフルエンザウイルス迅速診断薬の急速な進歩発展がみられ、インフルエンザへの関心が高まった。上記高病原性鳥インフルエンザは日本へも79年振りに入り、地域によっては鶏に猛威を振るったものの、ヒト感染症の発生はなかった。しかし高病原性鳥インフルエンザはH5N1型を中心に2003年以後急速に東南アジアに伝播し、中国の青海湖では元来水禽に共生していたウイルスは、水禽に病原性を発揮するなどの変異を遂げつつ、中近東、トルコ、アフリカにその感染は鳥類を中心に拡大している。現在ヒトのH5N1A型発症感染死は150名程度であるが、H3N2香港A型ウイルスは1968年以降、大変異せずに流行し、H1N1ウイルスは1977年に出現したものの、1956年頃のウイルスと変わっていないこともあり、H5N1ウイルスがヒトレセプター、SA-α2,6-GALに変異して新型ウイルスに変異する可能性が強く懸念されている。以上、時系列に現状を述べたが、日本ではアマンタジンも、2剤のノイラミニダーゼ阻害薬も世界的に最大数用いられ、迅速診断薬も世界第一に使用されている。筆者はこれまでザナミビルを中心に臨床的研究も進めてきたが、オセルタミビルにも多数の臨床経験をもち、高い関心を持続し、深く文献上も考察しているので、その位置づけを明らかにしながら記述することにする。(著者抄録)
 

2007131765
医中誌WebMedicalOnline
【2006-2007インフルエンザ対策】 鳥インフルエンザと新型インフルエンザの展望
Source:綜合臨床(0371-1900) 55巻12号 Page2813-2818(2006.12)
Author:安井良則(国立感染症研究所感染症情報センター)
Abstract:インフルエンザウイルスの本来の宿主は水禽であり、現在ヒトの間を循環しているいわゆるヒト型インフルエンザはごく一部に過ぎず、地球上に存在するインフルエンザウイルスの大半は鳥インフルエンザウイルスであるといっても過言ではない。しかしながら本稿では、鳥インフルエンザとは1997年に香港における鳥-ヒト感染事例によって初めて鳥インフルエンザウイルスが初めてヒトに感染することを実証し、その後現在はアジア、アフリカ、ヨーロッパの50ヶ国以上の家禽の間にまで拡がり、さらには10ヶ国の200名以上のヒトに感染し、感染発病者の50%以上が死亡しているH5N1インフルエンザウイルスのことを示すこととする。また新型インフルエンザは日本国内でのみ使用されている言葉であり、過去数十年間にヒトが経験していないHAまたはNA血清亜型のインフルエンザウイルスがヒトの間で伝播し、流行を起こしたときと定義されているが、パンデミックフェーズ4以上となったら「新型インフルエンザ」と呼ぶことと定められており、いわゆるインフルエンザ・パンデミック(WHOが定めるところのパンデミックフェーズ)と一致するものではない。本稿では、この「鳥インフルエンザ」の現状についての紹介を行い、合わせて「新型インフルエンザ」、「インフルエンザ・パンデミック」およびその対策についても言及する。(著者抄録)
 

2007108760
医中誌Web
2005/2006年シーズンの札幌市におけるインフルエンザの流行状況について
Source:札幌市衛生研究所年報(0917-0294) 33号 Page99-102(2006.11)
Author:菊地正幸(札幌市衛生研究所), 池田高明
Abstract:2005/2006年シーズンの札幌市におけるインフルエンザの流行状況について報告した。2005年11月30日にインフルエンザウイルスが初めて分離されてから2006年3月20日〜3月26日に2株検出されるまで、シーズン合計で147株が分離された。分離されたウイルス型別の比率は、A香港型が最も多く(45.1%)、次いでAソ連型(34.0%)、昨シーズン最も多く分離されたB型(20.9%)の順であった。このうち、Aソ連型については、抗原的に変異しているウイルスが混在している可能性が考えられた。
 

2007107300
医中誌Web
リアルタイムNASBA法によるインフルエンザH5N1検出キット
Source:Medical Science Digest(1347-4340) 32巻14号 Page619-622(2006.12)
Author:原敬志(日本ビオメリュー 臨床マーケティング本部免疫・遺伝子検査部)
Abstract:現在、東南アジアで流行している鳥インフルエンザの世界的なパンデミックが懸念されている。日本においてはこれまでにヒトへの感染例はないものの、鳥への感染例は複数例報告され、国全体での対応が色々と話し合われており、ガイドラインなども作成されている。実際にヒトへの感染が起こった場合、検査により患者に確実な診断を実施し、可能な限りの隔離入院・抗ウイルス治療を行うために、確実かつ迅速にウイルスを検出する検査キットが必要になるのではないだろうか。そういった世界の流れをくみ、ビオメリューは「ニュークリセンスEasyQインフルエンザH5&N1」キットを開発し、日本においても販売を開始したので、ここに紹介させて頂く。(著者抄録)
 

2007107294
医中誌Web
【インフルエンザの克服に向けて その予防、診断と治療の基盤は今】 インフルエンザの病原性
Source:Medical Science Digest(1347-4340) 32巻14号 Page596-599(2006.12)
Author:角川学士(東京大学医科学研究所 ウイルス感染分野), 河岡義裕
Abstract:東アジアを中心として、西欧やアフリカにかけて高病原性鳥H5N1インフルエンザウイルスの被害が拡大している。2003年にヒトに感染して以降、感染者数は年々増加していき、現在までの死亡者は152人(10月31日現在)にのぼる。鳥インフルエンザウイルスのヒトに対する病原性は、毎冬流行するヒトインフルエンザウイルスのものとはまったく別物である。近年の研究により、高病原性H5N1ウイルスの高病原性発現メカニズムとともに、過去のパンデミックウイルス発生機序が次第に明らかになってきた。それは高病原性鳥H5N1インフルエンザウイルスがパンデミックウイルスに変貌する可能性を強く示唆している。(著者抄録)
 

2007104306
医中誌Web
インフルエンザ流行予測調査
Source:富山県衛生研究所年報(0917-0707) 29号 Page101-106(2006.10)
Author:堀元栄詞(富山県衛生研究所 ウイルス部), 小原真・ , 岩井雅恵, 長谷川澄代, 滝澤剛則, 永井美之, 田中桂子, 朝野芳明, 中澤保文, 米道暁彦, 宮田英喜
Abstract:2005/2006シーズンの富山県におけるインフルエンザ流行予測調査として、ウイルス感受性調査と感染源調査(ウイルス検索)を行った。感受性調査は県内住民295名を対象に、流行期前(6月〜9月)の抗体保有状況を調べた。方法は、ワクチン株4種に対してそれぞれ血球凝集阻止価40倍以上の抗体を保有する人の割合を算出し、結果、A/New Caledonia/20/99(H1N1)株が34.2%、A/New York/55/2004(H3N2)株が41.0%、B/Shanghai/361/2002株(山形系統)が37.6%、B/Hawaii/13/2004株(Victoria系統)が5.8%であった。感染源調査は流行期(12月〜5月)に県内インフルエンザ様患者から採取された121検体についてウイルス検索を行った。結果、分離されたインフルエンザウイルスはAH1型が38株、AH3型が67株、B型が9株で、シーズン前半はAH3型が多く分離され、その後やや遅れてAH1型が分離された。B型はシーズン終盤に分離された。分離株の抗原解析を行ったところ、AH1型とAH3型はワクチン株とほぼ同じ抗原性を示したが、B型はいずれもワクチン株とは抗原性の異なるVictoria系統株であった。
 

2007102221
医中誌Web
平成17年度感染症発生動向調査事業関連のウイルス検査結果
Source:福岡市保健環境研究所報(1343-3512) 31号 Page170-171(2006.09)
Author:福岡市保健環境研究所保健科学部門ウイルス担当
Abstract:平成17年度感染症発生動向調査事業において患者157名177検体についてウイルス検査を行った。検体数は昨年度より減少していた。例年通りインフルエンザが最も多く、感染性胃腸炎、ヘルパンギーナと続いた。細胞培養、Polymerase Chain Reaction法などにより177検体から79株のウイルスが検出され、ウイルス検出時期は夏期および冬期に集中していた。今年度のインフルエンザウイルスは12月に初めて分離され、AH3型が流行した。
 

2007094142
医中誌WebMedicalOnline
松本市におけるインフルエンザ(2005/06年期)の疫学的・病因的調査 迅速診断・培養分離に基づいて
Source:日本医事新報(0385-9215) 4308号 Page69-74(2006.11)
Author:松岡伊津夫(松岡小児科医院), 松岡明子, 松岡高史, 粕尾しず子
Abstract:インフルエンザ様疾患(「イ」様疾患)患者数、市内小中学校の「いわゆるかぜ」による欠席者数、および「イ」患者治癒証明書届出数を調査した。2005年12月中旬から散発、翌年1月中旬に入り本格流行、1月下旬にピークへ達し、以後次第に減少、3月上旬では急速に減退、中旬は散発、下旬にほぼ終息した。ところが授業再開の4月中旬から一部地域で所々に発生、6月中旬まで続いたが、流行は局地的に留まった。例年と異なるのは、「イ」の届出率で中学校が12・7%、小学校が13・8%とほぼ拮抗した。病因ウイルスはH3N2型単独流行であった。
 

2007081655
医中誌WebMedicalOnlinePierOnline
【新型インフルエンザからどう守るか】 サーベイランス実施機関の立場から
Source:医学のあゆみ(0039-2359) 219巻10号 Page771-775(2006.12)
Author:岡部信彦(国立感染症研究所感染症情報センター)
Abstract:新型インフルエンザという疾患とその原因ウイルスは現在世の中に存在しないが、新型インフルエンザウイルス(過去に流行のあったウイルスを含め)の出現とそれによるパンデミックについては、自然界の流れのなかでありうることと考えることが妥当であろう。そうであるならば、単に医療、医学の問題だけではなく、広く社会全体の問題としてとらえ、地震、台風、火事などの災害に備えるのと同様、現実も踏まえつつ、できうる準備は行っておくべきである。インフルエンザパンデミックの備えを進めておくことはパンデミックのみへの対策が目的ではない。それによって感染症対策全体のレベルをあげることになり、SARSのようなあらたな感染症の発生への備えにも結びつくことでもある。危機管理を行うにはいきなり大げさに"危機そのもの"に取り組むのではなく、日常的疾患の動向をきちんと把握するところからスタートする。その状況を知ることによって、はじめて例外的な疾患、危機的な疾患の存在が明らかになり、その対処が可能になる。日常からの感染症サーベイランスが重要であると強調する意味はここにある。新型インフルエンザ(パンデミックインフルエンザ)対策の基本は、通常のインフルエンザ対策の充実にあるといえる。(著者抄録)
 

2007081653
医中誌WebMedicalOnlinePierOnline
【新型インフルエンザからどう守るか】 基礎医学の立場から
Source:医学のあゆみ(0039-2359) 219巻10号 Page761-764(2006.12)
Author:鈴木康夫(中部大学 生命健康科学部生命医科学科)
Abstract:新型インフルエンザの元凶は鳥インフルエンザウイルスである。すべての鳥インフルエンザウイルスはA型であり、これは歴史上、しばしば世界流行(パンデミック)を起こしてきた。本稿では高病原性鳥インフルエンザのヒトへの伝播機構、さらに、どのような変異がウイルスに起こると新型ウイルスとしてヒト間伝播をはじめるようになるのかについての最近の知見と今後の対策を述べる。(著者抄録)
 

2007076270
医中誌Web
【インフルエンザ診療の新展開 パンデミックを視野に入れた戦略】 ヒトの鳥インフルエンザ感染症の臨床
Source:内科(0022-1961) 98巻5号 Page872-875(2006.11)
Author:加藤康幸(国立国際医療センター 呼吸器科)
Abstract:2003年から、家禽の高病原性鳥インフルエンザH5N1が大規模発生し、家禽から直接感染したと考えられるヒト症例も多数報告されるようになった。患者の多くは若年者で、死んだ家禽に直接触れるなどの感染リスクの高い行為が確認されている。潜伏期は2〜5日で、第5病日ごろに、肺炎の症状、所見が出現する場合が多い。確定症例全体の致死率は56%で、10〜19歳の群でもっとも高い。家族内集積事例は、ヒト-ヒト感染がまれにあることを示している。白血球減少、血小板減少が認められるほか、血清トランスアミナーゼが高値を示すことが多い。oseltamivirが治療に使用されるが、通常より高用量が必要かもしれない。(著者抄録)
 

2007076269
医中誌Web
【インフルエンザ診療の新展開 パンデミックを視野に入れた戦略】 人獣共通感染症としてのインフルエンザ
Source:内科(0022-1961) 98巻5号 Page865-871(2006.11)
Author:大槻公一(京都産業大学附属鳥インフルエンザ研究センター)
Abstract:すべてのインフルエンザウイルスの起源は鳥、とくに水鳥が保有する鳥インフルエンザウイルスにある。ヒトで流行しているインフルエンザウイルスは、豚の体内において、鳥インフルエンザウイルスとヒトのインフルエンザウイルスが遺伝子再集合を起こしたものである。鳥インフルエンザウイルスが変異を起こして、すなわち、ヒトが優勢にもつインフルエンザウイルスに対するレセプターを認識する鳥インフルエンザウイルスが出現した場合、ヒトにパンデミックを起こす新型インフルエンザの原因ウイルスになる可能性がある。その脅威が世界で現実になりつつある。(著者抄録)
 

2007076268
医中誌Web
【インフルエンザ診療の新展開 パンデミックを視野に入れた戦略】 次のパンデミックに向けて 日本のパンデミック対策
Source:内科(0022-1961) 98巻5号 Page859-863(2006.11)
Author:佐藤愛(厚生労働省健康局 結核感染症課)
Abstract:昨今の鳥インフルエンザの地理的な拡がりを受けて、世界中で新型インフルエンザの発生が危惧されている。新型インフルエンザの発生に備えて、平成17年(2005年)10月、厚生労働省に「新型インフルエンザ対策推進本部」が設置され、同年11月には「新型インフルエンザ対策行動計画」を策定・公表した。「新型インフルエンザ対策行動計画」では、新型インフルエンザ発生状況を6つのフェーズに分け、計画と連携、サーベイランス、予防と封じ込め、医療、情報と共有の5つの分野について対応を規定している。新型インフルエンザが発生した際の医療提供体制や診断・治療、院内感染対策等について、現在検討を進めている。(著者抄録)
 

2007076260
医中誌Web
【インフルエンザ診療の新展開 パンデミックを視野に入れた戦略】 診療の実際 現場で遭遇する諸問題 ノイラミニダーゼ阻害薬をどう使うか
Source:内科(0022-1961) 98巻5号 Page821-824(2006.11)
Author:新庄正宜(慶応義塾大学 医学部小児科)
Abstract:ノイラミニダーゼ阻害薬は、A型、B型インフルエンザの治療・予防ともに効果がある。ノイラミニダーゼ阻害薬は、鳥インフルエンザのヒトへの感染や、新型インフルエンザの治療の切り札となる可能性が高い。しかし、新型インフルエンザに向けた備蓄、薬剤耐性ウイルスの出現など、いくつかの課題を抱える。(著者抄録)
 

2007076257
医中誌Web
【インフルエンザ診療の新展開 パンデミックを視野に入れた戦略】 診療の実際 現場で遭遇する諸問題 インフルエンザとその他の呼吸器感染症
Source:内科(0022-1961) 98巻5号 Page805-809(2006.11)
Author:内田耕(北総白井病院 内科), 鈴木智, 柳澤京介
Abstract:インフルエンザウイルスには、抗原性の違いによりA,B,Cの3型があり、A型、B型が典型的なインフルエンザの症状を呈する。インフルエンザは突然の高熱で発症し、初期は頭痛、筋肉痛などの全身症状が主体となる。ウイルス量、インターロイキン6、体温は、インフルエンザウイルス感染から2日目にピークとなる。インフルエンザウイルス肺炎には、単独肺炎と二次性肺炎がある。ノイラミニダーゼ(NA)はウイルスと細菌の相乗作用を起こし、二次性肺炎を誘発する。したがって、NA阻害薬は二次性細菌性肺炎の予防効果も期待できる。小児インフルエンザではReye症候群を起こす危険があるため、aspirinの使用を控える。(著者抄録)
 

2007076254
医中誌Web
【インフルエンザ診療の新展開 パンデミックを視野に入れた戦略】 内科医が知っておくべきインフルエンザの基礎知識 インフルエンザ迅速診断キットとその解釈
Source:内科(0022-1961) 98巻5号 Page793-797(2006.11)
Author:三田村敬子(永寿総合病院 小児科), 川上千春, 渡邉寿美
Abstract:インフルエンザウイルス抗原迅速診断キットは、日常診療の場でインフルエンザのA型とB型を短時間で鑑別できる。しかし、目視で判定する簡易検査であり、検出にはインフルエンザウイルス量が10^3〜10^6pfu必要である。キットによる検出率は、ウイルス排泄に影響する多くの条件によって左右され、適切な検体を採取することがもっとも重要である。最終診断は、臨床症状と流行状況、接触歴などともに総合的に判断する。(著者抄録)
 

2007076253
医中誌Web
【インフルエンザ診療の新展開 パンデミックを視野に入れた戦略】 内科医が知っておくべきインフルエンザの基礎知識 最近のインフルエンザ流行状況
Source:内科(0022-1961) 98巻5号 Page787-792(2006.11)
Author:柏木征三郎(福岡県赤十字血液センター)
Abstract:わが国でのインフルエンザの流行は、国立感染症研究所感染症情報センターによる7年間の定点観測の報告では2004/2005シーズンが最大であり、この報告数から同シーズンの患者数は約1,800万人と推定された。日本臨床内科医会のFlu Study Groupの調査でも2004/2005シーズンの流行が大きく、B型がA型の2倍であった。とくに、B型の症例では抗ウイルス薬oseltamivir(タミフル)の臨床効果が低かった。鳥インフルエンザA(H5N1)は、2003年から2006年7月までで感染者232人、死亡者134人が確認され、新型インフルエンザとしてのパンデミックが危惧されている。(著者抄録)
 

2007076252
医中誌Web
【インフルエンザ診療の新展開 パンデミックを視野に入れた戦略】 内科医が知っておくべきインフルエンザの基礎知識 インフルエンザのウイルス学
Source:内科(0022-1961) 98巻5号 Page779-786(2006.11)
Author:板村繁之(国立感染症研究所 ウイルス第3部)
Abstract:インフルエンザウイルスには大きく分けてA,B,C型があり、A型はさらに、ウイルス表面蛋白のヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)によって多くの亜型に分類される。ヒトで流行を起こしたことがない亜型のウイルスは、新型インフルエンザウイルスとなる可能性がある。ウイルス遺伝子が分節構造のため容易に遺伝子再集合体が形成されることと、ウイルス遺伝子が高頻度で変異を起こすことが、新型インフルエンザウイルス出現の基盤になっている。抗インフルエンザウイルス薬のzanamivirやoseltamivirはウイルス蛋白のNA蛋白を、amantadineはM2蛋白を標的として、ウイルス増殖の特定の過程に特異的に作用することによって、抗ウイルス作用を発揮している。(著者抄録)
 

2007076251
医中誌Web
【インフルエンザ診療の新展開 パンデミックを視野に入れた戦略】 鳥インフルエンザから新型インフルエンザへ
Source:内科(0022-1961) 98巻5号 Page773-778(2006.11)
Author:谷口清州(国立感染症研究所感染症情報センター)
Abstract:2006年6月現在、A/H5N1亜型のインフルエンザウイルスの家禽における感染地域は拡大しつつあり、感染している家禽と濃厚に接触したヒトへの感染も持続している。感染源は、H5N1に感染した、病鳥や死鳥の体液・排泄物であり、これらからの飛沫、あるいは体液・排泄物への濃厚な接触によりヒトへ感染している。鳥からヒトへの感染効率はいまだ不良であり、持続的なヒト-ヒト感染はないが、患者との濃厚な遷延する接触により感染する可能性はある。初発症状は非特異的な発熱と咳である。早期診断のためには、感染家禽(病鳥、死鳥)あるいは肺炎患者との接触の状況がもっとも重要であり、渡航歴、接触歴を含めた病歴の聴取が必要である。(著者抄録)
 

2007075179
医中誌Web
岡山県における2004〜2005年シーズンのインフルエンザ流行について
Source:岡山県環境保健センター年報(0914-9309) 30号 Page115-119(2006.09)
Author:葛谷光隆(岡山県環境保健センター), 濱野雅子, 西島倫子, 藤井理津志, 山口弘
Abstract:定点医療機関あたり患者総数から過去10年間で最大規模と思われた2004〜2005年シーズンの岡山県におけるインフルエンザ流行を解明するため、学校等におけるインフルエンザ様疾患集団発生の患者発生状況、および岡山県感染症発生動向調査事業に基づくインフルエンザ患者の発生状況を調査した。患者数の推移から一峰性の流行パターンが認められ、10〜19歳群を除いた年齢層における流行の拡大が、全体の患者数を押し上げたと考えられた。分離株の抗原解析結果から、主流行と考えられた山形系B型インフルエンザウイルス、および流行前期に分離されたA香港型インフルエンザウイルスともこのシーズンのワクチン株にほぼ類似した抗原性であったが、大流行となった原因として、山形系B型の大規模な流行が6年ぶりで、過去に十分な免疫を獲得できなかった年齢層を中心に感染が広がったこと、県南部を中心に3シーズンぶりにA香港型が流行したことなどが考えられた。
 

2007068435
医中誌Web
【内科診療最前線2007 この1年の動向を踏まえて】 感染症
Source:内科(0022-1961) 98巻6号 Page1058-1065(2006.12)
Author:前崎繁文(埼玉医科大学 感染症科・感染制御科), 山口敏行, 山崎勉
Abstract:感染症は他の疾患と異なり、病気を発症する原因微生物が存在する。原因微生物にはウイルス、細菌、真菌、寄生虫など、さまざまな生物が存在する。また、これらの原因微生物は生き物であるため常に遺伝子変異を起こし、変化することも感染症の大きな特徴の一つである。さらに感染症は医学的な問題ばかりでなく、ときには社会的あるいは経済的に大きな衝撃を与えることもある。ウイルス感染症に関しては、2002年に問題となったSARS(重症急性呼吸器症候群)はいまだ記憶に新しいところである。その後、SARSは終息したが、2004年初頭から東南アジアを中心に高病原性鳥インフルエンザの患者が発生し、こちらはいまだに終息の気配はなく、むしろ患者数は年々増加傾向を示している。今後は高病原性鳥インフルエンザがヒトへの感染性を有する変異を起こし、いわゆる新型インフルエンザが出現し、人類に再びインフルエンザのパンデミックを起こすことが懸念されている。HIV感染症もウイルス感染症として重要であり、その治療法は進歩し、現在の治療の主流は多剤併用療法(HAART:highly active antiretroviral therapy)の1日1回投与である。細菌感染症は、院内感染などの原因微生物としての薬剤耐性菌が問題となる。MRSAはすでに院内のみならず、広く一般生活を営む健常者の感染症の原因となり、薬剤耐性緑膿菌は有効な抗菌薬がなく、わが国の院内感染症の原因菌としてきわめて重要である。このような薬剤耐性菌の新たな治療薬も期待されている。その他、深在性真菌症の治療に用いる抗真菌薬が近年次々に開発され、今後は新たな薬剤の位置づけや、より有効な治療法の開発が期待されている。(著者抄録)
 

2007045318
医中誌Web
【インフルエンザをめぐる諸問題】 抗ウイルス薬について
Source:アレルギー・免疫(1344-6932) 13巻11号 Page1571-1579(2006.10)
Author:山下誠(三共第二生物研究所)
Abstract:新型インフルエンザの脅威が声高に叫ばれるようになり、抗インフルエンザ薬の備蓄が急ピッチで進んでいるが、ノイラミニダーゼ阻害剤2剤で予想されるパンデミックに備えざるをえない現状である。この2剤だけに頼る脆弱性は専門家より指摘され始めており、至急の他薬剤の開発が望まれている。本稿では、上市されている抗インフルエンザ薬をその問題点と共に紹介し、国内外で研究開発が進行している低分子化合物について紹介した。(著者抄録)
 

2007042088
医中誌WebMedicalOnline
基礎 スペインかぜウイルス
Source:インフルエンザ(1345-8345) 7巻4号 Page273-276(2006.10)
Author:新矢恭子(鳥取大農学部附属鳥由来人獣共通感染症疫学研究センター), 河岡義裕
Abstract:スペインかぜは、1918年から翌年にかけて世界的に流行したH1N1型のA型インフルエンザウイル感染症である。世界的には2,000万〜4,000万人、日本においても約38万人が死亡したといわれている。1999年に開発されたリバースジェネティクス法を用いることで、解読されたスペインかぜウイルスの塩基配列から当時のウイルスを再現し、そのヒトへの病原性の発現機構を探索することができるようになった。現在、H5N1ウイルス感染時にみられている状況には、スペインかぜ流行当時の記録にあるパンデミック前の状況との類似点が多い。近未来に予想されるパンデミックを未然に防ぐためにも、スペインかぜの解析は重要である。(著者抄録)
 

2007038437
医中誌Web
宮崎県の感染症発生動向調査事業におけるウイルス検出報告(2005年度)
Source:宮崎県衛生環境研究所年報(0917-3331) 17号 Page46-51(2006.09)
Author:岩切章(宮崎県衛生環境研究所 微生物部ウイルス科), 元明秀成, 山本正悟, 塩山陽子
Abstract:2005年1月〜2006年3月までのウイルス病原体検索では、104株のウイルスが分離同定、検出された。分離数の多かったインフルエンザウイルス、ノロウイルス(NV)、サポウイルス(SV)、コクサッキーウイルスB3型について、宮崎県における検出数及び全国の流行状況等との比較を行った。インフルエンザウイルスは、2005/2006シーズンについて解析した。シーズン中に47株のインフルエンザウイルスを分離し、全てAH3型であった。NVによる食中毒や集団感染症事例は26件、検査検体数は324検体であった。SVによる集団感染症事例が2事例発生し、遺伝距離から検出されたSVの由来は互いに異なることが判明した。コクサッキーウイルスB3型は、3医療機関から提出された7例の患者の便、咽頭ぬぐい液、髄液から検出した。エンテロウイルスは、毎年、発疹や無菌性髄膜炎の患者から分離した。
 

2007031841
医中誌WebPierOnline
【院内マニュアルの作り方・生かし方】 大規模施設でのマニュアルの作り方 当施設での新型インフルエンザ対応マニュアル作り
Source:INFECTION CONTROL(0919-1011) 15巻10号 Page970-977(2006.10)
Author:川名明彦(国立国際医療センター国際疾病センター), 加藤康幸, 工藤宏一郎
Abstract:1)各医療施設でH5N1や新型インフルエンザ対策のマニュアルが必要である。2)これらの感染症に関する正確な情報を収集することが大切である。3)WHO(世界保健機関)、CDC(米国疾病予防管理センター)、各国保健省、厚生労働省のガイドラインが情報源となる。4)フェーズ1〜2は、日ごろのインフルエンザ感染対策を実施する。5)フェーズ3〜5は、H5N1、新型インフルエンザ封じ込めの時期である。6)フェーズ6はパンデミック期である。7)施設内ウェブサイトを用いて、マニュアルを公開し、意見を求める。(著者抄録)
 

2007030187
医中誌WebJ-STAGE
日本におけるアマンタジン抵抗性H3N2インフルエンザのシーズン外流行(An Off-Seasonal Amantadine-Resistant H3N2 Influenza Outbreak in Japan)
Source:The Tohoku Journal of Experimental Medicine(0040-8727) 210巻1号 Page21-27(2006.09)
Author:SaitoReiko(新潟大学 医歯学総合研究科公衆衛生学), LiDanjuan, ShimomuraChieko, MasakiHironori, LeMai Q., NguyenHang L.K., NguyenHien T., PhanTu V., NguyenTien T.K., SatoMaki, SuzukiYasushi, SuzukiHiroshi
Abstract:2005年9月から10月にかけて、アマンタジン抵抗性インフルエンザA/H3N2が長崎県で流行した。その期間中、インフルエンザ様疾患でクリニックを受診したのは48名で、そのうち69.2%が迅速抗原テストでインフルエンザA陽性であった。陽性を示した患者4名の鼻咽頭サンプルを調べたところ、一つからインフルエンザH3N2が分離された。これら4サンプルはインフルエンザA M2遺伝子陽性で、シークエンス分析で31のセリンがアスパラギン酸に置換していた。この変異はアマンタジン抵抗性に関与していると考えられた。系統発生分析では、4サンプルのヘマグルチニン遺伝子配列は最近流行しているH3N2株とは異なったクラスターを形成していた。
 

2007009534
医中誌WebMedicalOnlinePierOnline
【ウイルス感染症 研究と臨床の最前線】 インフルエンザウイルスの最新動向 新型インフルエンザ対策
Source:医学のあゆみ(0039-2359) 218巻10号 Page832-836(2006.09)
Author:菅谷憲夫(神奈川県警友会けいゆう病院 小児科)
Abstract:2003年から東南アジアで鳥のH5N1インフルエンザが流行し、最近ではヨーロッパ、アフリカにまで感染が拡大した。ヒトへの感染が続き、世界で約200名が発病し100名以上が死亡した。WHOはpandemicを6段階のphaseに分けているが、現在は鳥からヒトの感染は起こっているが、ヒトからヒトへの感染のないphase 3である。Phase 3までくれば、pandemicの準備は全力で進める必要があり、いま、準備しなければ、救うことができたはずの多数の死者や重症患者を出してしまうことになる。鳥のH5N1が、もしもヒトの新型インフルエンザとして流行した場合は、スペインかぜ並みの1〜2%の死亡率となる可能性がある。そのとき、日本では3,200万人の患者から32〜64万人もの死亡者が出ることになる。新型インフルエンザ対策の目的は、第1波では抗ウイルス薬、第2波ではワクチンを使用して、いかにインフルエンザによる死亡や重症患者を減少させるかという点にある。(著者抄録)
 

2007009533
医中誌WebMedicalOnlinePierOnline
【ウイルス感染症 研究と臨床の最前線】 インフルエンザウイルスの最新動向 鳥インフルエンザウイルス ヒトへの感染の分子機構
Source:医学のあゆみ(0039-2359) 218巻10号 Page827-831(2006.09)
Author:畠山修司(東京大学医学部附属病院 感染症内科)
Abstract:高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)の流行とヒトへの伝播は拡大する一方であり、新型インフルエンザによるパンデミック対策は焦眉の課題である。鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染したり流行したりするためには、鳥ウイルスが認識するレセプターのヒトにおける分布や、ウイルスHA蛋白質が規定するレセプター特異性のヒト型への変化が重要であると考えられる。そのほか、内部蛋白質(たとえばPB2,NS1蛋白質)もインフルエンザウイルスの宿主領域や病原性の規定に関与している。過去にパンデミックを引き起こしたウイルスの遺伝子解析も進められ、インフルエンザウイルスの感染性・病原性にかかわる分子機構が徐々に明らかにされてきている。(著者抄録)
 

2007009532
医中誌WebMedicalOnlinePierOnline
【ウイルス感染症 研究と臨床の最前線】 インフルエンザウイルスの最新動向 鳥インフルエンザ発生の世界的現状
Source:医学のあゆみ(0039-2359) 218巻10号 Page821-826(2006.09)
Author:谷口清州(国立感染症研究所感染症情報センター)
Abstract:2003年末に韓国で最初に報告されたH5N1亜型の鳥インフルエンザは、徐々に地理的な拡大を見せ、2006年5月末においては、アジア、アフリカ、中東、ヨーロッパにまたがり、家禽、野生鳥を含めてこれまで58ヶ国で鳥における発生がみられ、10ヶ国において224例のヒトにおける感染(うち死亡127例)が報告されている。ヒトへの感染は感染した家禽あるいは野生鳥などの体液・排泄物の飛沫や直接接触により起こる。初期症状は突然の高熱(ほとんどは38℃以上)と咳などの気道症状、全身倦怠などを伴うインフルエンザ様症状であるが、とくに水様下痢は通常のインフルエンザより多い。H5N1で特徴的な経過として早期に下気道症状が出現し、急速に増悪する点にあり、その死亡率は50%を超える。早期診断と治療のためには、まず発生国における病鳥・死鳥との接触歴から本疾病を疑うことが肝要である。(著者抄録)
 

2006296073
医中誌Web
2005年夏の奈良県の1病院におけるインフルエンザAH3発生(An Influenza AH3 Outbreak in a Hospital, Nara Prefecture, Japan, in Summer 2005)
Source:Japanese Journal of Infectious Diseases(1344-6304) 59巻1号 Page62-63(2006.02)
Author:YonezawaYasushi(奈良県保健環境研究センター), InoueYumiko, KitahoriYoshiteru, NakanoMamoru
Abstract:43歳男性入院患者が,発熱と倦怠感を訴え,2週間後他の1患者が,その後10日間で28名の入院患者と10名の職員が同様の症状を呈した.全ての患者が典型的なインフルエンザ様症状を呈し,検出キットによりA型インフルエンザと診断された.RT-PCR法により,全ての検体からAH3型インフルエンザウイルス遺伝子が検出され,塩基配列分析の結果,A/Wyoming/03/2003と相同性の高い塩基配列を有していることが判明した.MDCK細胞への接種でも全例細胞変性効果が観察され,抗血清A/Wyoming/03/2003に対するHI価は640(ホモ価1280)であった.以上より,本インフルエンザ発生は,A/Wyoming/03/2003様ウイルスとして同定されたインフルエンザAH3ウイルスによるものであることが明らかになった
 

2006289447
医中誌Web
パンデミック時の抗ウイルス剤およびワクチンの使用優先順位に関する調査研究
Source:厚生の指標(0452-6104) 53巻8号 Page17-24(2006.08)
Author:大日康史(国立感染症研究所感染症情報センター), 菅原民枝, 谷口清州, 岡部信彦
Abstract:目的新型インフルエンザのパンデミック時には,抗インフルエンザウイルス薬や新型インフルエンザ用のワクチンが不足することが予想され,そのために治療あるいは予防のための薬剤の使用に関する優先順位付けを事前に行っておくことが重要となることから,現状での国民の意思を把握するために,一般住民調査を通じて優先順位について検討した.対象と方法2005年4月上旬に全国において実施された調査における回答を分析した.調査内容は,12種類の人ロ集団に対して,優先順位付けを1位から12位まで行うことを求めた.分析は優先順位について各順位での支配的な人口集団の分析と,代表的な人ロ集団である「高齢者」「妊婦,乳児の母親」「乳幼児・小学生」の最優先人口集団の選択に関する分析を行った.結果調査票は880世帯に送付し,772世帯の20歳以上の成人1,220人から回収を得た.優先順位付けに関しては,賛成,反対,わからないがほぼ同数であった.1つ目の分析である優先順位は,第1位「乳幼児・小学生」,第2位「妊婦」,第3位「乳児の母親」,第4位「医療従事者」,第5位「60歳未満の慢性肺疾患患者,心疾患患者,腎疾患患者,代謝異常患者,免疫不全状態の患者」,第6位「特別養護老人ホーム・老人保健施設などの従業員」,第7位「健康な高齢者(65歳以上)」,第8位「警察・消防関係者」,第9位「通信・交通・電力・エネルギー業界関係者」,第10位「行政担当者」,第11位「他の項目に当てはまる人を除く健康な13歳以上65歳未満の人」,第12位「60歳以上の慢性肺疾患患者,心疾患患者,腎疾患患者,代謝異常患者,免疫不全状態の患者」,の順で選択されていた.また,医療従事者と60歳未満の慢性肺疾患患者,心疾患患者,腎疾患患者,代謝異常患者,免疫不全状態の患者,特別養護老人ホーム・老人保健施設などの従業員と健康な高齢者(65歳以上),警察・消防関係者と通信・交通・電力・エネルギー業界関係者の間には有意な差はないので同じ順位であった.また,この順位は抗インフルエンザウイルス剤,ワクチン接種の場合で共通であった.2つ目の分析である代表的な人口集団における最優先人口集団に関する推定結果は,抗インフルエンザウイルス剤とワクチン接種において,優先順位で「幼児・小学生」を最優先とする確率は,幼児・小学生の同居家族はそうでない場合よりも,抗インフルエンザウイルス剤では9.7ポイント,ワクチン接種では8.0ポイント高かった.逆に,「高齢者」を最優先とする確率は,高齢者はそうでない者よりも抗インフルエンザウイルス剤では4.7ポイント,ワクチン接種では4.8ポイント高かった.結論調査結果は,オランダでの優先順位に関する研究とは整合的であるが,新型インフルエンザ対策に関する検討小委員会報告での提言内容とは必ずしも整合的ではなかった(著者抄録)
 

2006254642
医中誌WebMedicalOnline
愛知県においてインフルエンザ定点医療機関から2004/05年シーズンに患者発生報告数に付随して寄せられたコメント集計結果と意義
Source:現代医学(0433-3047) 53巻3号 Page459-463(2006.03)
Author:長谷川総一郎(愛知県江南保健所), 山口通代, 櫻井博貴, 清水通彦, 森川保二, 宮崎豊
Abstract:2004/2005年のインフルエンザ流行シーズンに愛知県内のインフルエンザ定点医療機関から保健所を経由して報告された患者発生数と同時に寄せられたコメント上の患者数,インフルエンザ予防接種歴などの情報を集計解析し,その情報としての意義について検討した.その結果,インフルエンザ発生のコメントが寄せられた時期は2004年11月第3週〜2005年6月第1週までで,インフルエンザ型別ではA型は2005年3月第3週,B型は同年2月第3週がピークで,B型流行がA型流行に先行するという過去には無いインフルエンザ流行パターンであった.インフルエンザ罹患と予防接種に関する情報では予防接種が施行されたにも関わらず罹患した患者はA型7.35%・B型6.53%・合計6.79%であった.この愛知県及び全国の発生動向調査結果はインフルエンザ型別の流行を識別調査した日本臨床内科医会の「班研究調査」による患者数集計結果と流行状態は極めて類似しており,解析情報源の偏りも僅かであった.以上より,インフルエンザ流行状況把握にこれらの調査は極めて高い価値を有することが示唆された
 

2006252907
医中誌Web
横浜市におけるインフルエンザの流行(2004年11月〜2005年5月)
Source:横浜市衛生研究所年報(0912-2826) 44号 Page59-63(2005.12)
Author:川上千春(横浜市衛生研究所 検査研究課), 百木智子, 七種美和子, 野口有三, 藤井菊茂, 鳥羽和憲
Abstract:今シーズンのインフルエンザ流行状況を分離ウイルスの抗原性状および遺伝子解析から考察した.横浜市内18福祉保健センター管内で最初に発生した1集団事例について最大5例を対象として,うがい液からのウイルス分離を行った.2004年11月25日から3月4日までに発生した集団かぜは,13区30施設132学級と大規模な流行であり,AH3型ウイルスとB型ウイルスが原因であった.定点ウイルス調査におけるウイルス分離状況では,前半はB型ウイルスが,後半はAH3型ウイルスが主流であった.進化系統樹解析では,今シーズンのAH3型ウイルスはA/Wyoming/03/2003から8〜10個のアミノ酸変異がみられた.B型ウイルスは山形系統のB/Harbin/07/94グループのウイルスが初めて主流となり,ワクチン株であるB/Shanghai/361/2002からは5〜7個のアミノ酸が変異した
 

2006244130
医中誌WebMedicalOnline
政策 パンデミック対策
Source:インフルエンザ(1345-8345) 7巻3号 Page223-228(2006.07)
Author:金成由美子(厚生労働省健康局 結核感染症課)
Abstract:H5N1亜型の鳥インフルエンザの発生が世界的に広がっているなか,政府における新型インフルエンザ対策を推進するため,2005年10月に,関係省庁対策会議を設置するとともに,厚生労働省内に大臣を本部長とする「新型インフルエンザ対策推進本部」を設置し,同年11月14日には,政府の計画として「新型インフルエンザ対策行動計画」を策定した.この計画の下に,関係省庁が連携し,対策を講ずることとしており,厚生労働省としては,抗インフルエンザウイルス薬の備蓄,ワクチンの開発支援・供給体制の確保,情報の提供・共有の推進等,対策を進めている(著者抄録)
 

2006244128
医中誌WebMedicalOnline
治療 現行の抗インフルエンザ薬は鳥インフルエンザに有効か 基礎
Source:インフルエンザ(1345-8345) 7巻3号 Page211-215(2006.07)
Author:鈴木宏(新潟大学 大学院医歯学総合研究科国際感染医学講座公衆衛生学分野)
Abstract:A/H5N1による高病原性鳥インフルエンザは,ベトナム,タイから始まって,今では南北アメリカを残すだけの大きな流行となっている.ヒトでの報告も増加し患者の半数が死亡する状況は依然として続いてはいるが,ヒト-ヒト感染が容易に起こらずパンデミックへと発展はしていない.この状況で,抗インフルエンザウイルス薬が鳥インフルエンザに有効かの議論は大切ではあるが,既存の薬剤と関連した耐性株増加と新たな問題が発生している.新型インフルエンザ発生時の抗ウイルス薬の選択と使用法に関連し,薬剤感受性や耐性株発生の状況を常にモニタリングする必要性は大きくなっている(著者抄録)
 

2006244125
医中誌WebMedicalOnline
疫学 パンデミック 20世紀を振り返って
Source:インフルエンザ(1345-8345) 7巻3号 Page189-194(2006.07)
Author:田村大輔(神奈川県警友会けいゆう病院 小児科), 菅谷憲夫
Abstract:アジアからヨーロッパにかけてH5N1型鳥インフルエンザウイルス流行が拡大し,ヒトへの感染が続いている.2006年3月現在,ヒトからヒトへの明らかな感染報告はない.しかし,2005年世界保健機構は,近い将来,ヒトからヒトに感染する新型インフルエンザウイルスが出現すると宣言した.現在,世界各国は国民を守るためパンデミック対策を進めている.20世紀のパンデミックを振り返ると,その衝撃は大きく,当時の医療・経済は破綻し世界規模で被害が出現したと報告されている.今,われわれは,医療,経済,社会情勢を混乱に陥れた,スペインかぜ,アジアかぜの記録を振り返ることにより,世界的に新型ウイルスのサーベイランスを強化して,抗ウイルス薬の備蓄,新型ワクチンの製造準備を円滑に進める必要がある(著者抄録)
 

2006244124
医中誌WebMedicalOnline
基礎 H5N1高病原性鳥インフルエンザウイルス ヒトへの感染の分子機構
Source:インフルエンザ(1345-8345) 7巻3号 Page181-187(2006.07)
Author:堀本泰介(東京大学医科学研究所 感染・免疫部門ウイルス感染分野), 河岡義裕
Abstract:H5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザがアジアのみならずヨーロッパ,アフリカへと拡大した.そして,ヒトへの感染数と死亡者数は徐々に,しかし確実に増え続けている.次第に明らかになってきた高病原性鳥ウイルスのヒトへの感染分子機構は,わずかな変異でこの鳥ウイルスが恐怖のパンデミックウイルスに変貌する可能性を強く示している.最悪のシナリオが現実にならないことを祈るのみである(著者抄録)
 

2006228826
医中誌Web
【リレンザ その正しい位置付け】 基礎の立場から見たリレンザ 他のノイラミニダーゼ(NA)阻害剤タミフルとの比較
Source:医薬ジャーナル(0287-4741) 42巻6号 Page1691-1696(2006.06)
Author:鈴木宏(新潟大学 大学院医歯学総合研究科国際感染医学講座公衆衛生学分野)
Abstract:基礎的面からリレンザ(一般名:ザナミビル)とタミフル(一般名:オセルタミビル)を比較したが,リレンザが使用量の面ではタミフルと天と地ほどの差が生ずるほど低迷している理由は科学的根拠からは求めがたく,投与法として吸入より経口の方が扱いやすいことからきた可能性がある.2種類のノイラミニダーゼ(NA)阻害剤とA型の亜型(N1〜N9)間の効果は一定でなく,パンデミック時には流行株の毒性や病原性の程度によるNA阻害剤の投与量や投与期間の変更,複数の抗ウイルス剤併用の検討など,多方面にわたる基礎と臨床での検討が必要と思われる.現在,耐性株発生の問題もあり,現行のタミフル単剤ではなく,タミフルに加えアマンタジンを含む抗ウイルス剤併用によるインフルエンザ対策と,それらの薬剤については耐性株のきめ細かいモニタリング活動が必要と思われる(著者抄録)
 

2006218944
医中誌WebJ-STAGE
【インフルエンザ対策と基礎研究】 ヒト体内におけるインフルエンザウイルスのレセプター分布
Source:ウイルス(0042-6857) 56巻1号 Page85-89(2006.06)
Author:新矢恭子(鳥取大学 農学部鳥由来人獣共通感染症疫学研究センター), 河岡義裕
Abstract:H5N1鳥インフルエンザウイルスがアジア,ヨーロッパ,そしてアフリカで猛威を振るっている.すでに,100人を越える人が本ウイルスに感染し死亡したが,ヒト-ヒト間の伝播はまれである.私たちは,人の呼吸細気管支,肺胞細胞の多くが鳥由来インフルエンザウイルスによって認識されるシアリルオリゴ糖(SAα2,3Gal)を発現していることを見出した.しかし,人の上部気道の上皮細胞では,鼻粘膜の一部の細胞をのぞいて,人由来ウイルスによって認識されるSAα2,6Galしか発現していないことがわかった.これらの事実は,なぜ鳥インフルエンザウイルスが鳥類からヒトに直接感染し,感染患者において重篤な下部呼吸器障害を引き起こすことができるかを説明している.また,ヒトの上部気道には,人のウイルスのレセプター(SAα2,6Gal)はたくさん存在するが,トリウイルスのレセプター(SAα2,3Gal)はほとんど存在しないことは,H5N1ウイルスが,めったにヒト-ヒト間伝播を引き起こさない事実と一致している.しかしながら,H5N1ウイルスの中には人ウイルスのレセプターを認識するものも存在する.したがって,H5N1インフルエンザウイルスが効率よくヒト-ヒト間で伝播する能力を獲得するためには,レセプター特異性の変化のみならず,それ以外の変異が生じる必要があるのであろう(著者抄録)
 

2006218943
医中誌WebJ-STAGE
【インフルエンザ対策と基礎研究】 高病原性H5N1鳥インフルエンザと新型インフルエンザに備えた事前準備と国際協力
Source:ウイルス(0042-6857) 56巻1号 Page77-84(2006.06)
Author:小田切孝人(国立感染症研究所 ウイルス第3部インフルエンザウイルス室)
Abstract:高病原性H5N1鳥インフルエンザは発生から2年が経過した現在では,東南アジア諸国のみならずユーラシア大陸を西に向けて拡大し,中近東,アフリカ,ヨーロッパ諸国にまで到達し,膨大な数の家禽が失われ大きな経済被害を出している.その間,ヒトへの感染例も増え続け200例を超える感染者が確認され,致死率は55%となっている.流行拡大の一因として渡り鳥が関与していることから,もはや封じ込めは不可能である.そのためH5N1ウイルスに起因したパンデミックが危惧され,ヒト-ヒト感染が本格的に始まるフェーズ4になる前に,できる限りの準備が必要である.わが国においては新型インフルエンザ対策として迅速診断キットの開発,遺伝子診断系の改良,新型ワクチンの実用化などの研究開発が進められている.一方,H5N1鳥インフルエンザの発生している発展途上国に対しては,感染診断系の構築のための技術援助が必要で,先進諸国からの公衆衛生上の対応を優先させた国際支援が求められている(著者抄録)
 

2006207243
医中誌WebMedicalOnline
松本市周辺のインフルエンザ流行時(2003/2004年期)に試みたA,B迅速診断キットの評価 経過時間による陽性率の推移
Source:日本小児科医会会報(0912-1781) 29号 Page137-141(2005.04)
Author:松岡伊津夫(松岡小児科医院)
Abstract:2004年1月4日来診の4歳男児から初めて迅速診断キットでA型陽性・長野県環境保全研究会(環保研)での培養検査にてA香港型が分離同定され,以後3月中旬までに51名から香港A型のみが検出された.分離株の抗原型は環保研によればワクチン株のA/Panama/2007/99とはやや変異したA/Fujian(福建)/411/2002の類似株であった.インフルエンザ罹患後,極めて早期では体内からのウイルス抽出率が十分でなく,迅速診断キットの検出限界(0.5〜1.5×10^3plaque-formingunit/0.1ml)に達せず,偽陰性となり易いことが推測される.今回の病原ウイルスは第1病日では陰性であったが第3病日の再検査では陽性であった9名全例からAH3N2型が分離された.以上より今回のインフルエンザは病原ウイルスAH3N2型の単独流行で,抗原性はワクチン株とやや変異するが類似株の範疇であった.迅速診断キットの陽性率は発症後7時間以後で高率となったことから早期の場合は偽陰性の可能性が高く,臨床診断に重点を置くべきと考えられた
 

2006197212
医中誌Web
感染症発生動向調査情報による埼玉県の患者発生状況 2004年
Source:埼玉県衛生研究所報 39号 Page37-43(2006.03)
Author:山田文也(埼玉県衛生研究所), 河田澄子, 原田奈緒子, 川本薫, 斎藤章暢, 岸本剛, 高岡正敏, 藤本裕子, 小関華乃子, 渡邊千鶴子, 笹川裕之, 吉田建光
Abstract:埼玉県における感染症の発生について,2004年の患者発生状況について報告した.一類感染症は,疑い例も含め届出はなかった,二類感染症は,コレラ4件,細菌性赤痢31件,腸チフス3件,パラチフス4件の届出があった.三類感染症は,78件の届出があった.四類感染症は,E型肝炎1件,A型肝炎4件,オウム病1件,デング熱1件,マラリア3件,ライム病1件,レジオネラ症7件の届出があった.五類感染症は,対象14疾患のうち先天性風しん症候群とバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症を除く12疾患133件の届出があった.定点把握対象疾患では,インフルエンザは,中規模の流行年となった.性感染症定点報告対象疾患の報告数は,例年と同様に性器クラミジア感染症,次いで淋菌感染症,性器ヘルペスウイルス感染症,尖圭コンジローマの順で,性器クラミジア感染症と淋菌感染症に顕著な男女差を認めた
 

2006196993
医中誌Web
長崎県におけるインフルエンザの疫学調査 2004年度
Source:長崎県衛生公害研究所報(0914-0301) 50号 Page96-98(2006.01)
Author:吉川亮(長崎県衛生公害研究所), 中村まき子, 平野学, 原健志, 益田宣弘
Abstract:厚生労働省の感染症流行予測事業に併せて,インフルエンザ流行予測調査の一環として,流行状況を把握する目的で疫学調査を実施した.長崎市内の内科医療機関の2定点で採取されたインフルエンザ様疾患患者の咽頭ぬぐい液,及び感染症発生動向調査事業の一環として,県内の小児科医療機関11定点等から採取された咽頭ぬぐい液について,ウイルス分離を実施した.2004/2005シーズン中に,インフルエンザ様疾患の疑いで搬入された検体は160検体で,A香港型49株,B型33株を分離した.集団発生事例は4施設(33検体)を検査し,B型を3例から分離した.インフルエンザの流行は,ウイルスの分離比が,A香港型59.8%,B型402%で2種類のウイルスの混合型であった.集団発生事例はB型によるものと推察した
 

2006163839
医中誌Web
2004/2005年シーズンの札幌市におけるインフルエンザの流行状況について
Source:札幌市衛生研究所年報(0917-0294) 32号 Page127-130(2005.11)
Author:菊地正幸(札幌市衛生研究所 生活科学課), 池田高明
Abstract:2004/2005年シーズンの札幌市におけるインフルエンザの流行状況について報告した.2004年10月から2005年6月までの間に,市内医療機関を受診した患者から採取した咽頭拭い液等合計776検体を検査材料とした.インフルエンザの患者報告は,2004年第46週に患者定点からの報告がシーズン最初であった.最終的に25週に1例の患者が報告されて以降患者報告数は0となった.インフルエンザウイルスは,Aソ連型,A香港型およびB型の混合流行であった.A香港型ウイルスに対するHI価は320〜2560と幅があり,抗原的に変異しているウイルスが存在している可能性がある
 

2006159207
医中誌Web
当医院における最近5シーズンのインフルエンザ発生状況
Source:小児感染免疫(0917-4931) 18巻1号 Page3-17(2006.04)
Author:正木明夫(正木医院), 安藤秀二, 堀元栄詞, 松浦久美子
Abstract:当医院におけるインフルエンザ患者について調査した結果,2000/01年,2001/02年はAH1型,AH3型,B型の3種類の混合流行(同時流行),2002/03年はAH3型とB型の2種類の混合流行を示した.2003/04年はAH3型が主流を占め流行末期にB型が出現した.2004/05年はAH3型とB型の混合流行を示した.AH3型分離株では2002/03年,2003/04年にワクチン株の抗原性とずれた株が存在し,B型では山形系統株とビクトリア系統株が分離されてワクチン株と系統の異なる株が流行したシーズンが存在した.また,2003/04年および2004/05年シーズンでは,インフルエンザ罹患者数に対してワクチンを接種したがインフルエンザに罹患した患者数の割合は,特に1〜9歳の年齢群で高率(2004/05年:A型65〜70%,B型48〜53%)であった(著者抄録)
 

2006159058
医中誌Web
土佐希望の家の1病棟で流行したA型インフルエンザに対する予防接種と抗ウイルス剤の効果について
Source:日本重症心身障害学会誌(1343-1439) 31巻1号 Page79-83(2006.04)
Author:永野真澄(土佐希望の家 小児科), 大石尚文, 森岡直子, 荒木久美子, 青地千亜紀
Abstract:当施設では平成9年度から希望する入所者にインフルエンザの予防接種を行っているが,平成15年1月にS棟でA型インフルエンザが流行した.同病棟では27例中23例(85.2%)に予防接種を実施し,接種者の12例を含む15例(55.6%)が発症した.診断はインフルエンザ迅速診断キットを用い,全例にリン酸オセルタミビルを投与した.発熱日数は1.8±0.6日で,リン酸オセルタミビルの開始時期が早いほど解熱も早い傾向が見られ,回復期の抗体価の上昇の程度も有意(p<0.01)に低かった.S棟では,平成8年にインフルエンザ様疾患が流行した.平成15年の流行と比較して,発症率(p<0.05),発熱日数(p<0.001),抗生剤の使用頻度(p<0.01)などは有意に高かった.今回の検討では予防接種の有効率が47.8%であり,それに加えてインフルエンザ迅速診断キットで早期に診断し,抗ウイルス剤による早期の治療開始が症状の軽減と早期治癒に役立ったと考えられた(著者抄録)
 

2006155770
医中誌Web
滋賀県におけるインフルエンザの流行について(2003/2004年シーズン)
Source:滋賀県立衛生環境センター所報 39巻 Page73-78(2005.03)
Author:大内好美(滋賀県立衛生環境センター), 吉田智子, 吉田とも江, 林賢一
Abstract:滋賀県における2003/2004年シーズンのインフルエンザ流行状況およびウイルス分離状況について報告した.インフルエンザ患者97例の咽頭ぬぐい液を検体として用いた.さらに,インフルエンザ流行シーズン中に県内医療機関を受診した急性脳症(疑いを含む)等重症患者3例の髄液3件および咽頭ぬぐい液1件を検体として用いた.AH3型の流行が主流で,B型の流行は小さかった.全国の流行状況も同様の傾向であった.滋賀県感染症発生動向調査における過去10年間の流行シーズン別定点あたり総患者数から見ると,2003/2004年シーズンは中規模な流行であった
 

2006137083
医中誌WebMedicalOnline
公衆衛生 鳥インフルエンザ最新の状況
Source:インフルエンザ(1345-8345) 7巻2号 Page119-123(2006.04)
Author:岩附研子[堀本](東京大学医科学研究所 感染・免疫部門ウイルス感染分野), 河岡義裕
Abstract:今世界は,1968年の香港かぜのパンデミック以来,最もパンデミックの危機に直面している.アジア諸国からはヒトでの感染や死亡報告が相次ぎ,パンデミックに備える国際会議が多数開催され,マスコミも連日鳥インフルエンザ関連のニュースを報道している.このように情報が氾濫しているなか,世界で流行しているウイルスの性状とその流行状況を正確に把握することが重要である(著者抄録)
 

2006137081
医中誌WebMedicalOnline
基礎 C型インフルエンザについて
Source:インフルエンザ(1345-8345) 7巻2号 Page105-111(2006.04)
Author:本郷誠治(山形大学 医学部発達生体防御学講座感染症学分野)
Abstract:C型インフルエンザウイルスのゲノムは,A型よりも1本少ない7つのRNA遺伝子分節からなり,1種類のスパイク蛋白HEが,A型のHA(レセプター結合能,膜融合能)とNA(レセプター破壊能)という2つのスパイク蛋白に担われる機能を併せもつ.C型のM遺伝子の発現機構はA型とは大きく異なり,spliced mRNAからM1, unspliced mRNAからP42が翻訳される.P42は小胞体内腔のsignal peptidaseによりN側のM1'とC側のCM2に解裂する.CM2は,A型のM2に相当するイオンチャネル蛋白であるが,塩素イオン選択性である点で,A型のM2とは大きく異なる(著者抄録)
 

2006131548
医中誌Web
石川県におけるインフルエンザ流行状況 2004/2005シーズンについて
Source:石川県保健環境センター研究報告書(1349-3604) 42号 Page80-82(2006.01)
Author:黒崎直子(石川県保健環境センター 健康・食品安全科学部), 大矢英紀, 尾西一
Abstract:2004/2005シーズンの石川県におけるインフルエンザ流行状況と,分離ウイルスの抗原性状について報告した.集団かぜは,128施設で発生し,患者数は8914例であった.インフルエンザ患者報告は全般的に遅く,特に流行のピークは遅かった.患者総数は18208例で,流行の規模が比較的大きかった.定点医療機関から分離したインフルエンザウイルスは,A型69株(53.1%),B型61株(46.9%)で,B型が例年に比べて非常に多かった.分離したインフルエンザウイルスは,A型はすべて香港型で,今年度より変更されたワクチン株A/Wyoming/03/2003(H3N2)の類似株,B型はすべて山形系統株で参照株B/Johannesburg/5/99の類似株であった
 

2006117072
医中誌Web
インフルエンザ様疾患の流行状況(2004/2005年)
Source:島根県保健環境科学研究所報(1347-2860) 46号 Page70-74(2005.12)
Author:川向明美(島根県保健環境科学研究所), 糸川浩司, 飯塚節子
Abstract:2004/2005年の島根県のインフルエンザ様疾患の流行状況と原因ウイルスを把握するため,感染症発生動向調査事業による患者発生報告,および学校等での集団発生の情報を解析し,患者検体からのウイルス分離・同定を行った.1)定点医療機関からの患者報告数は2000年以降の5年間では2002/2003シーズンに次いで多く,過去10年間でも5番目に大きな流行であった.2)全国的には1定点あたりの累積報告数が過去10シーズン中,最大であった.ピークは例年に比べて約1ヵ月遅れて2月下旬であった.3)ウイルス分離状況は,A香港型とB型がおよそ3:7の割合で分離され,過去10年では初めてB型を主流とする特徴的なパターンであった.A香港型がシーズン後半にかけて長く流行した原因であったことも,近年にない特異な流行パターンであった.4)国立感染症研究所に抗原分析を依頼した結果,A香港型ウイルスはシーズン前半はA/Wyoming/3/2003類似株が大半で,後半はA/California/7/2004類似株が増えており,B型はB/上海/361/2002(山形系統)類似株とみられた
 

2006116032
医中誌Web
奈良県の2004/2005シーズンにおけるインフルエンザ流行疫学
Source:奈良県保健環境研究センター年報(1348-3153) 39号 Page87-88(2005.12)
Author:北堀吉映(奈良県保健環境研究センター), 井上ゆみ子, 中野守
Abstract:2004/2005シーズンに行ったウイルス分離状況に基づき流行疫学を報告した.県内定点医療機関からインフルエンザおよびインフルエンザ様疾患と診断され,ウイルス分離依頼があった69検体について,MDCK細胞によるウイルス分離・同定とPCR・シーケンスによる確認作業を行った.最終的に分離したウイルス数は41株/69検体で,A/香港型が22株,B型が19株であった.今シーズンのワクチン株はA/New Caledonia/20/99,A/Wyoming/3/2003およびB/Shanghai/361/2002の三種で,分離したA/香港型はA/Wyoming/3/2003株と高いホモ価を有した.分離されたB型はすべてB/Johannesburg/5/99と高い相同性を存し,これはワクチン株と同様に山形系統に属した
 

2006115916
医中誌Web
平成16年度感染症流行予測調査
Source:栃木県保健環境センター年報(1342-6397) 10号 Page103-105(2005.10)
Author:栃木県保健環境センター微生物部
Abstract:平成16年度の栃木県における,新型インフルエンザウイルスの出現を想定した感染源調査(ブタのインフルエンザ抗体保有状況調査)及び日本脳炎の感染源調査(ブタの日本脳炎抗体保有状況調査)を行った.ブタのインフルエンザ抗体保有状況では,調査に用いた4種類の抗原に対するHI抗体は,調査を行った160検体からは検出しなかった.ブタの日本脳炎抗体保有状況では調査に用いた抗原に対するHI抗体は,29週にHI抗体陽性検体を1検体確認した
 

2006112724
医中誌WebMedicalOnline
認知症治療病棟におけるインフルエンザ発症に関する検討
Source:老年精神医学雑誌(0915-6305) 17巻2号 Page197-209(2006.02)
Author:小野寿之(敦賀温泉病院), 玉井顯, 玉井譲, 岡本貴子, 上村寿恵, 岸本広美, 笠原すみ江
Abstract:認知症治療病棟においてインフルエンザの流行がみられ,インフルエンザ発症の状況について調査した.インフルエンザは3度のピークをもって発生し,第1,第2のピークはインフルエンザB型に,第3のピークはインフルエンザA型による可能性が示唆された.インフルエンザの流行時には例年に比べて病棟内の温度が高く,湿度が低い状況にあった.インフルエンザB発症群は入院期間が短い傾向にあり,このうち早発群では遅発群に比べて入院期間が短く,ADLが悪かった.ワクチン接種患者のうち基礎疾患のあるものは発症する割合が高かった.インフルエンザA発症群では歩行・起座の得点が有意に低かった.インフルエンザ発生予防にはウイルスの持ち込みを防ぐとともに,ウイルスの感染に適した環境をつくらないようにし,入院生活に慣れていない患者,基礎疾患を有する患者やADLの低下した患者の処遇に注意が必要であると思われた(著者抄録)
 

2006084360
医中誌WebMedicalOnline
最新のWHOの新型インフルエンザ対策
Source:インフルエンザ(1345-8345) 7巻1号 Page47-51(2006.01)
Author:押谷仁(東北大学 大学院医学系研究科微生物分野)
Abstract:インフルエンザA(H5N1)による,鳥インフルエンザの流行はアジア各国,さらにヨーロッパまで大きな広がりをみせている.この間,ヒトでの感染も続いている.この状態が続くと,新型インフルエンザによるパンデミックの危険性が高まっていくと考えられている.WHOはこの状況に対応し,パンデミックのリスクを減少させるために,さまざまな活動を行ってきている.また,最悪の事態に備え,新型インフルエンザ対策を進めていくことも重要である(著者抄録)
 

2006084357
医中誌WebMedicalOnline
Spring Waveの歴史
Source:インフルエンザ(1345-8345) 7巻1号 Page27-35(2006.01)
Author:西村秀一(国立病院機構仙台医療センター 臨床研究部ウイルスセンター)
Abstract:1918年のインフルエンザ・パンデミックでは,秋口に始まった非常に致死率の高かった流行に先駆け,その春おもにヨーロッパを舞台として秋に比べ病原性の目立たない大流行があったことが知られている.歴史をひも解くと,同じように春にパンデミックの第1波がみられたケースは,はっきりしているものでは1729年,1889年,1957年のものがある.だが,さらに詳しくみれば,流行の時期,病原性の強さなどで,われわれがイメージする1918年のようなパターンを踏んでいないパンデミックもあったようである.ひとこと「春の大流行」とっても,長い歴史でみると,どうやら必ずしもひとくくりには論じられないようである(著者抄録)
 

2006082632
医中誌Web
鳥フルと疫学・個別対策議論の行方 ベトナムに学ぶ医療従事者への感染防御
Source:医薬ジャーナル(0287-4741) 42巻1号 Page35-37(2006.01)
Author:沼田稔(医療ジャーナル社)
Abstract:疫学統計の分野で,新種の感染症に対しては,集団規模での介入よりも,スーパースプレッダー個人に焦点を定めた抑制措置のほうが,流行撲滅の見込みが高いとする議論がなされている.今日の個別化医療へのアプローチは,最早,疫学の分野にまでもとの感が強い.しかし問題は,現在直面している鳥フルA/H5N1に対しても,その特質伝播者をどうやって事前に識別するかということだ.ともあれ世界はつい先般,SARSにおいてスーパースプレッダーの存在を経験し,貴重な対処法を学習した.A/H5N1のパンデミック警告期である今この時期においても,極めて大切なことは,希ではあってもA/H5N1患者に遭遇した場合の医療関係者への感染防御態勢ということだ.患者の治療とともに医療従事者自身の感染防御もまた,それ自体が医療行為そのものであるとの再認識が必要だ.ここにひとつ,A/H5N1小児患者の治療に当たり,医療関係者への感染は全く認められなかったとするベトナムからの報告がある(著者抄録)
 

2006076280
医中誌WebMedicalOnline
2004/2005年冬におけるインフルエンザの解析 A型とB型の比較を中心として
Source:日本医事新報(0385-9215) 4252号 Page21-27(2005.10)
Author:河合直樹(日本臨床内科医会), 池松秀之, 岩城紀男, 前田哲也, 川島崇, 田中治, 近藤邦夫, 洞庭賢一, 原田知行, 高橋徳, 金澤英夫, 佐藤家隆, 満岡聰, 吉村緑, 玉井精雄, 岡山勁, 宮地清光, 松浦伸郎, 富田さつき, 藤川万規子, 高安健, 土本泰三, 三瀬直久, 永井徹, 可知常昭, 木村孝, 越野慶隆, 牧野毅, 河村研一, 重松武, 廣津伸夫, 國島修, 後藤由夫, 柏木征三郎
Abstract:2004/2005年のインフルエンザについて,A型とB型を比較した.26都道府県43医療機関において,ワクチンに関する前向き試験とインフルエンザ(迅速診断陽性)症例について検討した.A型の流行が遅れ,A型とB型がほぼ同時期に流行した.特にB型は患者数がA型の約2倍に達した.B型はA型よりも発症時体温や最高体温は有意に低いが,オセルタミビル投与例における全身症状や咳の持続時間はB型の方が有意に長かった.オセルタミビル投与例における解熱時間と発熱時間は,A型よりもB型で有意に長かった.ワクチンは4年連続で有効であったが,2004/2005年はA型B型のいずれに対してもやや有効率が低かった
 

2006062529
医中誌Web
2004/2005シーズンの山梨県におけるインフルエンザの流行
Source:山梨県衛生公害研究所年報(0915-437X) 48号 Page19-22(2005.10)
Author:山上隆也(山梨県衛生公害研究所), 大石陽子, 原俊吉, 小澤茂, 小松史俊, 若尾朗, 武井治朗, 斎藤徹
Abstract:2004/2005シーズン(2004年12月〜2005年3月)のインフルエンザの流行予測を目的として,流行前における住民の血清抗体価を測定し,インフルエンザウイルスに対する感受性の有無を調査した(インフルエンザ感受性調査).この結果と併せて,2004/2005シーズンのインフルエンザの発生状況とインフルエンザウイルスの分離状況について報告した.A(H3)香港型,A(H1)ソ連型は学童層では比較的高い抗体保有率であったが,成人層の抗体保有率は低かった.B型に対しては全年齢で低い抗体保有率であった.咽頭ぬぐい液からインフルエンザウイルスA(H3)型59株,B型92株を分離した.集団発生6事例は,いずれもインフルエンザウイルスB型(山形系統株)を原因ウイルスとする集団発生であった.分離ウイルスの抗原性は,B型ではすべてB/ヨハネスブルグ類似株(山形系統株),A(H3)型はA/ワイオミング類似株が大部分を占めた
 

2006056924
医中誌Web
【抗インフルエンザウイルス薬の効果と問題点】 新規抗インフルエンザ薬の開発 インフルエンザウイルスヘマグルチニンおよびノイラミニダーゼ機能阻害剤
Source:化学療法の領域(0913-2384) 21巻12号 Page1761-1766(2005.11)
Author:鈴木康夫(静岡県立大学 薬学部)
Abstract:アジアに多発している高病原性トリインフルエンザウイルスは,1918年,スペイン風邪パンデミック再来の危険性を持っている.全く新しい抗原性と高い病原性を持つインフルエンザウイルスによるパンデミックが発生した場合,世界の人口に対応できるワクチンの緊急開発は極めて困難であり,抗インフルエンザ薬の備蓄が効果的である.画期的な次世代の抗インフルエンザ薬開発には,様々な学術的ブレークスルーが必要であるが,抗インフルエンザ薬の現状と新しい抗インフルエンザ薬開発へのアプローチを述べる(著者抄録)
 

2006056918
医中誌Web
【抗インフルエンザウイルス薬の効果と問題点】 抗インフルエンザ薬の作用機序と耐性獲得のメカニズム
Source:化学療法の領域(0913-2384) 21巻12号 Page1721-1728(2005.11)
Author:畠山修司(東京大学 大学院医学系研究科感染症内科), 河岡義裕
Abstract:ノイラミニダーゼ阻害薬はA型,B型インフルエンザウイルスのいずれにも効力があり,副反応は比較的少ない.A型インフルエンザ治療薬として使用されるアマンタジンの場合,治療中にアマンタジン耐性ウイルスが出現する割合は高率であるのに対し,ノイラミニダーゼ阻害薬は耐性ウイルスが誘導されにくいと考えられてきた.しかし,ノイラミニダーゼ阻害薬の使用経験が増すにつれ,耐性ウイルスに関する知見が得られつつある.また家禽で流行している高病原性H5N1鳥インフルエンザウイルスは,もはや簡単には撲滅することが不可能な状況に陥っている.新型ウイルスによるパンデミックに際し,現行の抗インフルエンザ薬に何が期待できるのか.抗インフルエンザウイルス薬の効果と問題点を,作用機序と耐性獲得のメカニズムを基に考察する(著者抄録)
 

2006051886
医中誌Web
【国際感染症と病院対策】 SARSとトリ型インフルエンザへの対応
Source:小児感染免疫(0917-4931) 17巻3号 Page203-209(2005.10)
Author:谷口清州(国立感染症研究所感染症情報センター)
Abstract:SARSに対して,人類はIsolation and Quarantineという古典的な方法で対応し,鎮圧に成功した.SARSの再燃に備えて厳戒態勢を敷いていた世界に出現したのは,高病原性トリ型インフルエンザと,それに引き続くパンデミックへの脅威であった.トリ型インフルエンザウイルスが一旦効率的なヒト-ヒト感染能を獲得すれば,感染伝播を止めるのは不可能に近い.十分な準備とSurge Capacityを確保することが肝要である(著者抄録)
 

2006046779
医中誌Web
【インフルエンザ】 インフルエンザウイルスの特性と病原性
Source:医薬ジャーナル(0287-4741) 41巻12号 Page2899-2905(2005.12)
Author:堀本泰介(東京大学医科学研究所 感染・免疫部門ウイルス感染分野)
Abstract:高病原性鳥インフルエンザウイルスの蔓延と,ヒトへの感染事例が増え続けている.新たなパンデミック(pandemic:医学用語.ある病気が世界的に大流行すること)の発生を防ぐ手段はないのであろうか?近年,リバースジェネティクス解析(ウイルスの人工合成)により,インフルエンザウイルスの細胞での感染動態が分子レベルで明らかとなってきた.それらの知見を基に,高病原性鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染メカニズムの解明が進んでいる.その成績は,わずかな変異でこの鳥インフルエンザウイルスが,恐怖のパンデミックウイルスに変貌する可能性を強く示している(著者抄録)
 

2006046777
医中誌Web
【インフルエンザ】 インフルエンザの流行の歴史と現在の世界の状況
Source:医薬ジャーナル(0287-4741) 41巻12号 Page2875-2880(2005.12)
Author:押谷仁(東北大学 大学院医学系研究科微生物学分野)
Abstract:インフルエンザウイルスは,変異を繰り返しながら毎年のように世界中で流行を起こしているが,このような年ごとの流行以外にも,数十年に一度,世界規模の大流行,いわゆる"パンデミック"を起こしてきている.20世紀中にも「スペイン風邪」,「アジア風邪」および「香港風邪」の3回のパンデミックが起き,多大な被害をもたらした.現在アジアを中心として,大規模な流行を家禽類に起こしている鳥インフルエンザH5N1が,次のパンデミックを起こす可能性が指摘されている.本稿では,これまでのパンデミックの歴史を振り返るとともに,現在の状況を歴史的な観点から総括する(著者抄録)
 

2006046326
医中誌Web
A型及びB型インフルエンザ感染症に対する予防薬としてのタミフルカプセル75(リン酸オセルタミビル)
Source:BIO Clinica(0919-8237) 20巻14号 Page1267-1271(2005.12)
Author:上園健(中外製薬 生活習慣病・感染症領域学術部)
Abstract:インフルエンザ治療に処方されているタミフルカプセル75は2004年7月に予防使用の適応が追加された.国内外の試験成績及び支持データより,本剤の予防適応はインフルエンザ患者接触後,13歳以上の小児及び成人では本剤75mg(1カプセル),1日1回,7〜10日間投与となった.また,予防投与対象集団としては,インフルエンザ患者の家族・共同生活者で,原則として高齢者及びハイリスク疾患患者(慢性呼吸器・心臓の疾患患者,腎機能低下患者,糖尿病など代謝性疾患患者)となった(著者抄録)
 

2006046325
医中誌Web
【新型インフルエンザ対策は万全か】 新型インフルエンザと迅速診断の役割
Source:BIO Clinica(0919-8237) 20巻14号 Page1261-1266(2005.12)
Author:三田村敬子(永寿総合病院 小児科), 川上千春, 清水英明
Abstract:インフルエンザ迅速診断キットが広く使われているわが国では,新型インフルエンザの警戒態勢のなかで,キットによって早期に患者発生が捉えられる可能性がある.キットを活用するためには,反応性,感染管理や検体採取法の確認,季節を問わない安定供給などが必要であろう.診断確定のための検査態勢の拡充や検査にいたるまでのマニュアルの周知は急務である(著者抄録)
 

2006046324
医中誌Web
【新型インフルエンザ対策は万全か】 新型インフルエンザ用のワクチン
Source:BIO Clinica(0919-8237) 20巻14号 Page1257-1260(2005.12)
Author:来海和彦(化学及血清療法研究所 第二研究部), 城野洋一郎
Abstract:新型インフルエンザウイルスH5N1は,現在の流行株であるH1あるいはH3亜型株と抗原性を異にする.人類はこのウイルスに対し免疫学的に無防備であり,感染がヒトへと拡大すれば大惨事(パンデミック)となりうる.H5ウイルスに対するワクチンは,その免疫原性が低いことや,ウイルス自体がワクチンの原料である卵を殺すためワクチン製造が出来ないなどの大きな問題があった.しかし,これらの難問はこれまでの多くの研究によって解決され,ようやくワクチンの効果が臨床試験によって明らかになるときがきている(著者抄録)
 

2006046323
医中誌Web
【新型インフルエンザ対策は万全か】 新型インフルエンザとノイラミニダーゼ阻害薬
Source:BIO Clinica(0919-8237) 20巻14号 Page1252-1256(2005.12)
Author:畠山修司(東京大学 大学院医学系研究科感染症内科)
Abstract:ノイラミニダーゼ阻害薬はA型,B型インフルエンザウイルスのいずれにも効力があり,副反応は比較的少ない.しかし,ノイラミニダーゼ阻害薬の使用経験が増すにつれ,耐性ウイルスに関する知見が次々と得られつつある.また近年では,家禽における高病原性鳥インフルエンザウイルスの発生を,もはや簡単には制御することが不可能な状況に陥っている.新型インフルエンザの出現は時間の問題との見方が強い.新型ウイルスによるパンデミックに際し,現行の抗インフルエンザ薬に何が期待できるのか(著者抄録)
 

2006046322
医中誌Web
【新型インフルエンザ対策は万全か】 地方での新型インフルエンザへの対応
Source:BIO Clinica(0919-8237) 20巻14号 Page1246-1251(2005.12)
Author:西村秀一(国立病院機構仙台医療センター 臨床研究部ウイルスセンター)
Abstract:新型インフルエンザでの被害をできるだけ少なくするためには,流行の現場となる地域レベルでの準備が大切である.だが,現段階で,日本の自治体単位の準備は極めて遅れている.手に入るさまざまな資料を上手に活用しながら,そして現実にあわせて,また実際の流行のイメージを働かせながら,準備を進めて行かなければならない.それもまずは早急に.それには自治体の積極的関与が必須である.だが,現実はそう簡単ではない.われわれは,このまま座して新型インフルエンザのパンデミックを迎えることになるのだろうか?(著者抄録)
 

2006046321
医中誌Web
【新型インフルエンザ対策は万全か】 アジアでのH5N1インフルエンザの現状と対策
Source:BIO Clinica(0919-8237) 20巻14号 Page1241-1245(2005.12)
Author:谷口清州(国立感染症研究所感染症情報センター)
Abstract:アジアにおけるH5N1の感染地域は増加しつつあり,またそれに伴ってヒトへの感染例も増加している.現状では,トリからヒトへの感染効率は高いものではなく,効率的なヒトからヒトへの感染の証拠もないが,感染が続けば,トリ型ウイルスが変異してヒトに適応する危険性は増加する.この段階で食い止めることがパンデミックの発生の予防につながる.今,国際的な協力・協調により,発生国における対策を支援することは,とりもなおさず我が国を含む世界中を救うことにつながるのである(著者抄録)
 

2006046320
医中誌Web
【新型インフルエンザ対策の準備は万全か】
Source:BIO Clinica(0919-8237) 20巻14号 Page1238-1240(2005.12)
Author:菅谷憲夫(神奈川県警友会けいゆう病院 小児科)
Abstract:新型インフルエンザの出現は時間の問題となった今,世界ではタミフルの国家備蓄が進んでいる.欧米諸国は日常診療に,ほとんどタミフルを使用していないにもかかわらず,危機管理として大量のタミフルをロッシュ社に発注した.日本では毎年の流行で世界の処方量の70〜80%を使用しているにもかかわらず,国家備蓄はごく少量である.今こそ,日本も十分な対応をとる必要がある(著者抄録)
 

2006021561
医中誌WebMedicalOnline
【感染症】 松本市地域のインフルエンザ流行時(2004/2005年期),A,B迅速診断キットにより試みた疫学的病因的観察
Source:小児科臨床(0021-518X) 58巻11号 Page2189-2197(2005.11)
Author:松岡伊津夫(松岡小児科医院), 松岡明子
Abstract:2004〜2005年期のインフルエンザ流行時に迅速診断キットを用いて広範な疫学的病因的調査を行った.流行は例年より遅れて2月上旬から始まり,同月下旬をピークとし,3月中旬までの比較的大きな規模であった.B型が先行,小学校低学年および幼児間で多発し優位に経過,AH3N2型が後発して高学年にやや多く,中学生では罹患者が極めて少なかった.年齢層による状況の相異は多年繰り返したA型,B型流行により,その抗体保有率に較差が生じたためと思う.本症の病因調査は培養分離よりも迅速診断を多数行う方が実態を把握するのに優れている.A型とB型の混合流行時,日を隔てて両者に罹患する例は間々あるが,今回は両型の同時罹患1例に遭遇し,迅速診断キット,培養分離,さらにPCR法で確認した.このように稀な経験は身近で検査可能になった迅速診断の効果といえる(著者抄録)
 

2006011469
医中誌WebMedicalOnline
【解明が進むウイルス・細菌感染と免疫応答 分子メカニズムから新たな治療戦略まで】 ウイルスの感染と疾患発症機構 アジアを襲う高病原性H5N1鳥インフルエンザウイルスin 2004
Source:実験医学(0288-5514) 23巻17号 Page2582-2586(2005.10)
Author:八田正人(米国), 河岡義裕
Abstract:2003年12月以来,高病原性H5N1鳥インフルエンザウイルスがアジア各国で流行し,多くの家禽が死亡あるいは殺処分された.また,ヒトへの感染も報告されており,2005年8月現在,カンボジア,ベトナムおよびタイで,合わせて112名もの感染が確認され,そのうち57名が亡くなった.このウイルスは,未だヒトからヒトへ効率よく伝播するには至っていないが,世界的な大流行を引き起こす恐れがある.本稿では,ベトナムで分離された高病原性H5N1鳥インフルエンザウイルスについて,そのアジアにおける現状とこれまでに知られている成績について紹介する(著者抄録)
 

2006011305
医中誌WebMedicalOnline
ワクチンによるH5N1インフルエンザウイルスの制圧
Source:インフルエンザ(1345-8345) 6巻4号 Page331-333(2005.10)
Author:ロバート・G・ウエブスター(米国)
Abstract:現在アジアで蔓延するH5N1高病原性鳥インフルエンザウイルスは,家畜防疫上ならびに公衆衛生上,大きな脅威となっている.流行の拡大が懸念されるなか,その対策の1つとしてワクチンの利用が考えられているが,その使用の是非についてはいまだ結論が出ていない.本稿では,H5ワクチンの現状と,ワクチン使用の問題点ならびに改良点の提起を軸に,今後のH5N1ウイルス対策について概説する(著者抄録)
 

2006011301
医中誌WebMedicalOnline
過去3年間のインフルエンザ流行状況
Source:インフルエンザ(1345-8345) 6巻4号 Page301-306(2005.10)
Author:河合直樹(日本臨床内科医会), 岩城紀男, 前田哲也, 川島崇, 金沢英夫, 宮地清光, 藤川万規子, 田中治, 國島修, 廣津伸夫, 池松秀之, 柏木征三郎
Abstract:本年(2004/2005年)のインフルエンザ流行状況の速報結果について,前2年と比較検討した.本年は迅速診断でB型の占める率が66.7%と前2年よりも有意に高かった.本年のA型流行の中央日は2月27日と例年より約1ヵ月遅く,さらにB型の中央日2月23日よりもやや遅かった.このためインフルエンザ全体の流行時期も中央日が2月24日と前2年より大幅に遅かった.B型ではA型に比し,発症時体温,最高体温ともやや低く,これらの体温が38℃以下や37.5℃以下の症例比率もA型より有意に大きかったが,発熱の持続時間はA型よりB型のほうが有意に長かった(オセルタミビル投与例の平均でA型:51.1時間,B型70.4時間).また,全身症状(全身倦怠感,食欲不振など)や咳の持続時間もB型のほうがA型より有意に長く,B型はA型と臨床症状がやや異なることが示唆された(著者抄録)
 

2006011300
医中誌WebMedicalOnline
ヒト用のH5N1ワクチンの作製について
Source:インフルエンザ(1345-8345) 6巻4号 Page295-300(2005.10)
Author:城野洋一郎(化学及血清療法研菊地研 第二研究部), 来海和彦
Abstract:東アジアを中心に高病原性H5N1ウイルスによる鳥インフルエンザが拡がっている.ベトナム,タイ,カンボジアでは,ヒトへの感染も起こっており,その致死率は非常に高い.パンデミック対策としては,抗ウイルス薬による初期の対応とそれに続くワクチンの接種が重要である.現在2004年にベトナムで分離されたウイルスをリバースジェネティクス法で弱毒化したウイルスを中心に各国でワクチン開発が進んでいる.わが国では,全粒子ウイルスにアルミニウムゲルアジュバントを添加したワクチンの開発を目指し,動物での安全性試験が開始されようとしている.それに続いて臨床試験が計画されており,早期承認が望まれる(著者抄録)
 

2005297029
医中誌Web
岡山県における2003〜2004年シーズンのインフルエンザ流行について
Source:岡山県環境保健センター年報(0914-9309) 29号 Page103-107(2005.09)
Author:葛谷光隆(岡山県環境保健センター), 濱野雅子, 西島倫子, 藤井理津志, 妹尾安裕
Abstract:2003〜2004年シーズン(2003/04シーズン)の岡山県におけるインフルエンザ流行を解明するため,学校等におけるインフルエンザ様疾患の集団発生の患者の発生状況,および岡山県感染症発生動向調査事業に基づくインフルエンザ患者の発生状況を調べた.また,患者から咽頭拭い液を採取し,インフルエンザウイルスの分離を試みるとともに,分離ウィルスについて型別および抗原性解析を実施した.定点医療機関あたりのインフルエンザ患者総数は184.93人と,最近10年では3番目に高い水準で,県内の地域を問わず一峰性の流行パターンであった.ウィルス分離成績などから,2003/04シーズンのインフルエンザはA香港(AH3)型インフルエンザウイルスを主流行とした,山形系統に属するB型との混合流行であると推察された.分離株の抗原解析結果から,前シーズンに流行したAH3型とほぼ同様の抗原性の株が,2003/04シーズンも引き続いて流行していたことが明らかになった
 

2005233243
医中誌Web
1999/2000〜2003/2004年の三重県におけるインフルエンザ流行状況と対数回帰モデルによる流行規模の予測
Source:三重県科学技術振興センター保健環境研究部年報(1346-9517) 6号 Page29-36(2005.03)
Author:大熊和行(三重県科学技術振興センター), 松村義晴, 福田美和, 中山治
Abstract:1999/2000から2003/2004年の三重県におけるインフルエンザ患者発生動向調査情報を統計学的に分析し,その特徴の把握や流行予測への応用を検討した.73の医療機関をインフルエンザ定点とした情報を人口10万当りで換算すると,6〜14歳では5シーズンとも女性よりも男性に多く,その他の年齢層では概して男性より女性に患者は多かった.1定点の1週当りの患者数が30人以上に達するかどうかで判別する対数回帰モデルを作製し,これとインフルエンザ警報発生システムによる警報発生的中率との間で比較したところ,後者が68%であったのに対し対数回帰モデルは75%とやや良好な的中率を示した.従って,対数回帰モデルがインフルエンザの流行予測に使用できる可能性が考えられたが,2001/2002年のシーズンのようにA型が衰退するとB型が増加する2峰性の流行パターンでは予測は困難であり,インフルエンザ迅速診断キットを使用した病原体診断実施状況調査によるウイルス別患者数報告をもとにした検討の必要性がある
 

2005214990
医中誌WebCiNiiMedicalOnline
ヤンゴン(ミャンマー)におけるインフルエンザの発生状況(2003.9-2004.10)
Source:新潟医学会雑誌(0029-0440) 119巻4号 Page257-262(2005.04)
Author:長谷川剛(新潟大学 大学院医歯学総合研究科器官制御医学講座病理形態学分野), 内藤眞, 江部祐輔, ヤデナー・キャウ, 齋藤玲子, 鈴木宏
Abstract:ミャンマーのヤンゴン市内にある3医療施設において2003年9月から2004年10月まで約1年間診断キットを用いてインフルエンザ抗原の検出を試みた.38℃以上の発熱患者556例を検査し,139例のインフルエンザ患者を検出した.2003年9月に5例,10月に1例発生し,いずれもB型であった.その後しばらく検出されなかったが,2004年6月に13例,7月に111例と爆発的な地域内流行を呈し,8-10月には激減した.興味深いことに2004年に発生したインフルエンザは全例A型であった.東南アジアでは雨季がインフルエンザの流行期とされ,7月に集中的発生をみたことが判明した.分離ウイルスの検索では,H3N2であった.今後,ウイルスの詳細な解析と近隣諸国のデータとの比較検討が重要である(著者抄録)
 

2005214433
医中誌WebMedicalOnline
政策 わが国の新型インフルエンザウイルス対策について
Source:インフルエンザ(1345-8345) 6巻3号 Page239-244(2005.07)
Author:前田光哉(厚生労働省健康局 結核感染症課)
Abstract:厚生労働省は,新型インフルエンザ出現後の具体的な取り組みを検討するため,検討小委員会を設立し,平成16年8月に報告を取りまとめた.その報告において, 1)迅速かつ的確な対応ができるよう,あらかじめ発生状況を6段階に分けて想定し,各状況に応じた対応を定めること, 2)医療機関に約1,740万人の患者が受診すると推計されること, 3)政府としては,官民合わせて2,500万人分の抗インフルエンザウイルス薬を確保すること, 4)新型インフルエンザウイルスを想定したモックアップワクチンを用いた開発を行うこと,などが提案された.今後,わが国において,「新型インフルエンザ大流行準備対策計画」(仮称)を策定する必要がある(著者抄録)
 

2005214431
医中誌WebMedicalOnline
診断 インフルエンザの抗体保有状況調査と流行予測 感染症流行予測調査事業より
Source:インフルエンザ(1345-8345) 6巻3号 Page221-229(2005.07)
Author:佐藤弘(国立感染症研究所感染症情報センター 第三室), 多屋馨子
Abstract:1998〜2004年度の感染症流行予測調査によるインフルエンザ流行前HI抗体保有状況は,A型については毎年度5〜19歳の年齢層で比較的高い抗体保有率を示すが,成人層では低く,特に30〜50代では約20%程度の抗体保有率であった.B型についてはビクトリア系統,山形系統ともにほぼすべての年齢層できわめて低い抗体保有率であった.インフルエンザの流行には多様な要因が複雑に関与するため,流行規模の大小は抗体保有状況のみからは一概にいうことはできないが,インフルエンザワクチンは罹患時の重症度を抑制するという観点からも,特に高齢者や慢性の基礎疾患を有する者における接種率の向上が必要である(著者抄録)
 

2005214430
医中誌WebMedicalOnline
基礎 続スペインかぜの謎
Source:インフルエンザ(1345-8345) 6巻3号 Page209-213(2005.07)
Author:新矢恭子(東北大学大学院医学系研究科附属動物実験施設), 八田正人, 河岡義裕
Abstract:1918年から翌年にかけて世界中で大流行を引き起こしたスペインかぜは,世界中で2,000万〜4,000万人もの死者を出したといわれている.1999年に開発したインフルエンザウイルスのリバースジェネティクス法を応用することによって,当時大流行を引き起こしたスペインかぜ原因ウイルスの特性の一部を有する組換えウイルスを作製し,その病原性に関する因子を探索した.スペインかぜウイルスの表面糖蛋白質である赤血球凝集素蛋白質(HA)を有する組換えウイルスは,接種したマウスに非常に速い経過で気管支肺炎を引き起こした.この病態はスペインかぜ罹患患者の多くに観察された病態に類似しており,スペインかぜウイルスのHAが,当時のウイルスの病原性発現に強く関与していた可能性が示唆された.また,近年,高病原性鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染した際のウイルスのサイトカイン分泌刺激能が,患者の病態を決めている一要因であることが示唆されている.同様に,スペインかぜウイルスのHAを有する組換えウイルスにも高いサイトカイン分泌刺激能があることが判明した.したがって,同ウイルスHAが当時のウイルス感染患者の病態発現に関与している可能性があることが示唆された(著者抄録)
 

2005204668
医中誌Web
2003/2004シーズンのインフルエンザAH3香港型の抗原変異解析
Source:佐賀県衛生薬業センター所報(0285-6077) 28号 Page95-99(2005.03)
Author:安藤克幸(佐賀県衛生薬業センター 微生物課), 藤原義行
Abstract:平成16年の1月〜2月に感染症発生動向調査事業で患者から採取した咽頭ぬぐい液4検体とロスアラモス国立研究所に登録された9シークエンスデータを用い,患者株とワクチン株のHA遺伝子を比較し,抗原変異解析を行った.ワクチン接種歴があるにもかかわらず,インフルエンザを発症した患者由来の4株のアミノ酸配列の変異は,ワクチン株A/Panama/2007/99に対して131,155,156,159,186,189,202,222,225,227番目の10アミノ酸が共通に変異していた.ワクチンを2回接種をしていたにもかかわらず,インフルエンザを発症した患者由来の2株については,さらに144番目のアミノ酸が変異していた.進化系統樹の解析で,4株はワクチン株A/Panama/2007/99からかなり隔たった位置にあり,アミノ酸配列の解析結果からも,アミノ酸配列の変異にともなう抗原変異に対応した株を選定することが必要になると思われた
 

2005204663
医中誌Web
佐賀県におけるインフルエンザの流行(2003/2004シーズン)
Source:佐賀県衛生薬業センター所報(0285-6077) 28号 Page73-79(2005.03)
Author:平野敬之(佐賀県衛生薬業センター 微生物課), 宮崎紀子, 安藤克幸, 藤原義行
Abstract:平成15年度の佐賀県感染症発生動向調査事業におけるインフルエンザの発生状況調査(2003/2004シーズン)および感染症流行予測調査の一環として,流行前抗体保有状況調査を実施した.2003/2004シーズンにおけるインフルエンザ患者報告は10月下旬が最初であったが,流行は昨シーズンと比べ約1ヵ月遅い12月中旬に始まり,翌年の平成16年2月中旬に大きなピークを迎えた.流行の主流はA型で,その後,B型インフルエンザの流行は小規模に終わり,流行の終息は5月中旬であった.患者数は5504例,集団発生施設報告数は10施設,患者数364例と中規模の流行であった.検体はインフルエンザ様疾患の散発事例患者123例から採取し,A香港型71件,B型8件を検出または分離した.分離されたA型は,ワクチン株から変異を示す株が大半をしめた.B型は,全例がYamagata系統株で,2シーズンぶりにYamagata系統株へとB型の主流が変わったことが示された
 

2005204662
医中誌Web
佐賀県におけるインフルエンザの流行(2002/2003シーズン)
Source:佐賀県衛生薬業センター所報(0285-6077) 28号 Page66-72(2005.03)
Author:宮崎紀子(佐賀県衛生薬業センター 微生物課), 安藤克幸, 藤原義行
Abstract:平成14年度の佐賀県感染症発生動向調査事業におけるインフルエンザの発生状況調査(2002/2003シーズン)および感染症流行予測調査の一環として,流行前抗体保有状況調査,新型インフルエンザウイルスの出現を想定した感染源調査を実施した.県内18医療機関におけるインフルエンザ患者を含む呼吸器疾患患者(散発患者)171例の鼻咽頭ぬぐい液171検体と,県内5保健所管内初発のインフルエンザ集団発生患者(集団発生患者)4事例35例のうがい液を採取した.インフルエンザ患者報告は11月初旬に始まり,1月中旬と3月中旬に大きなピークを持つ2峰性のパターンを示した.患者数は,15807例,集団発生施設報告数は23施設,患者数725例と比較的大規模の流行であった.A香港型37件,B型64件を検出または分離した.分離した株のほとんどはワクチン株に類似したが,12株のVictoria系統株は同定用のフェレット抗血清との反応性が極めて低い株が主体を占めた
 

2005203033
医中誌Web
石川県におけるインフルエンザ流行状況 主に2003/2004シーズンについて
Source:石川県保健環境センター研究報告書(1349-3604) 41号 Page31-34(2005.03)
Author:黒崎直子(石川県保健環境センター 感染症部), 大矢英紀, 尾西一
Abstract:石川県におけるインフルエンザ流行状況を報告した.「集団かぜ発生状況報告」では,2003/2004シーズンの流行は平成15年第51週が初発で,翌平成16年第3週から増加して第6週でピークとなり,第12週に終息した.この間に112施設,患者数9389人に達した.ウイルス分離は12施設61人で行い,9施設20人からインフルエンザウイルスを分離した(分離率32.8%).昨シーズン終盤の患者からB型4株を分離し,今シーズンのA型16株はすべて香港型(H3N2)であった.感染症発生動向調査のインフルエンザ患者報告は,平成15年第50週に始まり翌16年第6週がピークで,終息は昨シーズンより早かった.この間に115人中109人からインフルエンザウイルスを分離(分離率94.8%)し,B型4株中3株が今シーズンの株で山形系統株,A型105株はすべて香港型(H3N2)であった.今シーズンのA型香港株に抗原変異を,B型株にVictria株から山形系統への流行の変化を認めた
 

2005173717
医中誌Web
【話題の感染症2005】 トリインフルエンザ 21世紀初パンデミックの危険性
Source:INFECTION CONTROL(0919-1011) 14巻6号 Page510-514(2005.06)
Author:白石京子(帝京大学 医学部内科)
Abstract:近年アジア諸国の鳥類でH5N1型トリインフルエンザウイルスが流行し,ヒトでの感染者が増えている.幸い,現時点では,ヒトへの感染効率はそれほど高くはないが,ヒトからヒトへの感染が疑われる例が報告されており,病院感染対策が必要な病原体であると考えられる.今後もヒトでの感染例が増え続けると,ウイルスがパンデミック化する恐れがあり注意が必要である(著者抄録)
 

2005152935
医中誌WebMedicalOnline
鳥インフルエンザの流行状況
Source:インフルエンザ(1345-8345) 6巻2号 Page147-152(2005.04)
Author:山本健久(農業・生物系特定産業技術研究機構動物衛生研究所 疫学研究部予防疫学研究室)
Abstract:2004年1月から3月にかけて,国内の3府県4ヶ所の農場で鳥インフルエンザの感染が確認され,17万羽を超えるニワトリが殺処分された.日本における鳥インフルエンザの発生は,アジア地域における大規模な鳥インフルエンザの流行と密接に関連しており,この発生は,小規模ではあるが東南アジアを中心に現在も継続している.本病の対策として,養鶏農場における消毒等を徹底する必要があることはもちろんであるが,海外における流行状況を的確に把握することもきわめて重要である(著者抄録)
 

2005152934
医中誌WebMedicalOnline
ヒトの鳥型インフルエンザの治療
Source:インフルエンザ(1345-8345) 6巻2号 Page139-145(2005.04)
Author:齋藤玲子(新潟大学 大学院医歯学総合研究科国際感染医学講座公衆衛生学分野), 鈴木宏
Abstract:鳥型インフルエンザはパンデミックを起こす新型インフルエンザの先駆けになり得るとして世界保健機関(WHO)はアジアにおける高病原性鳥インフルエンザH5N1の流行に対し厳重な警戒態勢をとった.本稿では動物で報告された鳥インフルエンザに対する抗インフルエンザ薬の効果と薬剤耐性,およびこれまでのアウトブレイクを経時的に解説する(著者抄録)
 

2005152933
医中誌WebMedicalOnline
鳥類のインフルエンザ診断
Source:インフルエンザ(1345-8345) 6巻2号 Page133-138(2005.04)
Author:真瀬昌司(農業・生物系特定産業技術研究機構動物衛生研究所 感染病研究部病原ウイルス研究室)
Abstract:近年,アジアで猛威を振るっている高病原性鳥インフルエンザは家禽のみならずヒトにも感染し,40名以上を死亡せしめている.わが国でも昨年79年ぶりに発生が認められた.わが国の発生における診断ならびに防疫措置は農林水産省が示す「高病原性鳥インフルエンザ防疫マニュアル」に沿って実施される.幸いわが国では西日本の3県における発生以降新たな発生はみられず,またヒトでの発症例も認められなかった.本疾病に対する基本対策は,迅速な診断と的確な防疫措置である.本稿では鳥インフルエンザの診断について,その概略を述べるとともに2004年のわが国での高病原性鳥インフルエンザの概況および分離ウイルスの性状について紹介する(著者抄録)
 

2005152932
医中誌WebMedicalOnline
鳥インフルエンザの基礎について
Source:インフルエンザ(1345-8345) 6巻2号 Page125-131(2005.04)
Author:大槻公一(鳥取大学 農学部獣医学科病態・予防獣医学)
Abstract:鳥インフルエンザはA型インフルエンザウイルス感染によって起きる鳥類疾病の総称である.一部のH5あるいはH7亜型ウイルスは,ニワトリをはじめ多くの鳥類に致死的な甚急性の重篤な疾病の原因となる.ほとんどの鳥インフルエンザウイルスは弱毒で,局所感染にとどまる.無症状のまま経過する場合も多い.ヒトを含むすべての哺乳類に流行するA型インフルエンザウイルスの起源は鳥インフルエンザウイルスにあると考えられている.高病原性鳥インフルエンザは世界で広く発生している.元来弱毒であったウイルスが鶏体内での継代を繰り返す間に,高病原性を獲得してニワトリに対する高い致死性を獲得したと考えられている(著者抄録)
 

2005129627
医中誌Web
インフルエンザ様疾患の流行状況(2003/2004年)
Source:島根県保健環境科学研究所報(1347-2860) 45号 Page87-91(2004.12)
Author:川向明美(島根県保健環境科学研究所), 糸川浩司, 飯塚節子, 板垣朝夫
Abstract:インフルエンザ様疾患の流行状況と原因ウイルスを把握するため,2003年10月から2004年6月にかけて患者検体からのウイルス分離・同定を行うとともに,感染症発生動向調査事業による患者発生報告及び学校等での集団発生状況などの情報をまとめた.患者報告数は,今シーズン(2003年10月〜2003年6月)の流行は小規模で,過去10年間では2000/2001,2001/2002シーズンに次いで3番目に少ない報告数であった
 

2005120053
医中誌Web
2003/2004年シーズンの札幌市におけるインフルエンザの流行状況について
Source:札幌市衛生研究所年報(0917-0294) 31号 Page79-82(2004.11)
Author:宮北佳恵(札幌市衛生研究所), 菊地正幸
Abstract:札幌市においては,病原体情報を収集するため,市内医療機関(病原体検査定点)の協力のもとにウイルス分離を行っている.ウイルスの分離成績から,2003/2004年シーズンの札幌市におけるインフルエンザの流行状況を検討した.咽頭拭い液等合計932検体(小児科728検体,内科204検体)を採取し,回収されたものを検査材料とした.A香港型およびB型の混合流行で,Aソ連型は検出されなかった.今シーズン初めて分離されたインフルエンザウイルスは,A香港型ウイルスであった.分離したウイルス型別の比率は,昨シーズンと同様にA香港型が84.6%と多く分離され,B型が15.4%であった
 

2005119447
医中誌Web
平成15年度感染症流行予測調査
Source:栃木県保健環境センター年報(1342-6397) 9号 Page74-75(2004.10)
Author:栃木県保健環境センター微生物部
Abstract:「集団免疫の現状把握及び病原体の検索等の調査を行い,各種疫学的資料とあわせ検討し,予防接種事業の効果的な運用を図り,さらに長期的視野に立ち総合的に疾病の流行を予測する」ことを目的にポリオ,ジフテリア,インフルエンザ,日本脳炎,風疹,麻疹及び百日咳の7疾病を対象に実施している.新型インフルエンザウイルスの出現を想定した感染源調査及び日本脳炎の感染源調査の2項目について報告した.宇都宮市と畜場に搬入された主に県南産の生後6ヵ月の肥育豚を対象とした.3種類のインフルエンザ抗原に対するHI抗体は,調査を行った160検体からは検出されなかった.日本脳炎抗原に対するHI抗体は調査を行った160検体からは検出されなかった
 

2005110611
医中誌Web
2001-04シーズンの山形県におけるインフルエンザの流行
Source:山形県衛生研究所報(0513-4706) 37号 Page51-54(2004.12)
Author:安孫子千恵子(山形県衛生研究所), 水田克巳, 村田敏夫, 工藤勝博
Abstract:毎年インフルエンザウイルスを分離し,どの型のウイルスが流行しているのか観察すると共に,分離したウイルスについて抗原解析を行なって抗原変異の有無を調べている.今回,これらの成績を基に山形県における2001/04インフルエンザシーズンの流行状況をまとめた.呼吸器症状を呈した患者から採取した咽頭拭い液,鼻汁,うがい液等6500検体を用いてウイルスの分離を行った.2001/02シーズンはAH1型,AH3型,BV型の3種類の混合流行,2002/03シーズンは,AH3型とBV型の混合流行,2003/04シーズンは,AH3型とC型の流行であった.抗原解析の結果AH3型の流行が3シーズン観察されたのは,AH3型のウイルスが2002/03シーズンに抗原変異を起こしていたためと考えられた
 

2005088795
医中誌WebMedicalOnline
世界のパンデミック対策
Source:インフルエンザ(1345-8345) 5巻4号 Page335-339(2004.10)
Author:谷口清州(国立感染症研究所感染症情報センター 第一室)
Abstract:パンデミック対策は単にワクチンの製造や抗ウイルス薬の備蓄だけの問題ではない.戦略的な使用方法を含め,サーベイランス,公衆衛生対応,医療機関での対応と,適切な医療の提供,社会基盤の維持とリスクコミュニケーションなどを含んだ包括的な対策を計画することが必要である.そして大切なことは計画について事前に関係機関と十分なコンセンサスをとっておくことと,そして国民に対してもパンデミックに対する知識とともに情報提供しておくことである.そこで,WHOをはじめ,米国,英国,カナダ,オーストラリアにおける各国のパンデミック対策について述べた
 

2005088794
医中誌WebMedicalOnline
地域社会レベルにおけるアマンタジン耐性ウイルスの出現状況
Source:インフルエンザ(1345-8345) 5巻4号 Page329-334(2004.10)
Author:齋藤玲子(新潟大学 大学院医歯学総合研究科国際感染医学講座公衆衛生学分野), 佐々木亜里美, 鈴木宏
Abstract:2004年初めの高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)の流行後,WHOや米国CDCは採取された株がアマンタジン耐性であるとしてノイラミニダーゼ阻害剤を治療・予防薬に推奨した.WHOをはじめ各国で新型インフルエンザのパンデミックプランニングが具体化しており,どの薬剤を選択するかが論議されている.アマンタジンは耐性株が出現しやすいため,動物株を含め厳重な耐性株の監視が必要である
 

2005066288
医中誌Web
インフルエンザ流行予測調査
Source:富山県衛生研究所年報(0917-0707) 27号 Page84-90(2004.10)
Author:安藤秀二(新川厚生センター), 松浦久美子, 小原真・ , 岩井雅恵, 長谷川澄代, 永井美之, 田中桂子, 飛田忠嗣, 番留忠司, 田中有易知, 宮田英喜
Abstract:インフルエンザ流行期前の富山県住民の抗体保有状況(2003年6〜9月)と豚の抗体保有状況(2003年7〜9月)の調査,および流行期のインフルエンザ様患者からのウイルス分離を実施した.インフルエンザ流行期前における富山県住民のHI価10倍以上の抗体保有率では,B型に対する抗体保有率は依然低く,流行が危惧された.インフルエンザ患者は12月末から散発し,1月第2週より上昇,第5週をピークに4月中旬に終息した.分離ウイルス株について,ワクチン株に対する抗血清との反応性を調べた結果,ホモのワクチン株に対するHI価より8倍以上HI価が低く,抗原性がワクチン株とずれていると考えられるものが今シーズンも存在した
 

2005051500
医中誌Web
2001年〜2002年冬季の春日部市におけるインフルエンザの流行について
Source:埼玉県医学会雑誌(0389-0899) 39巻1号 Page12-15(2004.09)
Author:藤田靖子(春日部厚生病院 小児科), 舟本規昭, 大塚博康, 掘越文子, 坂巻陽子, 小林美恵子
Abstract:2001年12月から2002年3月までに経験した迅速抗原検査によりインフルエンザと診断した症例に対する臨床的検討を行った.検査実施数は成人510例,小児1103例で,陽性例は成人195例,小児635例であった.陽性例は1月下旬から2月上旬にピークを認め,3月に激減した.小児例での検討では男児332例,女児303例で,生後2ヵ月から15歳までで平均年齢は6歳8ヵ月であった.1〜6歳までの罹患例が55%を占めた.検査キットによりA型,B型を区別したのは413例で,A型400例,B型13例であった.A型とB型の両者が陽性であったのは28例であった.使用薬剤はシンメトレル52%,リレンザ23%,タミフル22%であり,原則として発病後48時間以内に投与を開始した.二峰性発熱は11%に認められ,胃腸症状20%,けいれん2%に認められた.インフルエンザワクチン接種者は陽性者の2%であり,入院症例は3%であった
 

2005028197
医中誌Web
2003/2004シーズンの山梨県におけるインフルエンザの流行
Source:山梨県衛生公害研究所年報(0915-437X) 47号 Page12-17(2004.09)
Author:大石陽子(山梨県福祉保健部 健康増進課), 嶋村博, 金子通治, 小澤茂, 小松史俊, 若尾朗, 武井治郎, 山上隆也, 斉藤徹
Abstract:山梨県民の抗体保有状況と,本シーズンのインフルエンザ流行状況およびウイルス分離状況について報告した.インフルエンザ感受性調査の結果,インフルエンザウイルスに対する抗体保有率は,全年齢層においてA型,特にA(H3)型が高く,B型で低い傾向であった.年齢が高くなるにしたがって低下する傾向にあった.山梨県内の本シーズンのインフルエンザの流行は,1月第1週から一定点医療機関あたりの患者数が1人を越え,流行が始まった.A(H3)型分離株はワクチン株の変異型であるA熊本株類似株が86%と大部分を占めた.集団かぜは,4保健所管内で1月第4週に集中して発生し,すべてA(H3)型であった
 

2005025489
医中誌Web
岡山県における2002〜2003年シーズンのインフルエンザ流行について
Source:岡山県環境保健センター年報(0914-9309) 28号 Page93-98(2004.09)
Author:葛谷光隆(岡山県環境保健センター), 濱野雅子, 藤井理津志, 妹尾安裕
Abstract:2002〜2003年シーズンの岡山県におけるインフルエンザ流行を解明するため,インフルエンザによる学年または学級閉鎖措置校の患者および岡山県感染症発生動向調査事業に基づくインフルエンザ患者の発生状況を調べた.岡山県における集団かぜは,平成14年12月3日に初めて確認されて以降,患者数が漸増したが,第52週〜翌年第2週までは冬休みのためか患者報告はなかった.第3週より再び患者発生が認められ,翌週には患者数が急増しピークに達した後,患者数はいったん減少したが,第9週に2度目のピークを迎え,第13週に流行は終息した.岡山県感染症発生動向調査における定点医療機関あたりのインフルエンザ患者総数は24792人と,最近10年では2番目に高い水準であり,流行が比較的大規模であったと思われた.また,患者発生状況から,集団かぜと同様な二峰性の流行パターンが認められた
 

2005025393
医中誌WebCiNii
自然環境要因(絶対湿度)からみたインフルエンザウイルスの通年動態
Source:麻布大学雑誌(1346-5880) 5〜6巻 Page61-62(2003.03)
Author:原田誠三郎(大館鹿角健康福祉センター), 生盛剛
Abstract:秋田県内では,インフルエンザの発生は主に冬季に多くみられ,住民に対して大きな健康被害を与えている.このようなことから,自然環境要因(絶対湿度)からみたインフルエンザウイルスの通年動態の検証を試みた.また,健康福祉センター管内で,今年の5月上旬まで発生がみられた集団かぜについても検討した.絶対湿度2〜10の範囲でウイルスが分離され,年によってはその範囲が6月上旬までみられたことから,今後,県内では6月ごろにおいても同ウイルスによる集団かぜの発生の可能性が推測された
 

2005023361
医中誌WebMedicalOnline
オランダでヒトに集団発生した高病原性H7N7トリインフルエンザウイルスによる感染
Source:インフルエンザ(1345-8345) 5巻3号 Page217-225(2004.07)
Author:山田晋弥(東京大学医科学研究所 感染・免疫部門ウイルス感染分野), 河岡義裕
Abstract:2003年2月末,オランダでH7N7亜型の高病原性トリインフルエンザが発生した.ヒトの感染者は89名にも及んだ.ほとんどは結膜炎のみであったが,同時期にH3N2亜型のヒトインフルエンザが流行しており新型インフルエンザウイルスの出現が警戒された.幸いにもパンデミックを起こし得る新型ウイルスは出現しなかったが,H7亜型トリインフルエンザウイルスの危険性が再認識された.そこで,このH7N7亜型の高病原性トリインフルエンザにおける,ヒトへの感染に関する疫学調査,更に分離されたH7N7ウイルスの特徴等について解説した
 

2005017165
医中誌Web
2002/2003年のインフルエンザ流行時における臨床症状の検討
Source:感染症学雑誌(0387-5911) 78巻8号 Page681-689(2004.08)
Author:河合直樹(日本臨床内科医会), 岩城紀男, 川島崇, 佐藤家隆, 重松武, 近藤邦夫, 前田哲也, 金沢英夫, 廣津伸夫, 宮地清光, 国島修, 池松秀之, 柏木征三郎
Abstract:2002/2003年シーズンの日本臨床内科医会の全国調査から,迅速診断で診断されたA型,B型と迅速診断陰性例の症状を比較検討した.最高体温が38℃を超す症例の比率は16〜64歳ではA型がB型,陰性よりも有意に高く,B型と陰性群間に有意差はみられなかった.小児では38.5℃を超す症例比率はA,B型ともに陰性よりも高く,A,B型間では6歳以下の39℃超以外には有意差がみられなかった.A,B型とも鼻汁,食欲不振,嘔吐,下痢は成人よりも小児の方が高頻度でみられた.症状的な特徴に乏しい高齢者での診断には現状では迅速診断キットの使用が有用と思われた
 

2005013253
医中誌Web
【高病原性鳥インフルエンザ】 インフルエンザウイルスの病原性の分子基盤
Source:化学療法の領域(0913-2384) 20巻11号 Page1663-1667(2004.10)
Author:村本裕紀子(北海道大学 大学院獣医学研究科・微生物学教室), 喜田宏, 河岡義裕
Abstract:2003年末から2004年にかけて,高病原性鳥インフルエンザがアジア諸国で流行した.ウイルスはニワトリだけでなくヒトにも感染し,20人以上の死者が出た.致死性の高病原性鳥インフルエンザウイルスは,毎年ヒトの間で流行するインフルエンザウイルスと何が違うのだろうか?本稿では,高病原性鳥インフルエンザウイルスを中心に,インフルエンザウイルスの病原性発現の分子基盤について概説する(著者抄録)
 

2005013252
医中誌Web
【高病原性鳥インフルエンザ】 インフルエンザAウイルスの宿主域とレセプター特異性
Source:化学療法の領域(0913-2384) 20巻11号 Page1655-1661(2004.10)
Author:伊藤壽啓(鳥取大学 農学部獣医公衆衛生学教室)
Abstract:インフルエンザAウイルスは人のみならず,馬,豚,アザラシ,クジラ,ミンク等の哺乳動物や様々な鳥類にも自然感染する.しかし,異なる動物種の間の伝播は滅多に起こらない.そこには宿主域を規定する壁が存在するようだ.インフルエンザウイルスが宿主に感染する最初の段階は,ウイルス粒子が宿主細胞表面のレセプターに吸着することである.様々な宿主動物が持つレセプターの構造を比較することによって,ウイルスのレセプター特異性と宿主が保有するレセプターの種類との相関が,このウイルスの宿主域を決める重要な因子であることが判明した.しかし,一方では鳥のウイルスでありながら人にも感染して死に至らしめるような例外的なウイルスの存在も近年報告されている(著者抄録)
 

2005013251
医中誌Web
【高病原性鳥インフルエンザ】 高病原性鳥インフルエンザウイルスの起源
Source:化学療法の領域(0913-2384) 20巻11号 Page1649-1654(2004.10)
Author:喜田宏(北海道大学 大学院獣医学研究科・微生物学教室)
Abstract:高病原性鳥インフルエンザウイルスの遺伝子の起源は,ヒトを含む哺乳動物のそれらと同じく,水禽(カモ)のウイルスにある.自然界で,カモに害を及ぼすことなく水系伝播を繰り返しながら存続しているH5またはH7HA亜型のウイルスが,シチメンチョウ,ウズラや水禽を介してニワトリに感染し,数ヵ月にわたってニワトリからニワトリに感染を繰り返すと,ニワトリに対する病原性を獲得することが経験されている.水禽とその営巣湖沼水ならびに野鳥と家禽のインフルエンザの疫学調査を地球規模で実施し,ウイルスの分布を明らかにするとともに,調査で得られるウイルス株を系統保存しておけば,先回りの予防対策を執ることができる(著者抄録)
 

2005001682
医中誌WebCiNii
【かぜとインフルエンザ】 インフルエンザにならないために,もし罹ってしまったら 日常生活の注意点,予防法・治療
Source:順天堂医学(0022-6769) 50巻2号 Page157-160(2004.06)
Author:関谷栄(順天堂大学 医学部総合診療科研究室)
Abstract:インフルエンザの流行は12月から3月であり,主に飛沫感染により人から人に感染するため,インフルエンザの流行時期には,繁華街などの人が大勢集まる場所へは行かないようにする.また,マスクを着用し,手洗い・うがいの励行は,ウイルスを体内に入れないということで重要である.インフルエンザワクチンを接種することでウイルスに対する抵抗力をつけることができ発症の抑制や重症化防止が期待できる.その効果が出現するまでに2週間程度かかり,5ヵ月間持続するため12月上旬までに予防接種を行っていた方がよい.予防接種は,一般の医療機関で受けることができるが,健康保険が適用されないので費用は全額自己負担である.ただし,65歳以上の高齢者と60〜64歳の心臓・腎臓・呼吸器等に基礎疾患のある人は,予防接種法により公費の補助が出ることがある.インフルエンザに罹ってしまったら,適切な栄養補給・安静が必要である.近年,インフルエンザに対する薬剤が3つ認められており,塩酸アマンタジンはA型インフルエンザにのみ有効であり,ザナミビル・リン酸オセルタミビルはA型・B型のいずれにも有効である.これらの薬は,発症してから48時間以内に服用することにより,症状の緩和や発熱期間の短縮が期待できる.発熱に対しては,小児では解熱剤にジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)やメフェナム酸(ポンタール)を使用した症例にインフルエンザ脳炎・脳症を来しやすいことが知られており,解熱剤としてアセトアミノフェンの使用が推奨されている.15歳以上の人では解熱剤の使用に制約はないが,脳炎・脳症を合併した際には小児と同様に考えるべきである.インフルエンザを他の人にうつさないためには,発症してから3〜5日はウイルスを排出するので,人の多く集まる所に行くことは避けた方がよい.学校保健法では,「解熱した後2日間を経過するまでをインフルエンザによる出席停止期間」としている.また,マスクの着用や手洗いが有効である.インフルエンザの施設内感染予防を行うために,事前対策としては,施設内に感染対策委員を設けて施設内のリスク・流行状況の把握・職員教育を行う.施設内感染対策の指針を作成しておく.すなわち,インフルエンザを疑う症状や施設内における対応方法および関連医療機関との連携を文章で作成し周知徹底させる.また,インフルエンザウイルスを施設内に入れないために感染患者(インフルエンザの症状のある人)を施設内に入れないようにする.やむなく施設に入る際にはマスクの着用や手洗いを励行させる.また,施設内で働く人に対して予防接種をしておく.実際にインフルエンザが施設内で発症した際の行動計画としては,感染の拡大を阻止するために,患者に個室を提供し,施設内に医師がいない場合には外部から援助を受ける.また,多くの人が集まる集会所やレクリエーション施設などの使用を一時停止する.最後に,施設内感染対策の総合評価を行わなくてはいけない.具体的には,施設内のインフルエンザ患者数の把握や,代表的な症例を通して,発病・診断・治療・経過の調査と分析を行い,高齢者・基礎疾患を有する人・小児など危険性の高い症例についての解析を行う(著者抄録)
 

2004311771
医中誌Web
静岡県で分離されたA型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ(NA)亜型の型別
Source:静岡県環境衛生科学研究所報告(1343-246X) 46号 Page7-10(2004.05)
Author:佐原啓二(静岡県環境衛生科学研究所 微生物部), 稲吉恵, 三輪好伸, 杉枝正明, 倉重英明
Abstract:手技が煩雑で,一般のウイルス検査室で実施困難なノイラミニダーゼ阻止(NI)試験に代わる実用的な方法として,RT-PCR法による型別法を検討した.また,この方法を応用して,静岡県で分離されたA型インフルエンザウイルス205株のヘマグルチニン(HA)亜型を決定し,県内におけるリアノータントウイルスの動向を調べた.A/H1型の31株は全てN1型,A/H3型の174株は全てN2型で,リアソータントウイルス(A/HIN2型,A/H3Nl型)は検出されなかった
 

2004282291
医中誌WebMedicalOnline
SARS,新型インフルエンザ,トリインフルエンザ missing linkを探して
Source:蛋白質・核酸・酵素(0039-9450) 49巻6号 Page772-780(2004.05)
Author:板村繁之(国立感染症研究所 ウイルス第3部)
Abstract:最近のアジアにおけるトリインフルエンザや米国でのBSE(狂牛病)に関する報道は,多くの人の食への安全性に対する関心を喚起することになった.とくにトリインフルエンザには,背後に新型インフルエンザ出現の可能性という人類に対して大きな脅威となる潜在的危険性をはらんでいる.そこで,トリインフルエンザと新型インフルエンザの関係を,昨年大きな問題となったSARSとともに,その病原体であるそれぞれのウイルスの起源・出現機序を中心に紹介した
 

2004281618
医中誌Web
【感染症 最新の話題】 話題の感染症 東アジア諸国で大流行している高病原性トリインフルエンザウイルス
Source:小児科(0037-4121) 45巻4号 Page434-439(2004.03)
Author:小田切孝人(国立感染症研究所 ウイルス3部インフルエンザウイルス室)
Abstract:現在,高病原性トリインフルエンザH5N1ウイルスは,ヒトからヒトへの感染の疑い例はあるもののまだ確認されていない.しかし,北半球諸国ではヒトのインフルエンザの流行シーズンに重なっていることから,家禽でのH5N1の流行の封じ込めが長引くと,ヒトとトリのインフルエンザウイルスの間で遺伝子交雑体が形成され,ヒトからヒトへ伝播できる新型ウイルスが出現する危険性が高まり,これによる世界的な大流行すなわちパンデミックが起こることが懸念される.そのために,感染研を含むWHOインフルエンザ協力センターでは,流行地域からもたらされる多くの情報を共有し対応方針をたえず確認し,さらに,これらの地域から分離されたH5N1ウイルスを用いてワクチン株の緊急開発を行っている
 

2004264036
医中誌WebCiNii
【かぜとインフルエンザ】 ヒトインフルエンザと鳥インフルエンザ 疫学・合併症・治療法・予防法
Source:順天堂医学(0022-6769) 50巻2号 Page166-173(2004.06)
Author:堀賢(順天堂大学 大学院感染制御科学COE)
Abstract:インフルエンザの流行は高齢者集団や,心臓血管系または呼吸器系に慢性基礎疾患のある患者にきわめて重大な影響をもたらす.適切なワクチンプログラムは,インフルエンザに感染した患者を治療するより安価にかつ効果的に流行をコントロールできる.インフルエンザの流行を払拭するために様々な取り組みが行われているにもかかわらず,豚などの家畜体内でトリ由来とヒト由来のウイルスが自然に遺伝子交雑を起こすために,毎年冬季には定期的な小規模流行が発生する.しかし数年に一度,大きな抗原性の変化を起こした新型ウイルスが誕生し,大規模流行へと発展することがある.香港とベトナムで発生した高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)は,久々に出現した人類への新しい脅威となりうるウイルスである.現在ではヒトからヒトへの伝染は報告されていないが,高い致死率ゆえに遺伝子交雑による変化の結果,将来的にヒトで大流行を起こす可能性がある.本稿では,インフルエンザの疫学・臨床症状・合併症・診断・予防手段について,トリとヒトのインフルエンザについてそれぞれ解説する(著者抄録)
 

2004264033
医中誌WebCiNii
【かぜとインフルエンザ】 過去・現在・未来
Source:順天堂医学(0022-6769) 50巻2号 Page149-154(2004.06)
Author:檀原高(順天堂大学 医学部総合診療科研究室)
Abstract:最もポピュラーな病気であるかぜに,特にインフルエンザをテーマに都民公開講座が企画されました.まず,ここでは導入の講演を行います.私の講演内容では,以下のことを紹介いたします. 1:かぜの原因ウイルスの発見までの歴史とかぜとインフルエンザの概観 2:インフルエンザの過去・現在・未来 1)歴史的大流行となったスペインかぜの実態と歴史背景 2)現在のインフルエンザの実態 3)将来危惧されるインフルエンザの未来像 3:インフルエンザウイルスの特性と特徴 4:インフルエンザのトピックス 続いて,各講師により診断・治療・予防,日常生活の注意,最近話題となっている鳥インフルエンザやSARSなど重症ウイルス感染について,わかりやすく市民の皆様へご講演していただきます(著者抄録)
 

2004261769
医中誌Web
喘息治療のため長期入院中にインフルエンザに罹患し発作を起こした喘息患児12症例
Source:アレルギーの臨床(0285-6379) 24巻7号 Page546-551(2004.07)
Author:堀川雅浩(国立病院機構宮城病院 小児科)
Abstract:1988年〜2003年までの15年にわたり,各年次12月〜翌年3月までの4ヵ月間に1ヵ月以上の長期入院をしていた4〜15歳の気管支喘息患児延べ1688例,1ヵ月間当たり延べ422例を対象に,インフルエンザ罹患と喘息発作の関係について検討した.インフルエンザに罹患した喘息患児の発作は,発熱その他の症状が現れる前3日間と症状出現してから7日以内,計10日間にみられた発作をインフルエンザ罹患喘息患児が起こした発作とした.長期入院中の喘息患児でインフルエンザに罹患した患児は88例,インフルエンザに罹患しなかった患児は334例で,それぞれ発作を起こした患児の割合は,10日間当たり14%と12%で差は認めなかった.発作の程度は,インフルエンザに罹患しなかった喘息患児の方が重い印象であった.インフルエンザA型のみに罹患したのは71名,インフルエンザB型のみ罹患したのは4例で,このうち発作を起こしたのは各々11例,0例であった.両方に罹患した13例では1例に発作がみられた.長期入院中に喘息患児でインフルエンザに罹患し,その後発作を頻回に起こし,重症化した患児はいなかった
 

2004255465
医中誌Web
日本の2001〜2002年のインフルエンザ流行期における横浜市の集団発生事例からのA型インフルエンザ(H1N2)ウイルスの分離(Isolation of Influenza A H1N2 Viruses from an Outbreak in Yokohama City during the 2001- 2002 Influenza Season in Japan)
Source:Japanese Journal of Infectious Diseases(1344-6304) 56巻3号 Page110-113(2003.08)
Author:KawakamiChiharu(横浜市衛生研究所), SaitoTakehiko, NakayaYoko, NakajimaSetsuko, MunemuraTetsuya, SaikusaMiwako, NoguchiYuzo, FujiiKikushige, TakaokaMikio, ItoReiko, SaitoToshinori, OdagiriTakato, TashiroMasato
Abstract:2002年2月に横浜市内の中学校でインフルエンザの集団発生が起きた際に5名の患者からうがい液と血液を採取した.うがい液からMDCK細胞を用いてウイルス分離を試み,2名の検体からH1亜型のA型インフルエンザウイルスが分離された.RT-PCRによるNA亜型の鑑別でN2型と判明した.血清検体についてHI抗体価の測定を行い,4名にA/New Caledonia/20/99に対する抗体価上昇を認めた.ウイルス分離過程における遺伝子再集合や実験室内コンタミネーションに伴う遺伝子再集合の可能性は否定された.分離された2株についてH1遺伝子のダイレクトシークエンスを行い,系統樹解析を行った結果,同時期にヨーロッパ大陸,北アメリカおよびアジアで流行した株と同じ枝に属することが判った
 

2004206716
医中誌WebPierOnline
【インフルエンザ研究の最前線】 インフルエンザの疫学 インフルエンザ株サーベイランスから見た世界のインフルエンザの流行
Source:最新医学(0370-8241) 59巻2号 Page248-256(2004.02)
Author:小田切孝人(国立感染症研究所 ウイルス3部)
Abstract:世界各地で分離されたインフルエンザ流行株の解析結果から見た最近の流行の特徴は,2001/02シーズンにA/H1N1(ロシア型)とA/H3N2(香港型)との遺伝子再集合体A/H1N2が出現し世界各地に広がったこと,B型ウイルスの流行の主流が山形系統からVictoria系統に替わったこと,更にこれら2系統間で遺伝子再集合が起こり,最近分離されるVictoria系統株のNA遺伝子は山形系統から由来していることなどが挙げられる.そこで,米国,英国,オーストラリア,日本のWHOインフルエンザ協力センターから得られた情報に基づいて,最近の世界のインフルエンザ流行株について紹介した
 

2004179343
医中誌WebMedicalOnline
【プライマリケア医のためのかぜ症候群とインフルエンザの診かた】 インフルエンザの歴史と展望
Source:治療(0022-5207) 85巻12号 Page3139-3144(2003.12)
Author:奥野良信(大阪府立公衆衛生研究所 感染症部)
Abstract:インフルエンザは世界的流行(パンデミック)を起こす唯一の感染症で,人類は過去に何度もパンデミックを経験してきた.新型インフルエンザが出現するとパンデミックになり,多数の患者と死亡者が発生するため,その対策を急がなければならない.今までインフルエンザ対策の中心はワクチンの接種であったが,最近,新しい抗インフルエンザ薬や迅速診断キットが登場し,予防,診断,治療の選択肢が広がってきた.これら方法の適切な使用が今後の課題である
 

2004176578
医中誌Web
小児病棟における,インフルエンザ接触者へのオセルタミビル予防内服効果
Source:感染症学雑誌(0387-5911) 78巻3号 Page262-269(2004.03)
Author:新庄正宜(慶応義塾大学 医学部小児科), 佐藤清二, 菅谷憲夫, 三田村敬子, 武内可尚, 小崎健次郎, 高橋孝雄
Abstract:2002〜2003年シーズンのインフルエンザ流行時に,2病院の小児病棟にて院内発生があり,流行の拡大傾向が認められたため,オセルタミビルの接触後予防内服(2mg/kg/dose,最高75mg/dose,1日1回,7〜10 日間)を行った.院内発症した事例は3回(A型1回,B型2回)あり,のべ29名の患児が病棟においてインフルエンザ患者に接触した.インフルエンザ発症者はオセルタミビルを内服し,隔離した.3事例を通して,予防内服を行わなかった16例のうち11例(69%)が二次発症し,接触24時間以内に予防内服をした13例では,二次発症を認めなかった.予防内服は有意にインフルエンザ発症を阻止した.予防内服に副反応は認められなかった.予防群と非予防群間について,年齢,性別に差を認めなかった
 

2004172903
医中誌Web
2002/2003年のインフルエンザ流行状況とA,B型の複数回感染例の検討
Source:感染症学雑誌(0387-5911) 78巻2号 Page120-128(2004.02)
Author:河合直樹(日本臨床内科医会), 岩城紀男, 川島崇, 佐藤家隆, 重松武, 近藤邦夫, 前田哲也, 金沢英夫, 廣津伸夫, 宮地清光, 国島修, 池松秀之, 柏木征三郎
Abstract:2002/2003年シーズンに18都府県24医療機関にて迅速診断(Capilia FluA,B)で確定されたインフルエンザ延べ2320症例(A型1517例,B型803例)と,このうち時期を変えて2回(A・B型両方に)感染した複数回感染症例27例について解析した.本シーズンではA型は11月22日〜4月12日,B型は12月24日〜4月20日に発生がみられ,中央値ではB型がA型より26日遅れて発生しており,平均年齢ではA型の26.7歳よりB型の16.7歳が有意に低かった.A型(大部分がH3N2)では肺炎合併率が0.63%とB型(0%)より有意に高く,転帰でもB型にはなかった入院治療(5例)や死亡(1例)症例があった.インフルエンザに2回感染したのは重複を除く2293例中27例(1.2%)の年齢は2〜51歳・平均11.2歳で,20例は9歳以下であった.2回の発症間隔は11〜79日・平均38.3日で,27例中25例が1回目A型,2回目B型であった.以上より,複数のウイルス型が比較的長期間流行する場合には,特に小児において注意を要するものと考えられた
 

2004172208
医中誌Web
インフルエンザ様疾患の流行状況(2002/2003年)
Source:島根県保健環境科学研究所報(1347-2860) 44号 Page143-147(2003.12)
Author:川向明美(島根県保健環境科学研究所), 糸川浩司, 飯塚節子, 板垣朝夫
Abstract:2002年10月〜2003年6月におけるインフルエンザ様疾患の流行状況について検討した.その結果,今回,過去10年間で3番目に報告数が多く,98/99シーズン以来4年ぶりに大きな流行であった.流行は12月中旬に始まり,1月下旬にピークを迎えた.総報告数は9934名,定点医療機関あたり261名であった.A香港型(H3N2)とB型が約7:3の割合で分離され,これら2つのウイルスの混合流行であった.A香港型は12月上旬から分離され始め,3月上旬までに222株分離された.B型は12月上旬から散発的に分離され,4月中旬までに98株分離された.A香港型分離株は今シーズンのワクチン株であるA/PANAMA/2007/99類似株と,赤血球凝集抑制(HI)試験で4倍以上の抗原変異を示した株の両方が混在した.一方,B型ウイルスは全てVictoria系統に属するB/KAGOSHIMA/11/2002に類似した
 

2004170205
医中誌Web
【増加する人獣共通感染症と対策 日本は大丈夫か】 インフルエンザ・SARS
Source:化学療法の領域(0913-2384) 20巻2号 Page209-215(2004.01)
Author:西藤岳彦(国立感染症研究所 ウイルス第3部)
Abstract:抗原の連続変異に伴うインフルエンザの流行の機序とパンデミック(新型)インフルエンザの出現によるインフルエンザ大流行の機序の違いを示し,新型ウイルス出現にかかわる動物インフルエンザウイルスの重要性を述べた.更に,近年目立っている動物ウイルスの人への感染事例を紹介し,新型インフルエンザウイルス対策の学術的側面についても述べた
 

2004168864
医中誌Web
奈良県の2002/2003シーズンにおけるインフルエンザ流行疫学
Source:奈良県保健環境研究センター年報(1348-3153) 37号 Page97-98(2003.12)
Author:北堀吉映(奈良県保健環境研究センター), 田口和子, 井上ゆみ子, 井上凡己, ・ 部久勝
Abstract:ウイルス分離依頼294検体のうち,A/香港型75株,B型24株の計99株が分離された.A/香港株の初発は2002年12月11日で,その後北和地区及び中和地区を中心に1月をピークとして流行し,2月初旬に急速に減少して2月末で終息した.B型は2月を緩やかなピークとし,3月末を最終とした小流行であった.医療圏別に見ると,北和地区がA型37株,B型が18株と多く,二峰性の流行様式を示した.中和地区ではA型25株,B型3株で,A型の流行のみが際立っていた.南和地区はA型13株,B型3株と少数で,散発的な流行であった.今シーズンの分離ウイルス数は例年と大差がなかったが,厚生労働省健康局結核感染症課「インフルエンザ様疾患発生報告」では,前年に比較して7倍強の流行と報告されており,この乖離には迅速診断キットの普及による病院検査の影響が考えられた
 

2004164035
医中誌Web
石川県のインフルエンザ流行状況(2002/2003シーズン)
Source:石川県保健環境センター研究報告書(1349-3604) 40号 Page91-94(2004.03)
Author:黒崎直子(石川県保健環境センター 感染症部), 大矢英紀, 尾西一
Abstract:年間を通して集団かぜ及び散発のかぜ患者を対象にインフルエンザウイルスの検査を実施し,2002年後半から2003年にかけての流行状況と分離ウイルスの性状等について検討を行った.平成14年度の集団かぜ患者数は9,265人で,13年度の11,816人よりやや少なく,全て香港A型であった.今シーズン分離された166株は,香港A型が144株,B型が22株であった.分離株とワクチン株との抗原性の差は,香港A型では大半がA/Panama/2007/99と近縁で,8倍の差があった株は4株のみであった.B型についてはB/Shandong/7/97とまったく反応せず,B/Kagoshima/11/2002との反応性も低かった.B型株はワクチン株と抗原的相違が大きいと考えられた
 

2004145975
医中誌WebMedicalOnlinePierOnline
【呼吸器領域において問題となる新興・再興感染症】 国内での感染症で問題視すべきもの インフルエンザパンデミック(汎流行)対策 新型インフルエンザはいつでもやってくる
Source:医学のあゆみ(0039-2359) 208巻1号 Page9-13(2004.01)
Author:鈴木宏(新潟大学 大学院医歯学総合研究科国際感染医学講座)
Abstract:新興感染症としての新型インフルエンザが発生すると,大陸間を越え地球規模での汎流行(pandemic)となる.近年では,SARS発生時に香港でH5N1が再興し,更にはオランダにおいてAH7N7とトリから直接感染したはじめての新型発生が続々と報告された.これらの背景より,我が国でも新型インフルエンザ対策の詳細な検討は急務である.ワクチンの製造法と配布順位の検討に加え,特に抗ウイルス剤の選択順ではノイラミニダーゼ阻害薬が第一候補であり,大量に保管して新型発生に備えるべきではあるが,解決すべき問題が多い.このことより,アマンタジンは重要な補完的役割を担う薬剤であることも考慮すべきと思われる
 

2004127097
医中誌Web
2002年度の日本脳炎,風疹,インフルエンザ,麻疹流行予測調査の解析
Source:三重県科学技術振興センター保健環境研究部年報(1346-9517) 5号 Page70-74(2003.12)
Author:矢野拓弥(三重県科学技術振興センター), 中野陽子, 西香南子, 久保晶, 杉山明, 中山治
Abstract:日本脳炎,風疹,ブタインフルエンザに加えてさら人インフルエンザ,麻疹について感染源又は感受性調査による流行予測調査を行った.三重県中部地方の豚の日本脳炎ウイルスHI抗体は,10倍未満から20倍であった.しかし,8月6日に採血した豚から2-ME感受性抗体保有豚が3頭確認された.風疹のHI抗体保有率は男性73.1%,女性92.1%であった.新型インフルエンザウイルスに対する感染源調査は,ヒト由来株を使用したが,豚100頭全てからHI抗体は検出されなかった.本年度の人のワクチン株についてのインフルエンザHI抗体保有率は,A/NewCaledonia/20/01に対しては43.8%,A/Panama/2007/99では73.8%,B/Shandong/7/97は22.3%であった.麻疹感受性調査では,男女の各々の全年齢層でのPA抗体保有率は男性95.1%,女性97.6%であった
 

2004114279
医中誌Web
長崎県におけるインフルエンザの疫学調査(2002年度)
Source:長崎県衛生公害研究所報(0914-0301) 48号 Page124-126(2003.11)
Author:原健志(長崎県衛生公害研究所), 中村まき子, 平野学, 野口英太郎, 平山文俊
Abstract:今シーズンは,インフルエンザ様疾患の疑いで搬入された検体が294検体で,A香港型115株,B型35株が分離された.集団発生施設数は43施設で,そのうち6施設の生徒のうがい水についてウイルス分離を行った.その結果,13名からA香港型ウイルスが,16名からB型ウイルスが分離された.長崎県でのインフルエンザの流行は,ウイルスの分離比がA香港型76.7%,B型23.3%で,2種類のウイルスの混合型であった
 

2004111588
医中誌Web
【インフルエンザ】 インフルエンザウイルスの流行と病原性
Source:Mebio(0910-0474) 20巻11号 Page63-68(2003.11)
Author:岩附(堀本)研子(東京大学医科学研究所 ウイルス感染 分野), 河岡義裕
Abstract:インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)は,それまでにヒトで流行していなかったA型ウイルスが出現したときに起きるが,反対に,限られた地域での流行をいうエピデミックA型とB型におけるウイルスの抗原性が,少しずつ変化することに原因がある.インフルエンザウイルスにはほかにC型が存在するが,A,B,Cの3つの型のなかで,病原性について最も多くの知見が得られているのはA型ウイルスである.そこで,その流行と病原性について概説した
 

2004104190
医中誌Web
2002/2003年シーズンの札幌市におけるインフルエンザの流行状況について
Source:札幌市衛生研究所年報(0917-0294) 30号 Page81-84(2003.11)
Author:菊地正幸(札幌市衛生研究所 生活科学課), 宮北佳恵
Abstract:札幌市においては,病原体情報を収集するため,市内医療機関(病原体検査定点)の協力のもとにウイルス分離を行っている.それらのウイルスの分離成績から,今シーズン(2002/2003年)の札幌市におけるインフルエンザウイルスの流行状況について報告した.分離されたウイルス型別の比率は,昨シーズンに引き続いてA香港型が74.1%と多く分離され,B型が25.9%であった.今シーズンはMDCK細胞により分離されたビクトリア系統株に反応性の高いB/Kagoshima/11/2002に対する抗血清が配布された.分離されたB/Shandong/7/97に類似する株は,B/Kagoshima/11/2002抗血清対して高いHI価を示した.一方,B/Yamagata/16/88に代表される山形系統に属するB/Hirtosima/23/01と抗原性が類似した分離株は少なく,HI価40〜80を示す分離株は5株しか分離されなかった
 

2004101183
医中誌Web
インフルエンザ流行予測調査
Source:富山県衛生研究所年報(0917-0707) 26号 Page92-99(2003.10)
Author:松浦久美子(富山県衛生研究所), 岩井雅恵, 長谷川澄代, 中山喬, 安藤秀二, 永井美之, 田中佳子, 飛田忠嗣, 遠藤京子, 田中有易知, 宮田英喜
Abstract:インフルエンザ流行前の時期における2002年6〜9月の富山県住民及び2002年7〜9月での豚の抗体保有状況を調査し,流行期のインフルエンザ様患者からのウイルス検出を試みた.住民247名のうち,HI値40倍以上の抗体保有者の割合はウイルス株により1.6〜22.3%であり,豚における10倍以上の抗体保有率は0%であった.2002年11月からインフルエンザ様患者がみられ,学校等における届出累積患者数は936名であり,5ヶ所の定点観測医療機関等での検体では,A(H3)型が75株,B型が39株検出された
 

2004094015
医中誌Web
横浜市におけるインフルエンザの流行(2002年12月〜2003年4月)
Source:横浜市衛生研究所年報(0912-2826) 42号 Page57-62(2003.12)
Author:川上千春(横浜市衛生研究所 検査研究課), 宗村徹也, 七種美和子, 野口有三, 藤井菊茂, 高岡幹夫
Abstract:横浜市においては12月17日にAH3型ウイルスが分離され,年明けの1月にはB型ウイルスも分離された.今シーズンの流行状況を分離ウイルスの抗原性状及び遺伝子解析から考察した.2003年1月14日から2月10日迄に発生した集団かぜは,50施設201学級と中規模な流行で,AH3型ウイルスとB型ウイルスが原因であった.定点ウイルス調査におけるウイルス分離状況では,AH3型ウイルスとB型ウイルスの混合流行であった.遺伝子系統樹解析では,今シーズンのAH3型ウイルスはA/Panama/2007/99より多くのアミノ酸変異がみられ,進化が進んでいた.B型ウイルスは2種類の進化の異なるVictoria系統と,昨年まで主流であった株とは異なる山形系統のウイルスが混在していた
 

2004041256
医中誌Web
2002/2003シーズンの山梨県におけるインフルエンザの流行
Source:山梨県衛生公害研究所年報(0915-437X) 46号 Page18-22(2003.08)
Author:大石陽子(山梨県立衛生公害研究所), 嶋村博, 金子通治, 小澤茂, 井上利男, 小松史俊, 若尾朗, 武井治郎, 山上隆也, 斉藤徹
Abstract:山梨県住民の流行シーズン前における抗体保有状況と,今シーズンのインフルエンザ流行状況及びウイルス分離状況について報告した.抗体保有率は,全年齢層でA型が高く,B型で低い傾向にあった.年齢層別では,40歳以上の年齢層で保有率が低かった.流行は,12月第51週から一定点医療機関あたりの患者数が1名を越え,流行がはじまった.第4週には一定点医療機関あたりの患者数が44名となり,過去5シーズンで2番目に大きな規模の流行となった.A(H3)型は,12月第47週に,B型は1月第2週に分離され,分離時期は過去5シーズンで最も早かった.集団かぜ5事例は,A(H3)型が4件,B型が1件であった.県内初発は,12月13日に発生したA(H3)型の集団かぜで,昨シーズンよりも7週早く発生した.他4事例は,1月第4〜5週に発生し,A(H3)型が3事例,B型が1事例であった
 

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